|
| |
ドイツの共済制度
小俣和一郎著『精神病院の起源 近代篇』
産業革命の波は、19世紀中期に至ってドイツにも及びはじめ、農村地帯から都市部への人口流
入と都市の膨張を生みつつあったが、その一方で大量の精神病者を発生させることになった。精神
病の病因論がいまだ未整備の当時にあっては、このような精神病者の発生理由を、都市部の劣悪な
な空気・自然環境のせいにしたり、都市生活の生む喧騒に帰したりすることが一般的であった。
手工業者を対象にした疾病に対する共済制度として扶助金制度が作られました。その後、鉱夫や
工場労働者にも加入が拡大され、加入の強制、保険費用の労使分担も行われます。
1883年、世界で初めての国家による強制的な社会保険制度である「疾病保険法」が成立しま
す。さらに84年、雇主の相互組合による自主運営の災害保険法案が成立します。
どのような理由でこのような保障が行われたのでしょうか。
ビスマルク政府は、フランスの状況をふまえ、労働運動の高揚が支配体制を揺るがすものとして
捉え、「社会主義者取締法」による弾圧の裏返しとして、労働者にたいする「飴」の政策を進めた
のです。
|
|