いじめ・メンタルヘルス労働者支援センター(IMC)



















 労 働 安 全 衛 生  自殺防止対策


   =いのちの電話=

  「一般社団法人 日本いのちの電話連
  盟」は、電話を通して人々の悩みを聴
  き心の支えになっていこうという活動
  を行うボランティア団体の全国組織で
  す。日本自殺予防学会と国際自殺予防
  学会(IASP)と連携して自殺予防の
  ために活動しています。
    いのちの電話



 生かされた 意味はまだまだわからぬが


    いのち果てるまで 私は生きる



                   東日本大震災を体験した宮城県気仙沼高校生
                   (NHKが募集した“震災を詠んだ31文字”応募作品から)



    *「死にたい」と打ち明けられたら*

   Q 「死にたい」と打ち明けられました。
     どう接したらよいでしょうか。

   A 「死にたい」と打ち明けられたら、たとえそれが自分にとって
     考えられないことであっても、自分の価値観で評価や批判をし
     たり、励ましたりせず、まずはその人の思いをじっくりと聴く
     ことが大事です。
      自死を考えている人は「死にたい」と思うと同時に「生きた
     い」と思っています。「生きたい」というその人の気持ちに寄
     りそいましょう。

      《向き合う》
    ・あわてずにしっかりと話を聞く
       話をはぐらかざず、真剣にその人の言葉に耳を傾けましょう。何か気の利
      いた助言をしなければならないと焦る必要はありません。沈黙があっても、
      しっかり、じっくりと話を聴くことです。
       ・共感を伝える言葉のヒント
        「話してくれてありがとう。それは大変だったね」
        「死にたいくらい、つらかったんですね」
         ↓

      《寄り添う》
    ・話してくれた信頼にこたえ、寄り添う
       心の中の苦悩はそう簡単に打ち明けられるものではありません。死にたい
      気持ちを責めたり、世間一般の常識を押し付けたりすることを避けましょう。
      あなたを信頼して、今まで話せなかったつらい気持ちを話してくれたことを
      受け止めましょう。
        ×相手を追い込んでしまう危険な言葉の例
         「がんばれ(逃げるな)」「そのうち何とかなる」
         「信者なんだから(そんなことを言っちゃだめ)」
         「つらいのは、あなただけじゃない」
         ↓

      《つなげる》
    ・あなただけで抱え込まず、支える人へつなげましょう
       相談者は気持ちを言葉にすることで、落ち着いて考えられるようになった
      ら、不眠、気分の落ち込みなどの症状による苦しみは、治療を受けることで
      改善する場合が多いことを伝え、相談機関につなげましょう。
       また、内容によっては手助けできる専門家への相談に誘ってみましょう。
      相談先につなげるためには、普段から、どこでどのような支援をうけられる
      かを知っておく必要があるでしょう。

      【すべきこと】      【してはならないこと】
       1.真剣に耳を傾ける      1.話をそらす
       2.感情を理解、受け止める   2.一方的に話す
       3.沈黙に耐える        3.常識をのべ、説得する
       4.共感する          4.安易に解決策を示す
       5、治療を進める        5.励ましをする

               (パンフレット『自死の現実を見つめて』
                 カリタスジャパン啓発部会部会発行より)


 ◎ 東京都が作成したチラシは
   次のような留意点をあげています。

 ・死にたいと言う人も、本心から死にたいというよ
  りは、物事を悲観的にしか考えられないような状
  態に陥って、すっかり自信を失っていることが多
  いと言えます。
 ・実は、死にたいという絶望感と生き続けたいとい
  う望みとを、あわせ持っていることが少なくあり
  ません。
 ・話をはぐらかさず、ご本人の訴えに耳を傾けまし
  ょう。
 ・辛い心境をじっくり聞いてもらうことによって、
  ご本人の気持ちは楽になります。
 ・ご本人を責めたり、叱咤激励したり、世間一般の
  常識を押し付けたりすることは避けましょう。
 ・不眠、食欲の低下、気分の落ち込み等の症状は、
  治療で良くなることを伝えましょう。
 ・専門家に相談するよう勧めましょう。

  このような対処方法で、寄り沿い、長期の支援を
  していく必要があります。

 ◎ アメリカの自殺学会は、自殺(企
   図)の恐れがある人への対応上の留
   意点10か条を挙げています。

 ① 避けるのではなく、自殺について率直に話すこ
  と。
 ② 傾聴につとめること。どのような感情表出も受
  容すること。
 ③ 非評価的であること。自殺は良いとか悪いとか、
  そういう気持ちを持つのは良いとか悪いとかにつ
  いて議論をしたり、命の大切さについてお説教を
  したりしないこと。
 ④ 充分なかかわりをもつこと。いつでも相談にの
  れること。関心を示し、支援すること。
 ⑤ (時差企図の恐れのある人を)挑発するような
  ことを言わないこと。
 ⑥ ショックを受けたようにふるまわないこと。両
  者の間に距離ができてしまうから。
 ⑦ 秘密厳守を宣言しないこと(「このことは誰に
  も言わないからね」など)。(いのちを守るため
  の)適切な支援方法を求めることが先決。
 ⑧ 他の手段(自殺以外)もあるという希望を持て
  るように支援すること。ただし、表面的な励まし
  はしないこと。
 ⑨ 適切な処置をとること。自殺手段となるもの
  (銃器ややためていた薬物など)は取り去ること。
 ⑩ 危険介入センターおよび自殺防止の専門家や専
  門機関の支援を得ること。


   僕が死のうと思ったのは

           中島美嘉

   僕が死のうと思ったのは
     ウミネコが桟橋で鳴いていたから
   波の随意に浮かんで消える
    過去も啄んで飛んでいけ
   僕が死のうと思ったのは
    誕生日に杏の花が咲いたから
   その木漏れ日でうたた寝したら
    虫の死骸と土になれるか
    ・・・・
   満たされないと泣いているのは
    きっと満たされたいと願うから
    ・・・・
   僕が死のうと思ったのは
    冷たい人と言われらから
   愛されたいと泣いているのは
    人の温もりを知ってしまったから

   僕が死のうと思ったのは
    あなたが奇麗に笑うから
   死ぬことばかり考えてしまうのは
    きっと生きる事に真面目過ぎるから

   僕が死のうと思ったのは
    まだあなたに出会ってなかったから
   あなたのような人が生まれた
    世界を少し好きになったよ

   あなたのような人が生きてる
    世界に少し期待するよ



Greaf is Love

自死遺族による自死遺族のためのネットワーク
=全国自死遺族連絡会=

全国自死遺族連絡会は
自死遺族の相互交流を
        深めることにより
遺族自身が
まず元気に生きていくことを
目的とする会です
そして、自死した私たちの
大切な人のその命を
無駄にすることなく
優しい人が 優しいままで
生きられる世の中に
変えていくことを目指します

全国自死遺族連絡会



   森山直太朗が歌っている『生きていることが
  辛いなら』のなかの「いっそ小さく死ねばいい」
  の歌詞について、死ぬことを肯定していると批
  判が出され、論議が起きました。いい歌だとい
  う声のほうが多数でした。
   インターネットには次のような投稿がありま
  した。

  「『生きていることが辛い』時期にこの歌を聞
  くととても温かく優しく包んでくれるものを感
  じた。
   何だか鬱病の人によくないとか、自殺を容認
  しているとかいろんな勝手なことを言っている
  人も多いみたいだけど、そういうのはきっと正
  常な精神の人が過剰に反応してお節介で言って
  いるだけじゃないのかなと、私は思う。
   そういう人はきっと鬱の人に平気で『大丈夫
  ?頑張って』なんて声をかけるような人なんだ
  ろうな。『いっそ小さく死ねばいい』は言葉に
  すればちょっと衝撃的かもしれないけど、辛く
  て死にたい人は決して背中を押して欲しいわけ
  じゃない、死にたいと思いながら死にたくない
  とも思っている。誰もが『死んではいけない!
  みんな悲しむよ』と声をかける中で『いっそ小
  さく死ねばいい、恋人と親は悲しむが三日と経
  てば元通り』死ねばいいじゃん、でもみんなす
  ぐに忘れちゃうよ、なんて言われたらほんのち
  ょっと死ぬのがばからしくならないかな。
   辛い人は誰かに助けて欲しい、死ねば辛い事
  から逃げられると思ってしまう、だけど本当は
  死にたくなんか無いんだ、人の記憶から消えて
  しまいたくないんだよね。誰からも忘れられる
  事、それが死ぬほど一番辛い事なんじゃないか
  なと。」

   精神的に体調不良の人の投稿だと思われます
  が、この人は「そっと寄り添ってくれる人を」
  探しています。

   (『メンタルヘルスの労働相談』
     緑風出版より)


 ◆ 『自殺実態白書 2013』
    発行 NPO法人ライフリンク 2013年3月
    『自殺実態白書2013』
    ≪活動報告≫ 13.3.22

 ◆ 『自殺実態白書 2008』
    自殺実態解析プロジェクトチーム
    発行 NPO法人ライフリンク 2008年7月
    ライフリンクは、305人の亡くなられ方について、遺族からどうやって自殺したのか、
   自殺に追い込まれていったのかの聞き取り調査をしました。その中からある一定の規則性が
   見えてきました。
    2008年9月14日、第4回「WHO世界自殺予防デー」シンポジウムで『自殺実態白
   書2008』が発表され、その分析結果が報告されました。
    この報告は自殺防止対策で活かされなければなりません。
    「自殺実態1000人調査」から
      見えてきた8つのこと
 
   自殺は、ある要因が発生し、それがまた
  別の要因を引き起こし、要因が連鎖してい
  きながらいわばプロセスで起きています。
  そのプロセスを「危機経路」と呼びます。
   1人の自殺の背景には平均4つの「危機
  要因」があります。
   この連鎖を断ち切ることが自殺対策にな
  ります。
   
  被雇用者(労働者)の「危機経路」事例です。
   ① 配置転換 → 過労+職場の人間関係 → うつ病
      → 自殺
   ② 昇進 → 過労 → 仕事の失敗 →
      職場の人間関係 → 自殺
   ③ 職場のいじめ → うつ病 → 自殺
  離職者(就労経験あり)の事例としては
   ① 体調疾患 → 休職 → 失業 → 生活苦 →
        多重債務 → うつ病 → 自殺
   ② 帯保証債務 → 倒産 → 離婚の悩み+
      将来生活への不安 → 自殺
   ③ 犯罪被害 (性的暴力) → 精神疾患
      → 失業+失恋 → 自殺
  などが挙げられています。

   自殺者数は警察署ごとに発表されますが、2004年から
  2006年までの被雇用者の多い警察署をリストアップして
  います。(警察署の規模、人口数は違うことを踏まえなけれ
  ばなりません)2位の山梨・富士吉田は富士山を管轄してい
  ます。
   この分析を首都大学東京の宮台教授が報告しました。特徴
  として①工業地帯(隣接)が多多い、②地方都市が多い、③
  製造業が多いなどがあげられました。そこの製造業の特徴は
  ①国際的競争から長時間労働が多い、②24時間交代の深夜
  労働がある、③誘致してもらったという地域性は労働法規を
  守りにくくしている、④非正規労働者(特に派遣労働者)が
  多い、⑤成果主義・ノルマに負われている、です。
   


 ◆ 講演 『労働者にとっての自殺問題』
     NPO法人 自殺対策支援センター ライフリンク 代表 清水康之
     発行:メンタルヘルスケア研究会
     『労働者にとっての自殺問題』

   = 資料・パンフレット = 
 ◆ 共生社会政策 自殺対策
     内閣府
     自殺防止対策マニュアル』
     ≪活動報告≫ 13.1.25
 ◆ 『医師法第20条ただし書の適切な運用について(通知)』
    2012年8月31日 厚生労働省 (医政医発0831第1号)
     『医師法第20条ただし書の適切な運用について(通知)』
 ◆ 『誰もが安心して生きられる、温かい社会づくりを目指して
     ~厚生労働省における自殺・うつ病等への対策~ 』
    平成22年5月28日  厚生労働省 自殺・うつ病等対策プロジェクトチーム
     『誰もが安心して生きられる、温かい社会づくりを目指して』
     ≪活動報告≫ 11.3.8
 ◆ 『職場における自殺の予防と対応』
    発行:厚生労働省 中央労働災害防止協会労働者の自殺予防マニュアル作成検討委員会
     『自殺防止対策マニュアル』
 ◆ 『自殺対策を担う労働行政の役割と可能性』
    全労働省労働組合中央執行委員長  森崎 巌
    労働法律旬報 2010.7.10 
     『自殺対策を担う労働行政の役割と可能性』
 ◆ 白書『2023年版 自殺対策白書』
    厚労省
     『2023年版 平成24年版 自殺対策白書』
     ≪活動報告≫ 23.12.1
     ≪IMC通信No.70≫
 ◆ 『令和2年中における自殺の状況』
     令和3年3月16日 厚生労働省自殺対策推進室 警察庁生活安全局生活安全企画課
     『令和2年中における自殺の状況』
     『令和2年度における消防職員の懲戒処分等の状況』
     ≪活動報告≫ 23.5.30
 ◆ 韓国『小商工人の自殺は 「社会的他殺」』
    ハンギョレ新聞 21年10月2日
     ≪活動報告≫ 21.10.1
 ◆ 『トヨタ パワハラ自殺認める 社長、遺族に謝罪』
     ≪活動報告≫ 21.6.8
 ◆ 白書『平成24年版 自殺防止対策白書』
    内閣府
     『平成24年版 自殺防止対策白書』
     ≪活動報告≫ 12.6.26
 ◆ 白書『平成23年版 自殺防止対策白書』
    内閣府
     『平成23年版 自殺防止対策白書』
     ≪活動報告≫ 12.1.31
 ◆ 『平成22年中における自殺の概要資料』
    警察庁生活安全局生活安全企画課  平成23年3月発表
     『平成22年中における自殺の概要資料』
 ◆ 『平成21年中における自殺の概要資料』
    警察庁生活安全局生活安全企画課  平成22年5月発表
     『平成21年中における自殺の概要資料』

  = 本 =  
 ◇ 『自殺予防』
   高橋 祥友著
    岩波新書 (2006年)
 ◇ 『生きがいのシェアリング 産業構造転換期の勤労意欲』
      野田正彰著 (中公新書 1988年刊)
    国鉄の解体を前にして、鉄道に生きてきた多くの男たちが死んでいる。産業構造の転換に
   直面し、異なった社会に出ていくのが怖いのであろうか。疲れ、孤立し、悲惨な死を選んで
   いる。私は彼らの死を分析しながら「これ以上、死ぬな」、「これ以上、殺すな」と何度と
   なくうめいた。
    ……
    1980年代の前半の中高年の自殺を代表するのは消費者金融であったが、80年代の中
   期の中高年の自殺を象徴するのは国鉄マンの自殺だろうか。

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