◆ 『諸外国におけるハラスメントに係る法制』
労働政策研修機構 2022年3月31日
3月31日、労働政策研究研修機構は研究報告書 『諸外国におけるハラスメントに係る
法制』 を刊行しました。イギリス・アメリカ・ドイツ・フランスにおけるハラスメントに
ついて法律と規制、制定に至る経緯や判例などを紹介・解説しています。
『諸外国におけるハラスメントに係る法制』
「最近のニュースから」No.136
≪活動報告≫ 22.4.8
|
◆ 「フォーラム『職場環境の改善─ハラスメント対策─』」
労働政策研修機構 2022年2月10日
2月10日、労働政策研修機構主催の労働政策フォーラム『職場環境の改善─ハラスメ
ント対策─』がズームで開催されました。メモに基づいて報告します。
法成立をうけて積極的に取り組みを進めている企業も多くあります。そのなかには、報
告した企業のように、就業規則等でパワハラの定義を法律や判例が示す範疇をこえて定義
して職場環境の改善に取り組んでいるところもあります。その結果、生産性向上につなが
ったという相乗効果の「成果」をもたらしています。
「パワハラ防止法」が成立した翌月に、国際労働機関(ILO)総会は「仕事の世界に
おける暴力およびハラスメントの撤廃に関する条約」(第190号条約)と付随する勧告
を採択しました。日本は批准できる体制が整っていませんが、外資系企業などではすでに
条約の内容にそったコンプライアンス遵守を進めています。
「最近のニュースから」No.132
「フォーラム『職場環境の 」画像
|
◆ 「20年度「個別労働紛争解決制度の施行状況」
法施行でパワハラは減ったか
厚労省 2021年6月30日
年度ごとの「紛争当事者双方のあっせん参加率の推移」は、「紛争当事者双方のあっせん
参加件数/手続き終了件数」は19年度までは56%台でしたが20年度は48.4%に下
がっています。「あっせんにおける合意率の推移」は「合意成立件数/手続き終了件数」が
40%に近かったのですが20年度は32.4%になっています。
ここからも、個別労働紛争解決制度が持つ使い勝手の悪さだけでなく「パワハラ防止法」
が実効性を持っていないというこが現れているのではないでしょうか。
「個別労働紛争2020年度」
≪活動報告≫ 21.8.17
|
◆ 「職場のハラスメントに関する実態調査」
厚労省 2021年4月30日
4月30日、厚労省は「職場のハラスメントに関する実態調査」を発表しました。
調査は、2016年度に実施した職場のパワーハラスメントに関する実態調査から4年が
経過し、ハラスメントの対策に取り組む企業割合や労働者の状況も変化していると考えられ
ることから実施されました。また、顧客や取引先からの暴力や悪質なクレーム等の著しい迷
惑行為(いわゆるカスタマーハラスメント。以下「顧客等からの著しい迷惑行為」)や、就
職活動中またはインターンシップ中の学生に対するセクハラ(以下「就活等セクハラ」)に
よる被害についてもあわせて調査が行われました。
「職場のハラスメントに関する実態調査」
≪活動報告≫ 21.5.11
≪活動報告≫ 21.5.14
|
◆ 特集 「新しいハラスメント規制の論点」
季刊労働法268号(2020年春季)
・「包括的で実効的なハラスメント規制の原点とは」
大和田 敢太 滋賀大学名誉教授
「ハラスメントに関する立法規定が労働施策総合推進法に盛り込まれ、行政施策
である指針が策定され、2020年6月から施行されようとしている。この法律
はかつての雇用対策法が改称されたもので、立法目的に『生産性の向上』が追加
された経緯がある。このような性格の法律の中に、ハラスメント規定が存在する
こと自体が、今回のハラスメント規定が設けられた経緯や背景を象徴している。
今回の法制化は、非科学的なパワハラ定義に基づき、『よいパワハラ』としてハ
ラスメントを放任する従来の政策への固執であるだけでなく、現在の労働政策の
基調である働き方改革からの誘導、そして自己責任と自助努力を前提とする公的
責任の放棄という規制緩和政策の具体化として位置付けられる。指針についても、
この法律の規定と解釈の限界を超えることはありえず、法解釈の欠陥を補うこと
はできな。」
|
◆ 「人事院規則10―16(パワー・ハラスメントの防止等)の
運用について」
人事院事務総長 令和2年4月1日職職―141
第2条はパワー・ハラスメントの定義で「『パワー・ハラスメント』とは、職務に関
する優越的な関係を背景として行われる、業務上必要かつ相当な範囲を超える言動であ
って、職員に精神的若しくは身体的な苦痛を与え、職員の人格若しくは尊厳を害し、又
は職員の勤務環境を害することとなるようなものをいう」 とあります。
一方「パワハラ防止法」におけるで定義は「職場において行われる優越的な関係を背
景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労
働者の就業環境を害するもの」と個人的問題に集約し、3つの要素を満たすものとしま
した。
人事院規則には「職員に精神的若しくは身体的な苦痛を与え、職員の人格若しくは尊
厳を害し」と明記され、さらに3つの要素を満たさなければならないという記載はあり
ません。
「人事院規則10―16(パワー・ハラスメントの防止等)の運用について」
「人事院規則10―16(パワー・ハラスメントの防止等)の運用について」
「人事院規則10―16(パワー・ハラスメントの防止等)の運用について」
≪活動報告≫ 20.619
◆ 「公務職場におけるパワー・ハラスメント防止対策検討会報告」
公務職場におけるパワー・ハラスメント 防止対策検討会
人事院 2020年2月14日発表
「Ⅲ パワー・ハラスメントの概念
職務に関する優越的な関係を背景として行われる、職員に精神的又は身体的苦
痛を与え、職員の人格や尊厳を害する、あるいは、職員の勤務環境を害すること
となるような、業務上必要かつ相当な範囲を超える言動・・・
『第三者からの暴力』について
職務上、職員以外の者に接する場合にも、職員がその者にパワー・ハラスメン
トに類する言動を行うべきでないことは当然である。・・・そのため、職員以外
の者に対する言動についても、その態様等によっては、国家公務員法第99条が
禁止する信用失墜行為等に
該当し、懲戒処分に付されることがあることを職員に明示すべきである」
「パワハラ防止法」のように個人的問題に集約したり、3つの要素を満たすもの
にはなっていません。そしてパワハラに該当する行為については「懲戒処分に付
され得るものである。」と断言します。
「第三者からの暴力」についても、「パワハラ防止法」は「必要な注意を払うよ
う配慮することが望ましい」ですがはっきりと禁止しています。
「公務職場におけるパワー・ハラスメント防止対策検討会報告」
「IMC通信48号」
|
◆ 特集「職場のハラスメント対策」
有識者からの提言
『パワーハラスメントを防ぐために求められるもの』
『Business Labor Trend』 2019.10 独立行政法人 労働政策研究・研修機構
・「労働現場からみたパワーハラスメント ―劣化する労働現場」
労働ジャーナリスト 金子 雅臣
「そもそもパワハラの現状のとらえ方をめぐっては、厚生労働省の有識者検討会
でも議論が交わされたように、大きくは二つの見解がある。その一つは、「あく
まで職場の単なるコミュニケーションギャップの問題」であり、「個人的な指導
の行き過ぎの問題だ」とする見解であり、もう一つは「職場の重大な人権問題」
であり、「深刻な労働問題だ」とする見解である。
この両者の主張は、対策をめぐる議論にも大きな違いとなってくる。前者は極
力個人の指導上の問題ととらえて、指導との線引きの難しさから、まずはガイド
ラインにとどめることでよしとするものになる。一方、後者はパワハラ問題が生
じる職場環境の劣悪化を防ぐため、より厳しい法規制を求めるということになる。
こうした議論を交わした結果、今回の法規制は企業の措置義務という、どちら
かと言えば、前者の主張に沿う形で決着をみた。しかし、相談現場から見た場合 、
両者の主張の是非はともかく、あまり生産的な議論だったようには思えない。
・・・
今回の規制法では現状のパワハラを規制する有効な手段となるかについては疑
問が多いと言わざるをえない。そもそも、このパワハラ規制をめぐっては二つの
立場がある・・・
その見解の違いはパワハラ規制に向けた基本的な姿勢の問題の違いであること
がわかる。つまり、「あくまで職場の単なるコミュニケーションギャップであり、
指導上の個人の行き過ぎの問題だ」とする見解は、職場環境の問題であることを
意図的に無視することにより、企業の責任を回避したいというものである。
それに対して、もう一つの立場は「職場の重大な人権問題」であり、「うつ自
殺に発展しかねない深刻な労働問題だ」とする。」
「有識者からの提言『パワーハラスメントを防ぐために求められるもの』」
|
◆ 韓国 「改善されない『職場内いじめ』… 勤め人の72%
『何も変わっていない』 『職場内いじめ禁止法』施行から1年」
ハンギョレ新聞 20.7.16
「勤め人1000人を対象として行われた実態調査の結果によると、法施行から1
年間で、所属する会社内で職場内いじめがどれだけ変化したかを問う質問に対し、
回答者の71.8%は「変化なし」と答えた。「減少した」という答えは19.8%
にとどまり、「増えた」も8.4%にのぼった。」
「改善されない『職場内いじめ』 」
◆ 「実態は『職場内いじめ放置法』?」
ハンギョレ新聞 20.6.29
「昨年7月16日に施行された労働基準法第76条3項によると、職場内いじめを
調査する義務は原則として使用者側にある。ただし、労働部の内部指針では、使用
者側が被害者をきちんと保護しなかったり、被害者が退社するなど、『使用者の適
切な調査・措置を期待できない場合』には、労働監督官が直接調査し、事業所に改
善を勧告することになっている。立法の趣旨を考えれば、労働監督官にも調査の権
限と責任があるわけだ。
しかしパワハラ119の説明によると、一部の労働監督官は「我々には直接調査
する権限そのものがない』『できることが何もない』などと責任を転嫁している。」
「実態は『職場内いじめ放置法』?」
◆ 「職場内暴力、これからは法で防ぐ…パワハラ防止法が可決」
ハンギョレ新聞 19.1.2
「(12月)27日、これまで法制司法委員会で眠っていたいわゆる「職場内いじ
め防止法」である労働基準法改正案が国会本会議を通過した。今回改正された労働
基準法は、職場内でのいじめを『職場での地位または関係などの優位を用いて業務
上の適正範囲を超えてほかの労働者に身体的、精神的苦痛を与えたり、
勤務環境を悪化させる行為』と規定し、被害者を保護する内容を盛り込んだ。
しかし、保護措置のほか処罰規定は設けておらず、限界として指摘されている。
・・・
この日国会は、職場内のいじめ被害者が精神的なストレスによる疾病にかかると、
これを労働災害と認定する労働災害補償保険法も一緒に可決した。これまでは労働
者が職場内のいじめのためにうつ病や急性ストレス障害などに悩まされても、法的
根拠がなく業務上の疾病として認められなかった。職場内のいじめによって生じた
精神疾患の治療費まで労働者が負担しなければならず、二重三重の被害が生じた。
・・・
処罰規定がなく保護範囲が狭く、実効性の面で限界が少なくないという指摘も出
ている。キム・ドンヒョン弁護士(公益人権弁護士会「希望を作る法」)は『労働基
準法で職場内いじめを規定しているため、労働基準法の適用を受けられない4人未
満の事業所の労働者や特殊雇用労働者は排除されている。また、使用者が被害労働
者に不利益な対処をした場合を除いては、法に違反しても処罰できないという点も
限界だ』と説明した。」
「職場内暴力、これからは法で防ぐ…」
≪活動報告≫ 19.1.2
|
◆ 「職場のパワーハラスメントに関する ヒアリング調査結果」
独立行政法人 労働政策研究・研修機構 2019年6月
「第1章 職場のパワーハラスメントへの対応について
④パワーハラスメントの発生要因を解消するための取組
・職場アンケートを 3 年に 1 回実施し、自由記述も設け社員の意識を把握してい
る。アンケートでは様々な意見が上がってくる。アンケートは外部団体に委託し、
職場の直接の上司が見ることがなく、プライバシーの保護に努めている。人権研
修時のアンケートでハラスメントの案件が発覚することもある。
⑤働きやすい職場づくりのための取組
・上司と部下の指導に限らず、企業の理念に沿ったすばらしい行動を、小さな行動
であっても全員に共有して、褒めてたたえていくということを約20年行ってき
ている。毎日の朝礼でそれを紹介して、全員で共有するという取組をしている。
その中には、上司から部下への具体的な指導や、部下から見た上司の良い事例が、
毎日紹介されていく。」
「職場のパワーハラスメントに関する ヒアリング調査結果書」
|
◆ 本 『いじめを生む教室
子供を守るために知っておきたいデータと知識』
荻上チキ著 PHP新書 2019年5月
「いじめについてこれまでは、被害者と加害者の心理にばかり焦点があたりがちで
した。しかし、いじめなどの行為には、『本人の資質』と『環境要因』の双方が関
わります。
・・・人は環境で変わる。それは子どもだって同じこと。環境のあり方によって、
いじめが増えたり減ったりするのです。・・・
いじめ対策というのは、『発生したいじめに対応する』『いじめをしないように
教育する』ばかりが全てではありません。『いじめが起きにくい環境を作る』『人
をいじめに追いやる背景を取り除く』『何がいじめ対策に有効なのかを検証する』
など、様々な対策が必要になります。単純化すれば、いじめ対策は『予防→早期発
見→早期対応→検証』のサイクルで回す必要があると言えるでしょう。」
「活動報告」 2019.5.28
|
◆ 第108回ILO総会
「仕事の世界における暴力とハラスメント」条約 採択
2019年6月10日から21日にスイス・ジュネーブで国際労働機関(IL
O)第108回総会が開催されました。主要議題は「仕事の世界における暴力とハ
ラスメント」に関する条約案で、昨年からの継続です。昨年、日本政府は反対の論
陣をはりました。
条約は6月21日に採択されました。日本政府は直前まで態度が決まってません
でしたが、最終的に賛成しました。使用者を代表した経団連は棄権しました。労働
者側代表は賛成です。
条約は「『暴力とハラスメント』とは、一回性のものであれ繰り返されるもので
あれ、身体的、精神的、性的または経済的危害を目的とするか引き起こす、または
それを引き起こす可能性のある、許容しがたい広範な行為と慣行、またはその脅威
をいい、ジェンダーに基づく暴力とハラスメントを含む」です。
このあと批准がせまられます。批准には条約にそった国内法の整備が必要となり
「パワハラ防止法」では不十分です。早急な改正が迫られます。
ILO憲章には「いずれかの国が人道的な労働条件を採用しないことは、自国に
おける労働条件の改善を希望する他の国の障害となる」と書かれています。
「条約」
「最近のニュースから」
「最近のニュースから」
「IMC通信44号」
「ILO条約案 仮訳」
「活動報告」 2019.6.11
|
◆ 「パワハラ防止法」成立
5月29日、企業に職場のパワーハラスメント防止策に取り組むことを義務付け
る「労働施策総合推進法改正案」が成立しました。あわせてセクシャルハラスメン
トとマタニティーハラスメントで従業員を不利益にする扱いを禁止する男女雇用機
介会均等法と育児・護休業法の改正案も成立しました。
成立した改正法はパワハラの定義を「職場において行われる優越的な関係を背景
とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する
労働者の就業環境を害するもの」としました。
「提言」の概念規定・定義は「職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く
者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正
な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をい
う。」です。
改正法は3つの要件を満たすものとなります。労働者にとっては活用しにくいも
のに変えられました。
事業主は相談窓口の設置等が義務づけられます。職場内で解決しなかった場合、
都道府県労働局に相談することができます。そして「厚生労働大臣は違反している
事業主が勧告に従わなかったときは、その旨を公表できる」となっています。ただ
し罰則規定はこれだ けです。
はたしてこれで職場のパワハラ防止の効果は発生するでしょうか。
「最近のニュースから」
参議員付帯決議
衆議院付帯決議
「活動報告」 2019.6.21
「活動報告」 2019.4.5
「活動報告」 2019.4.9
「IMC通信43号」
「IMC通信42号」
|
◆ 「シンポジウム 職場における人格権を考える」
『労働法律旬報』18年3月10日
1月16日、大阪地裁は、大阪市交通局(当時・現大阪メトロ)の2人の職員に
対して「ひげを理由にした考課の減点は裁量権の逸脱で違法」の判決をだしました。
2人の社員は、裁判で、ひげを剃ることを拒否したため人事考課で低い評価を受
けたことは「人格権」を保障した憲法に違反すると主張して提訴しました。
シンポジウムでの大阪市立大学の西谷敏名誉教授の基調報告の抜粋です。
「職場における労働者の人格権がいろんな角度から侵害されて
います。・・・労働者は、本来1人の主体として、様々な属性もあり、個性もあり、
人生観もあるという個人です。
そういう労働者の主体としての側面がだんだん抑圧されて、労働者があたかも経
営者や当局の手段、もしくは管理の対象とされている。ここに問題の最も根本的な
要因があると思います。」
「人格権とはいったいどのような権利なのか。・・・一言でいうと、労働者が一個
の人格として尊重されるべきことを要求する権利で、法的には『憲法十三条』、や
幸福権追及権個人の尊重の法原則に根拠があります。・・・
人格権という問題を考えるときに出発点をどこに据えるのか。労働者は一個の独
立した存在であるというところから出発しなければなりません。・・・
『問題の出発点は、二十四時間自由な個人でなければならない』です。人は本来
24時間自由でなければなりません。これは近代法の大原則です。奴隷的な拘束は
許されません。その個性は様々な属性を持っています。性別は違うし、人種や国籍
も違うし、信条も違う。いろいろな趣味の違いもあります。最近は『ダイバーシテ
ィー(多様性)という言葉がしばしば用いられます。これは正しい。企業の従業員
は一色であってはならない。多様性を持った諸個人でなければならない。・・・
ダイバーシティーということを本当に考えるとすれば、いろいろな属性を持った
個人が自分で自由に決定しなければならない。これを『自己決定』といいます。そ
の自己決定を尊重することがダイバーシティーの大前提のはずです。」
「活動報告」 2019.1.25
|
◆ 『公務労働者の労働基本権や労働者への暴力・ハラスメントを
防止する条約・勧告等を審議 ――第107回ILO総会』<
Business Labor Trend 2018.8-9
『公務労働者の労働基本権や労働者への暴力・・・』
「また、条約勧告適用専門家委員会の 報告書を元に基準関連事項を検討した基準適
用委員会は、報告提出その他の基準関連義務が履行されていない国の 問題や、労働
者の権利の実行に係わる個別案件を検討し、それぞれについて結論を採択した。
委員会では「1948年の結社の自由及び団結権保護条約(第87号)」の適用
に係わる日本の案件も取り上げられた。ほぼ毎回取り上げられていた1970、8
0年代と異なり、10年ぶりに扱われた公務員の労働基本権の問題について審議し
た委員会は、政府に対し、以下を実行するための期限を定めた行動計画を社会的パ
ートナー(労使)とともに立てて、その結果を今年の条約勧告適用専門家委員会に
報告することを求めた。
・社会的パートナーと協議のうえ、自律的労使関係制度について慎重に検討する
こと
・消防職員委員会制度の機能改善に向けた政府の活動に関する情報の提供
・消防職員について、これを警察と見なす政府の見解等に関して全国レベルの社
会的パートナーと協議を行う こと
・刑務所職員について、社会的パートナーと協議のうえ、警察の一部と見なされ
る職種、見なされない職種について検討すること
・社会的パートナーと協議のうえ、人 事院の手続きが中立的で迅速な調停と仲
裁を確保しているか否か検討す ること
「最近のニュースから」
「IMC通信38号」
|
◆ 『 職場のいじめ・嫌がらせに関する諸外国の取組』
第5回 職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会 配布資料6
厚労省雇用環境・均等局雇用機会均等課 平成29年10月19日
『職場のいじめ・嫌がらせに関する諸外国の取組』
「ベルギギ―
枠組み
労働における暴力、モラルハラスメントあるいはセクシュアルハラスメントに対
する保護に関する法
定義
労働におけるモラルハラスメント:企業や施設の外部あるいは内部において、と
りわけ行動、言辞、脅迫、行為、身振りおよび一方的な書き付けによって表現され、
労働の遂行の際に、労働者の人格、尊厳あるいは肉体的あるいは心理的な統合性を
損なうことを目的とするあるいはそのような効果をもたらし、その雇用を危険にさ
らしもしくは威嚇的な、敵対的な、品位を貶める、屈辱的なあるいは攻撃的な環境
をもたらすあらゆる性質の、一定の時間生じている、類似のあるいは種々の濫用的
な複数の行為。
○『労働における暴力』、『セクシュアルハラスメント』については別途定義規定
がある。」
◆ 『パワハラ対策に関する諸外国の取組』
第2回 職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会 配布資料5
厚労省雇用環境・均等局雇用機会均等課 平成29年7月3日
『パワハラ対策に関する諸外国の取組』
「フランス
枠組み
労使関係法 (2002) ※労働法、刑法改正
定義
モラルハラスメント:労働者の権利及び尊厳を侵害し、身体的もしくは精神的
な健康を害し、または職業キャリアの将来性を損なうおそれのあるような労働条
件の悪化を目的とする、あるいはそ のような効果を及ぼすような反復的行為
対策
○ 使用者は、労働者の安全衛生確保のための包括的な予防計画を作成し、モ
ラルハラスメント防止策を講じなければならな い。
○ (労働者がモラルハラスメントを)拒否したことを理由に、解雇されるこ
と又は報酬、昇進、配置転換、契約更新等に間接・直接的に差別されることがあ
ってはらならない。このような行為から生じた労働契約の解約は当然に法的に無
効。」
|
◆ 『職場のパワーハラスメントに関する実態調査報告書』
厚生労働省 2017.4.28
≪実態調査報告書≫
企業についての調査結果です。
「パワーハラスメントが職場や企業に与える影響として当てはまるとお考えのもの
を全てお教えください。(複数回答可)」の質問についてです。
「職場の雰囲気が悪くなる」93.5%、「従業員の心の健康を害する」91.5
%、「従業員が十分に能力を発揮できなくなる」81.0%、「人材が流出してし
まう」78.9%、「職場の生産性が低下する」67.8%などです。
これらを、パワーハラスメントの予防・解決のための取組が「非常に重要である
・重要である」と回答した企業と、「どちらともいえない・あまり重要ではない・
全く重要ではない」と回答した企業を比較すると、どちらともいえない等の回答企
業の方が、パワハラが職場や企業に与える影響の各項目について当てはまると考え
る比率が低くなっています。
◆ 『職場のパワーハラスメントに関する実態調査報告書』
東京海上日動リスクコンサルティング(株) 平成24年度 厚生労働省委託事業
≪実態調査報告書≫
厚生労働省は12月12日、国として初となる職場の場のパワーハラスメントに
関する実態調査報告書を公表しました。
パワハラが発生する職場の特徴として、「上司と部下のコミュニケーションが少
ない職場」「正社員や正社員以外などさまざまな立場の従業員が一緒に働いている
「職場」、「残業の多い職場」、「失敗の許されない職場」などが上位になってい
ます。パワハラを受けた後「会社を退職した」が13.5%もいるなど、今後の対
策の必要な方向性を示すものとなっています。
|
◆ パワー・ハラスメント防止ハンドブック
『お互いが 働きやすい 職場にするために』
人事院職員福祉部 2015年7月
『お互いが 働きやすい 職場にするために』
「パワー・ハラスメントは、対人関係の中で生じる問題であり、パワー・ハラスメ
ントが生じると、職場内秩序を乱し、各組織の正常な業務運営の障害となり得るも
のです。
殊に、上司から部下への不用意な言動によって、職員の勤労意欲を減退させ、 ひ
いては精神的な障害に陥る職員を発生させる要因にもなります。
一方で、パワー・ハラスメントは、部下への指導育成なのかパワー・ハラスメン
トなのか画一的な線引きができない難しい問題でもあるため、職員一人ひ とりが、
パワー・ハラスメントに関する基本的な知識をもち、相手を尊重するとともに、パ
ワー・ハラスメントの加害者にならないように留意し、日頃からパワー・ハラスメ
ントのない職場づくりに努めていくことが大切です。
◆ 『「パワー・ハラスメント」を起こさないために注意すべき言動例』
人事院職員福祉局職員福祉課企画班 (平成22年1月8日職職-1)
『「パワー・ハラスメント」を起こさないために注意すべき言動例』
「『「パワー・ハラスメント」を起こさないために注意すべき言動例』において
は、上記のような事実上の定義や裁判例等を参考に、その言動について6つのパタ
ーンに分類し、それぞれのパターンごとに、『パワー・ハラスメント』に該当し得
るケース及び『パワー・ハラスメント』を起こさないために上司として心得るべき
ポイントを記載しています。
ただし、上司の言動が実際に「パワー・ハラスメント」に該当するかどうかは、
当該言動が継続して行われているものかどうか、当該言動が行われることとなった
原因、当該言動が行われた状況等をも踏まえて判断する必要があり、ここにある言
動のすべてが直ちに「パワー・ハラスメント」に該当するとは限らない点は注意が
必要です。
|
◆ 『「第2回日本人の就業実態に関する総合調査」 結果』
独立行政法人 労働政策研究・研修機構 平成26年11月25日
『「第2回日本人の就業実態に関する総合調査」 結果』
「2. いじめ・嫌がらせ、パワーハラスメントの状況
過去5年間で、勤めている(いた)会社から、自分の意に沿わない行為を受けた
ことがあるかどうかについて、……項目をあげて聞いている(現在の無業者含み、
過去5年間無業者除く)。「希望退職に応じるよう、退職勧奨を受けた」ことがあ
る人は3.9%、「意に沿わない配転・出向命令を受けた」ことがある人は6.4%、
「業務遂行に必要な仕事の道具を取り上げられた」ことがある人は0.8%、「仕
事を全く与えられなくなった」ことがある人は1.0%、「単純労働のみを命じら
れるようになった」ことがある人は1.3%、「社内公募に応募して、他部署で仕
事を探すように命じられた」ことがある人は0.3%。「退職に向けて職探しをす
るよう命じられた」ことがある人は1.5%、「教育研修などを名目として特定の
部署に異動させられた」ことがある人は0.6%、「人事評価を下げられたり、降
格・減給された」ことがある人は5.0%となっている。
≪活動報告≫ 14.11.28
新聞記事 『精神的不調による退職 「13%」』
|
◆ 『職場のいじめ・嫌がらせ、パワーハラスメント対策に関する
労使ヒアリング調査 -予防・解決に向けた労使の取組み-』
JILPT 資料シリーズ No.100 平成24年4月20日
独立行政法人 労働政策研究・研修機構
『ヒアリング調査』
はじめに
職場のいじめ・嫌がらせは、労働者の尊厳や人格を傷つけるだけでなく、時には
メンタルヘルスを損なうことにもつながる。また、本人や職場の生産性を低下させ
たり、貴重な人材を流出させたりして、企業にも大きな損失をもたらすと言われて
いる。
こうした事態を受けて厚生労働省も対策に着手し、2011年7月、「職場のい
じめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」を発足させた。同円卓会議の付託を受けて
発足した「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキンググループ」は
議論を重ね、2012年1月に報告をまとめた。これを受け、円卓会議は同3月、
「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」を取りまとめて発表して
いる。
一方、日本の企業や労働組合が、職場のいじめ・嫌がらせの予防・解決に向けて
どのような取組みを行っているのかについては、わずかな調査を除き、これまでほ
とんど明らかにされてこなかった。特に、労使に対するヒアリング調査は、中央労
働災害防止協会による2005年の調査以来行われていない。そこで、労働政策研
究・研修機構(JILPT)では、この問題に先進的に取り組む企業や労働組合の
対策を事例調査によって明らかにすることに意義があると考え、ヒアリングを実施
することとした。
|
◆ 『女も男も-自立・平等』 No.120 2012年秋・冬号
特集 職場いじめ・パワハラとメンタルヘルス対策
・職場いじめ・パワハラを防止するには」
「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」を職場に生かす
労働政策研修・研究機構研究員 内藤 忍
・相談窓口からいじめ・パワハラの構造を探る 労働相談の窓口から
いじめ メンタルヘルス労働者支援センター 千葉 茂
・学校でのメンタルヘルス対策とパワハラ防止のとりくみ
教職員のメンタルヘルス対策
産業医、精神神経科専門医、労働衛生コンサルタント 牧 由美子
・指針の策定・周知とともに、職場で相談できる関係をつくること
日本教職員組合女性部長 佐野 由美
・パワハラの相談を受ける時
NPO法人サポートハウスじょむカウンセラー 高山 直子
発行:(株)労働教育センター 1860円
≪活動報告 13.3.26≫
|
◆ 論文 「EU における職場のいじめ規制の現状と課題」
大和田 敢太 滋賀大学教授
『滋賀大学環境総合研究センター研究年報』 Vol.9 No.1
『EU における職場のいじめ規制の現状と課題』
「(6)職場の暴力・ハラスメントの組織的要因と構造的性格職場における暴力
は、個人の性格に関連する諸要因よりも、組織の問題に関する諸要因から起因する
と認められている。労働の急速な変化や増大する強度そして職業的将来展望の不安
定性は、労働者のストレス症状に影響を与え、職場における暴力やハラスメントを
発生させやすい環境を生み出すことがあるからである。
企業の大規模な規模での再編成やリストラのような組織的変化が職場の暴力に対
して及ぼす影響は重大である。企業再編成はモラルハラスメントを直接的に促し、
あるいは労働負荷の増大、職業的不安定のような様々なストレス要因を介してモラ
ルハラスメントに間接的に影響を及ぼしうるのである。
|
◆ 『季刊労働法』 2012秋号
特集 職場いじめ規制のあり方
・「職場いじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」提言と
今後の法政策上の課題
―労使ヒアリング調査結果を踏まえて―
内藤 忍 労働政策研修・研究機構研究員
・「ベルギーにおける 『職場いじめ』 規制法
大和田 敢太 滋賀大学教授
「2007年1月10日法(2007年6月16日施行)が制定されたが、従来の『労働
の福祉』や『労働環境リスク』理念を基礎に、『心理・社会的』的アプローチがより重視
されてくる。2002年法改正による2007年法制定では、以下の事項が課題となった。
① 制裁よりも、防止や予防に重点を置く。
② 当時者の義務を、労働者福祉のための使用者の政策と適合させる。
③ 企業外部の手続きよりも企業内部の手続きに優先権を与える。
④ 専門員の立場を強化する。
⑤ 解雇からの保護の限界を明らかにする。
⑥ 第三者がハラスメント的行動に巻き込まれた場合のより適切な規制を策定する。
……使用者は、暴力やハラスメントといった行動だけでなく、ストレスや紛争など心理・
社会的負荷をもたらす状況に対しても同様に注意を払わなければならないとされている。
ここでは、労働におけるハラスメントの内部的な管理方法を優先させており、この管理
方法が効効果を発揮すれば、ハラスメント事案は裁判所まで辿り着かないものと想定して
いるのである。」
・「予防に重点を置く、スウェーデンの職場いじめに対する法制度
-雇用環境規制AFS1993:17を中心として-」
西 和江 中央大学大学院博士後期課程
・職場いじめ・嫌がらせ問題
―徳島労働局での取り組みについて―
徳島労働基準監督署次長 岡田 英樹
発行:(株)労働開発研究会 2310円(送料200円)
≪活動報告≫ 12.11.13
|
◆ 『安全センター情報』 2012年6号
特集 <<職場のパワーハラスメント>>
・「相談活動の経験踏まえたカウンターレポートを公表」
円卓会議提言とりまとめに合わせて
・「全国安全センター・IMCのカウンターレポート」
・「円卓会議への意見並びに要望書」
・円卓会議:職場のパワーハラスメント提言
・円卓会議ワーキンググループ報告
発行:全国労働安全衛生センター連絡会議 800円
|
◆ 論文 「EU における職場のいじめ規制の現状と課題」
大和田 敢太 滋賀大学教授
『滋賀大学環境総合研究センター研究年報』 Vol.9 No.1
『EU における職場のいじめ規制の現状と課題』
「(6)職場の暴力・ハラスメントの組織的要因と構造的性格職場における暴力は、個人
の性格に関連する諸要因よりも、組織の問題に関する諸要因から起因すると認められてい
る。労働の急速な変化や増大する強度そして職業的将来展望の不安定性は、労働者のスト
レス症状に影響を与え、職場における暴力やハラスメントを発生させやすい環境を生み出
すことがあるからである。
企業の大規模な規模での再編成やリストラのような組織的変化が職場の暴力に対して及
ぼす影響は重大である。企業再編成はモラルハラスメントを直接的に促し、あるいは労働
負荷の増大、職業的不安定のような様々なストレス要因を介してモラルハラスメントに間
接的に影響を及ぼしうるのである。
|
◆ 特集 ≪2011.2.19 「職場のいじめ・メンタルヘルスを考える
~講演とシンポジウム~」≫ 報告
『安全センター情報』 2011年8月号
発行:全国労働安全衛生センター連絡会議 800円
≪活動報告 11.2.19≫
|
◆ 特集 <<パワハラの現実的解決に向けて>>
『季刊労働法』 230号(2010年・秋季)
発行:(株)労働開発研究会 定価:2310円
『季刊労働法』
|
◆ 海外労働事情 『ベルギーにおける労働でのいじめ・ハラスメント禁止法
(2007年1月10日法)』
大和田 敢太
『労働旬報』 2009. 5.上旬
「2002年法の実施状況についての調査方法は、「労働における暴力、モラルハラスメ
ントあるいはセクシャルハラスメントに関する2002年6月11日法」の立法化の成果
を以下のように指摘している。
① 長年無視されてきたこの問題へのタブー視を打破した。これまで、犠牲者による
『個人的な、主観的なかつ過剰な』ものと受け止められてきたが、客観的に検討され、
取り扱われるようになった。
② この問題の根本的原因は、主として組織上の欠陥やマスコミュニケーションの欠陥
に求められるようになり、個人の人格上の問題など個人的要因に帰せられることは少
なくなった。
③ 労働における社会的心理的負荷が増大していることが明らかになった。
④ リスク分析方法の策定とその活用の必要を明らかにした。」
こうした総括をふまえ、2002年法の抜本改正が行われた2007年1月10日法
(2007年6月16日施行)が制定された。」
|
◆ 論文 「特 集 〈ハラスメント―現代型犯罪〉」
・影山任佐 :ハラスメント:現代の新型犯罪
―基本的観点と分類,刑罰化―
・水谷英夫 :職場のいじめ・パワハラと法規制
・御輿久美子 :大学におけるハラスメントの現状と問題点
・神馬幸一 :ハラスメントに関するドイツの議論状況
・矢野恵美 :ハラスメントと差別に関する規定の可能性
・小林寿一 :米国のストーキング被害―対策の課題を考える
(『犯罪学雑誌』 第75巻(6) 2009年)
|
◆ 研究報告 “Bullying in the Workplace”
Helen Cowie(University of Surrey) ヘレン・カウイ サリー大学保健医療学部
/広島大学大学院教育学研究科リサーチ・プロフェッサー(Research Professor)
“Bullying in the Workplace”
(通訳)「職場におけるいじめについて」
『職場におけるいじめについて』
『生存学研究センター報告書』[8]『ケアと感情労働──異なる学知の交流から考える』
安部 彰・有馬 斉 編 立命大学生存学研究センター刊 2009年3月
この中では「職場のいじめ」を「職場のいじめとは、個人や個人の所有物または集団や
組織にたいして、実際に言葉で脅したり・感情面での脅威を与えたり・身体的な攻撃を与
えたりすること、あるいは、実際にはそうしていなくてもそのような脅威として相手に受
け止められるようなことをすること」と定義しています。
|
◆ [特集] 職場のハラスメントを考える
※職場のハラスメントに関する労働法上の課題
山﨑文夫・平成国際大学教授
「90年代以降の欧州でも、日本でいう職場いじめや嫌がらせにあたる行動が労使関係の
病理現象として注目されているが、この現象をとらえる言葉は、モビング(mobbing=群
れをなして襲う――アメリカ)、ブーリング(bullying=弱い者いじめをする――イギリ
ス)、ハラスメント(harassment=悩ますこと――イギリス)、モラル・ハラスメント
(harcèlement moral――フランス)などと各国において様々であり、各国の法的対応も
同じではない。」
※職場のハラスメントを見る視点――弁護士実務の経験から
宮地光子・弁護士
※日本労働弁護団 「全国一斉労働トラブル110番」
-職場のいじめ、パワー・ハラスメントの実態
棗一郎・弁護士
※労働相談から見えてくるもの
千葉茂
『労働法律旬報』 2007年10月下旬号 発行:旬報社
|
◆ 論文 「特集 いじめ・パワハラの処方箋」
・イギリスにおける職場のいじめ対策の実情と課題
島根大学大学院教授・鈴木隆
・フランス法における「精神的ハラスメント」とは何か
-その概念理解について-
獨協大学教授・石井保雄
・職場におけるいじめ-ドイツ労働世界における深刻な問題
弁護士・マルティン・ボルメラート
(『季刊労働法』 218号(2007年・秋季) 発行:(株)労働開発研究会
『季刊労働法』
|
◆ 論文 「労働関係における『精神的ハラスメント』の法理
:その比較法的検討」
大和田 敢太 滋賀大学教授
『彦根論叢』 滋賀大学経済学部、第360号 2006年
「労働関係における『精神的ハラスメント』の法理」
|
◆ 『モラル・ハラスメントが人も会社もダメにする』
マリー=フランス・イルゴイエンヌ 高野優 訳
紀伊国屋書店
「しかし、そこでことを複雑にしているのが、モラル・ハラスメントというのが会社の利益を
損なう形(特に長期的に)で行われていながら、〈会社のため〉、〈利益をあげるため〉、
〈仕事のため〉と、まさにそれとは反対の口実の下に巧妙に行われることです。……加えて、
一般的に言って、組織というのは次第に柔軟性を失い、メンバーの意図とは関係なく、組織自
体がひとり歩きしてそのメンバーたちを締め付けていくことがあるものですが、そういった組
織ではモラル・ハラスメントが生まれやすく、またモラル・ハラスメントの加害者に組織その
ものが利用されやすいという、いわばシステムの問題もあります。したがって、ことは単純に
〈意地悪な社員が弱い社員をいじめる〉という社員同士の個人的な問題ではなく、システムも
含めたマネージメントの問題なのです。」(「訳者まえがき」より)
≪活動報告≫ 12.8.21 |
◆ 判例解説 「職場のいじめと使用者の損害賠償責任 (ドイツ)」
(『労働判例』 04.11.15)
|
◆ 論文 「職場のいじめに対する立法の動き」
濱口桂一郎
(『労働の科学』 04.4)
「職場のいじめに対する立法の動き」
|
◆ 報告 「ILOの安全衛生の方向 ―仕事における安全と健康―」
小木 和孝
(『世界の労働』 04.2)
|
◆ 報告 「暴力とストレスは 『ディーセントワーク実現』 への脅威
―ILO専門家会合―」
川島 考徳
◆ 資料 「サービス業における職場暴力及びこの現象を克服する対策に
ついての実施基準案 (仮訳)」
(『世界の労働』 03.11)
|
◆ 概説 「EUにおける 『職場のいじめ』 対策立法への動き」
濱口桂一郎
(『世界の労働』 03.6)
「EUにおける 『職場のいじめ』 対策立法への動き」
|
◆判例解説 「職場における労働者のストレスに対する使用者責任 (イギリス)」
(『労働判例』 02.11.15)
|
◆ 『職場における暴力:世界規模の取り組み』
「Asian-Pacific Newsletter on Occupational Health and Safety」
2002年第1号 ILO/フィンランド労働衛生研究所(FIOH)発行
「職場における暴力:世界規模の取り組み」
「職場の暴力は、身体的暴力あるいは心理的暴力にかかわらず、国境、労働環境、職業グル
ープを越えて世界に広がっている。・・・
米国においては、暴力は職場における死傷の大きな要因となっている。年に一度実施され
るピンカートン調査のインタビューを受けた1000名の警備会社幹部によると、1999
年に米国の最大手企業にとって最も重要な警備上の脅威は暴力だった。」
|
◆ 『職場いびり アメリカの現場から』
ノア・ダベンポート ルース・ディスラー・シュワルツ
ゲイル・パーセル・エリオット 著
(緑風出版 2002年)
「加害者の行為は、彼らが人生や差異を尊重することができないこと、不誠実で正直さに
欠けること、自分を強く見せたいという自意識の過剰などからきているといえます。これ
までの加害者の性格を描写すると、極度に支配的で、臆病で、神経質で、権力志向が強い、
といったことがあります。彼らの行動の多くは、不安や恐怖感から来る嫉妬や妬みゆえで
あろうと思われます。職場いびり(モビング)は、時には、加害者本人が自分のやってい
ることが有害行為であると認識せずに、行われていることもあります。」
|
◆ 『モラル・ハラスメント 人を傷つけずにはいられない』
マリー=フランス・イルゴイエンヌ著
(紀伊国屋書店 1999年)
|