いじめ・メンタルヘルス労働者支援センター(IMC)



















 こ こ ろ の ケ ア  自治体職員の惨事ストレス対策






  頑張れの 声が重荷に なるときは


     休んでいいよ だれも責めない


                          2011.5.9 『朝日歌壇』

 



 ☆ NHKスペシャル「助けたかった――抱え続けた13年」
    NHK WEB特集  20.3.11
    3月10日のNHKスペシャル「助けたかった――抱え続けた13年」は、
   東日本大震災における宮城県の自治体職員の活動とそのなかでの苦闘・葛藤を取り上げまし
   た。仙台市の消防職員、県職員、気仙沼市の行政職員、介護職員・保健師など1.000人
   を超える職員から聞き取りを行いました。
    災害は、想像していたこと、想定していないことがおきます。先に災害を経験した方の実
   態からいつ見舞われるかわからない状況にあって災害を想定体験することは大きな「減災」
   につながります。
    「NHKスペシャル 『助けたかった――抱え続けた13年」

 ☆ 「懸念される"災害ごみ処理"清掃職員削減の余波
     不測の事態で浮き彫りになる清掃行政のあり方」
    藤井 誠一郎 : 立教大学コミュニティ福祉学部准教授
    東洋経済 24.1.11
   大規模な自然災害が発生し被災自治体への支援を全都清が調整する際には、「可能性
  のある地方自治体」に要請する。この可能性のある自治体とは、基本的に直営の清掃職
  員を擁し、通常の収集業務に利用する機材以外に予備の機材を持つ自治体となる。
   一方で各地方自治体では、これまでの行政改革により、いわば行き過ぎたとも言える
  効率化がなされてきた。とりわけ、「官から民へ」で小さな政府を展望していた小泉純
  一郎内閣時に各自治体に作成が要請された「集中改革プラン」において厳しく公務員の
  削減が求められ、地方自治体の職員数は相当数削減された。
   「懸念される"災害ごみ処理"清掃職員削減の余波」


 ☆ 「南海トラフ地震を見据えた行政職員に係る
     防災人材育成の方向性について」
     ○岸江竜彦 三重県防災対策部災害対策課(人と防災未来センターリサーチフェロー)
   (2)災害時に求めれる能力で特に不足しているもの前述したように、平時と災害時で求
  められる能力の比較を行ったところ、非常に似ていると考えられるが、各個別に見てみると、
  「課題発見」に大きな違いがあるのはないだろうか。
   平時においては、行政が取り組むべき「課題」は比較的表面化していることが多い。現に
  問題になっている課題が数多くあることから、それら課題への対応に追われている状況であ
  ろう。そのため新たな課題を発見する必要性が低くなっているのではないだろうか。
   一方、災害時の「課題」はまだ発生していないのである。過去の災害において数多くの課
  題は発生しているものの、その課題が自らの自治体でどのような影響を及ぼすのか、につい
  て具体的にイメージできている職員がどれだけいるのだろうか。
   課題解決の思考プロセスで考えた場合、「課題」を「課題」として発見できなければ、そ
  の後の対応について考えることもなければ、当然行動されることも無い。
   このように考えた場合、災害時の「課題」を具体的に知ること、即ち、「災害(被災)イ
  メージ」を持つことができる能力が特に不足していると考えられる。
   「南海トラフ地震を見据えた行政職員に係る  」


 ☆ 「災害と惨事ストレス 連続オンラインセミナー
   3月11日で東日本大震災発生から10年を迎えました。
   全国労働安全衛生センター連絡会議は、いじめメンタルヘルス労働者支援センターと
  の共催で、3月4日と12日に「東日本大震災から10年災害と惨事ストレス 連続オ
  ンラインセミナー 被災地支援者の“心のケア”について考える」を開催しました。
   今年は、今も復興活動に従事している自治体労働者にとっての惨事ストレスを中心に、
  被災地で救援活動をおこなった講師の方がたから体験談をふくめた対策について話をし
  てもらいました。
   それぞれに被災地の自治体労働者、安全センター関係者、全国コニュニティ・ユニオ
  ンの組合員などから69人、87人の申し込みがありました。
    「連続セニナー 第1回」
    「連続セニナー 第2回」
    「活動報告」 2021.3.25
    「活動報告」 2021.3.30
    「活動報告」 2021.4.6
    「活動報告」 2021.4.9


 ☆ 「被災した自治体職員のストレス」
    松井 豊(筑波大学)
    東京未来大学 モチベーション研究所 13回フォーラム 19.12
   「・・・
    ただ、ネガティブなことだけではありません。成長という面もあります。『人との
   絆の大切さを感じるようになった』という方が5割、『人の優しさや温かさを感じる
   ようになった』、『自治体職員であることに誇りを感じるようになった』という方も
   2割前後いました。
    そして、これは桑原さんによる分析ですが、震災後の成長に影響したのは何か。多
   忙感は成長にはあまり関係しません。成長感に関係していたのは、1つは上司や同僚
   からの支援、そしてもう1つが住民からの感謝です。住民からの感謝は少なかったの
   ですが、ある方は成長できました。また、何よりも上司や同僚からの支援。ソーシャ
   ルサポートが重要であることが分かるかと思います。
    なお、派遣されたグループでリスクが生じたのは、悲惨な現場で活動した職員や、
   現場に行ったけど十分な活動ができなかった職員、派遣を希望したのに行けなかった
   職員などでした。」
    「被災した自治体職員のストレス」


 ☆ 「職場の防災・減災を進めよう
    自治体職員のメンタルヘルス
     原発被災自治体職員の意識調査から」
    澤田 精一 自治労福島県本部書記長
    働く人たちのための情報労連リポート  19.4
   「東日本大震災は、震災後8年が経過しても自治体職員にさまざまな影響を及ぼして
   いる。
    自治労福島県本部では、県内加盟単組(81単組、約1万7500人)の早期退職者
   やメンタル疾患休職者の数を独自に調査している。それによると、2011年度の早
   期退職者は434人、メンタル疾患休職者は232人だった。翌年度は早期退職者1
   73人、メンタル疾患休職者は61人に減少したが、その後は数が増え、17年度は
   172人、191人、18年度は244人、184人と高止まりしている。」
    「職場の防災・減災を進めよう」


 ☆ 『平成28年熊本地震
    熊本市女性職員 50の証言』
    熊本市市民局市民生活部男女共同参画課  2019年3月
   「また、職場での日勤から、そのまま避難所へ移動して夕方から夜勤に入る日は、2
   4時間の連続勤務となり特に厳しかった。職員が交代で2~3時間程度の仮眠をとる
   が、熟睡できたことはなかった。
    しかし、市民も職員も辛い思いをしている中、公務員なのだから市民のために働く
   のは当然で、弱音も吐けずに気が張っていたと思う。これらのストレスや、昼夜を問
   わない不規則で長時間に亘る勤務により、精神的にも体力的にも無理が蓄積していっ
   た部分があったように思う。半年後に突然襲われた肩甲骨間の痛みや腰痛も、無関係
   ではなかったのかもしれない。
    震災以降、初めて出勤せずに丸一日休養することができたのは、前震からちょうど
   1か月後の5月14日(土)のこと。やっと休息できたと心から感じることができた
   日だった。」
    「熊本市女性職員 50の証言」
    ≪活動報告≫ 20.10.16
    ≪活動報告≫ 20.10.20


 ☆ 「『熊本地震による自治体等職員のメンタルヘルス健康調査』
   結果の概要」
    自治労/労働調査協議会
   「調査票は、被災した熊本県の11自治体の職員を対象に2018年1月に配布し、
   2~3月に回収、報告書は10月に発行された。回収された調査票は4002枚で
   ・・。
    2 震災後の職場や仕事の状況
    震災後、自治体等職員の職場ではどのような問題が発生しているのだろうか。
    震災後の職場で起こった最大の問題は『人手不足による苦労が増えた』(67.3
   %)で、これに『震災関係の業務が多く忙しかった』(61.2%)、「復旧で業務
   の混乱が長く続いた」(54.8%)が続いている。通常業務に復興業務が加わり、
   多くの職場で人材不足と繁忙状態が続く実態が依然として続いていることが明らか
   である。
    仕事においても「意図したように仕事ができなかった(46.7%)、「先が見え
   ない仕事が多く、辛かった」(42.4%)、「働いても仕事が終わらなかった」
   (36.7%)をあげる人が多く」・・・
    「『熊本地震による自治体等職員のメンタルヘルス健康調査』結果の概要」
    ≪活動報告≫ 19.1.29


 ☆ 「過酷な労働、深刻な生活実態 今も続く
   自治労福島県本部 原発被災自治体職員アンケート調査報告」
    じちろう 2018年7月21日
   「働く上でのストレスに関する設問では、多くの職員が職務上の知識・経験不足(7
   3.3%)や多忙・職員不足(67.2%)を感じているとの結果が出た。その要因と
   して誰もが経験したことのない事故対応や震災復興などの新規事業が多くを占めてい
   ることが推測される。その一方で、多くの職員が職員間の支え合い(70.1%)や
   自らの仕事の充実感(67.1%)を感じていた。」
    「過酷な労働、深刻な生活実態 今も続く」


 ☆ 「平成29年度における「東日本大震災」、「熊本地震」及び
   「平成29年7月九州北部豪雨」による被災地方公共団体への
    地方公務員の派遣状況調査等の結果の公表

   ●全国の自治体から東日本大震災の被災地自治体に派遣された職員数は、1,776人(平
    成29年10月1日時点)。
    (参考1:地方自治法による派遣 1,774人、出張による派遣 1人)
    (参考2:うち、任期付職員 481人、再任用職員 82人)
   ●団体別派遣人数
    ・職員を派遣した自治体の種類ごとの人数は、45都道府県が974人(全体の54.9
    %)、20政令指定都市が200人(全体の11.3%)、341市区町林が601人
    (全体の33.9%)。
    ・派遣を受けた自治体ごとの人数は、岩手県内へ521人(全体の29.4%)、宮城県
     内へ927人(全体の52.2%)、福島県内へ377人(全体の18.4%)。
    ・派遣先は、県が552人(全体の27.0%)、市町村が1,459人(全体の73.0
     %)。
   ●全国の自治体から熊本地震の被災地自治体に派遣された職員数は、275人(平成29年
    10月1日時点)。
    (参考1:地方自治法による派遣 274人、出張による派遣 1人)
    (参考2:うち、任期付職員 8人、再任用職員 7人)
   ●団体別派遣人数
    ・職員を派遣した自治体の種類ごとの人数は、38都道府県が142人(全体の51.6
     %)、19政令指定都市が43人(全体の15.6%)、74市区町村が90人(全体の
     32.7%)。
    『平成29年度における被災地方公共団体への地方公務員の派遣状況調査』
    『平成28年度地方公務員の派遣状況調査』
    『平成27年度地方公務員の派遣状況調査』
    『平成26年度地方公務員の派遣状況調査』
    『最近のニュースからNo.55』
    ≪活動報告≫ 18.6.12
    ≪活動報告≫ 17.3.10
    ≪活動報告≫ 16.4.12


 ☆ 『東日本大震災の被災地で
    災害対応と復興支援にあたる自治体職員の心理的ストレス
    ―震災後1年目に実施したメンタルヘルス調査の結果から―』
    山田泰行,長須美和子,原 知 之,川本 淳,  労働科学 93巻,3号  2017
    『東日本大震災の被災地で  』
   「本研究の結果から、東日本大震災が発生して1年が経過した時点で、被災した自治体職
   員の約2割が高ストレス者に該当することが明らかになった。被災自治体職員のストレス
   には、居住環境要因、災害業務負荷要因、労働安全衛生要因、惨事ストレス要因、感情労
   働要因に関するさまざまなストレッサーが有意な関連を示した。このことは、被災自治体
   職員自らも被災者として避難生活を送りながら災害関連業務に従事するという大規模自然
   災害に被災した過酷な状況による複合的なストレスを示唆していると考えられる。」


 ☆ 『メンタルヘルス不調0へ -震災と復興、そして自治体職員-』
    福島県立医科大学医学部災害こころの医学講座 主任教授 前田 正治
    じちろう 17.7.18
    『メンタルヘルス不調0へ  -震災と復興、そして自治体職員ー』
   「最後に、現在被災地で働く自治体職員に伝えたい。
   うまくいかないことも、ままならないことも、また自分を責めることも多いと思
   う。しかし災害からの復興はまだ先が長い。自分の身体に気を遣い、きちんと休ん
   でほしい。自治体職員の精神保健を維持することは、職員自身の問題にとどまらな
   い。自治体職員が倒れては、復興が進まない。
    自分自身のためにはもちろん、被災地の住民のためにもきちんと休んでほしいと
    思う。」


 ☆ 『大災害と 自治体職員の対応力
    惨事ストレスと応援職員』
    立木茂雄 同志社大学社会学部教授  Governance27 March 2017
    『大災害と 自治体職員の対応力』
   「・・・
    ステップ3では、活動全体を通して、また日々の活動でONとOFFの切り替えを
   明確に取ることの重要性を取り上げている。例えば、活動全体の行程の最初には出発
   式をもって被災地の状況や安全確認などを行うとともに、一日の始めには朝礼をとり
   作業内容、作業時間、前日の引き継ぎ事項の確認を行うなど、これから活動が始まる
   というONの合図をグループで共有する。さらに、一日の作業の中でも、必ず休憩を
   交替で取る、一日の作業の終了時には現場で夕礼をもち、どこまで作業したか、思っ
   たこと、感じたこと、嬉しかったこと、怖かったこと、危険だったこと、提案や反省
   を共有化するOFFに入るための作業をする、といったようにONとOFFを切り替
   えるための具体的な方法を示している。
    ステップ4は、現場でストレスを緩和するためのリラックスの仕方を6種類に分け
   て説明している。これは・・・6種類のストレス対処資源の頭文字を取ったBASI
   CーPhモデル基づいている(立木、2016)。具体的に、BはBelief(信念や使
   命)を大切にすること、AはAffect(感情・情動)をそのまま表に出すこと、Sは
   Social(人とつながる)こと、IはImagination(プチ「現実遊離」)の時間をもつ
   こと、CはCognition(現実的問題解決)の過程を活用すること、そしてPhは
   Physical(身体を動かす・マッサージする・身体を休める-逆に、お酒やコーヒー・
   紅茶は、現地での興奮を促進し、不眠の危険性をます―)ことである。
    人は誰でも自分にあったストレス解消法をもっているので、あらかじめ自分が得意
   な方法に気づき、現地で実践することを提案している。」


 ☆ 『被災自治体職員への健康支援と体制確立を』
    全日本自治団体労働組合 川本 淳
    労働の科学 17.3号
    『被災自治体職員への健康支援と体制確立を』
   「第二には、職員のメンタルヘルス等の健康対策がある。復旧・復興のスピードは被
   災状況により一様ではないが、東日本大震災に関しては発災から6年が経過してもな
   お避難者等は約12万人と、復興は途半ばである。復旧・復興にはそれ相応の時間が
   かかるため、その業務を担う当該被災自治体の職員が元気に働き続けられるかどうか
   が重要な鍵となる。
    発災当初は外部自治体からの職員派遣など支援を受けながらも、被災自治体の職員
   にとって過密な状況が続く。したがって、労働安全衛生上の観点からも、発災時にお
   ける自治体間連携も含む職員体制のあり方や働き方等について、あらかじめ労使で確
   認しておく必要がある。・・・
    また、発災以降、健康な状況が続いていたとしても、発災から数年後に、遅れて症
   状が顕在化するケースもあるとの専門家の指摘もあり、継続的なメンタルヘルス対策
   は必須である。」


 ☆ 『災害支援と自治体職員の心身のケア
    ―阪神・淡路大震災の復興から東日本大震災など
     国内外の被災地へ―』
    桜井明子/上月清司/山本喜三郎
    『心身医』  Vol. 57 No. 3. 2017 
    『災害支援と自治体職員の心身のケア』
   「3. 中長期の経過
    震災2カ月後の臨時健康診断の受診者を対象に,5年間にわたるアンケート調査を
   行ったところ,心身の症状は全体として震災2~3年後まで増加し,3年から5年後
   にかけて漸減する傾向にあった.この傾向は,憂うつ感,物音に敏感,消化器症状な
   どに特徴的で,一方,肩こりや疲労感は5年間を通して高率であった.そして5年後
   の症状は,自宅が全壊の場合に有意に多かった.震災5年の時点で,約30%が仕事
   関連のストレスが震災前と比較して増加したと回答し,約10%が仕事や生活面でま
   だ落ち着いていないと回答していた.全体としては回復傾向にあったが,一方で,長
   期間にわたる心身のケアの必要性が示唆される結果であった.
    震災直後は,地域や職場において,ある種の一体感や連帯感を抱きやすい時期であ
   ったが,時間の経過とともに地域や職場間の差や個人差が広がってきているように思
   われた.職場でも復興業務が完了したと思う時期について,職場や個人の差がかなり
   大きいようであった.地域・職場とも,解決困難な問題ほど後々まで残る傾向で,多
   くの職場が通常業務に戻っていく中で,復興関連業務と長く向き合っている職員のこ
   とを忘れないでいたいと思った。」


 ☆ 『東日本大震災に関連するメンタルヘルス総合対策事業
     (平成24~27年度)実施結果報告書』
      地方公務員災害補償基金 平成 28 年8月
    『東日本大震災に関連するメンタルヘルス総合対策事業』
   「10 メンタルヘルス総合対策事業を実施しての成果
    メンタルヘルス総合対策事業は4年間、264団体に事業を実施しました。このこ
   とにより、東日本大震災の被災地域で復旧・復興等に携わる職員が心身の疲弊から心
   の健康を害し、重大な公務災害が起こることを未然に防ぐといった目的を概ね達成し、
   大きな貢献を果たすことができたと考えます。震災当初の各地方公共団体の状況を踏
   まえると、地方公共団体でのメンタルヘルス対策の取り組みには幾つかの点で障害が
   ありました。①地方公共団体のメンタルヘルス担当者も多くの業務を抱え、十分な時
   間が割ける状況ではなかった点。②独自に調達しようとすれば予算取りや業者につい
   ての情報収集、業者の選定等で多大な労力がかかる点。③実施が義務付けられている
   ものでなく、また実際の効果が目に見えにくいもののため、予算の確保や実施にかか
   る関係者を説得することが非常に難しい点。こうした事情により、多忙な状況の中で
   は優先順位が下がり、後回しになりやすいものであると考えられます。」


 ☆ 『突如起こる災害への備えと、公的な役割について考える』
    田中 浩二  自治労・総合企画総務局長
    『労働調査』 16.7号
    『突如起こる災害への備えと、公的な役割について考える』
   「今回地震で役場や学校、病院などの多くの公的施設も甚大な被害にあった。住民サービス
   を担う公共施設等が被害にあえばたちまち住民生活に影響が出る。全国どこでも大規模災害
   は起こりうるもので、非常時でも住民サービスを低下させないための準備は自治体の責務で
   あり、人減らしが進む自治体にとっては職員が足りないからと言い訳などできない。「想定
   外の・・・」と、5年前の東日本大震災でもこの言葉が多く使われた。過去の経験から学び、
   同じことを繰り返さないために対策を施し、いざという時の備えを積み重ねてきたにも拘ら
   ず、である。仮に、「想定外の事は必ず起こりうるもの」とするなら、そもそも想定するこ
   とに意味がないようにも思えてくる。」


 ☆ 『「あの日」語ることで次へ』
    桑山 紀彦 心療内科医
    朝日新聞 16.3.8
    『「あの日」語ることで次へ』
   「人間は忘れる生き物というけど、あれほどの体験を忘れられるはずはない。悲しみや悔い
   を封じたままでは、心の傷は癒されません。・・・
    私が取り組んできた心理社会的ケアというアプローチを紹介しましょう。・・・
    彼女たちは編み棒を動かしながらポツリポツリと『あの日』のことを語り、次第に胸の内
   を吐き出すようになりました。家族でも、友人でもいい、まず語り、聞いてもらう、それが
   第一ステージです。・・・
    記憶に感情が伴い、つながり、物語が完成すると、記憶は角が取れて丸くなり、心の引き
   出しの中にすっぽりと収まるのです。もう苦しむことはありません。つらい記憶を自分で出
   し入れできるよう記憶を整えるのが第二ステージです。・・・
    自分たちの手で生み出した商品が誰かの役に立つんだと実感できると、負の記憶が性の遺
   産にかわる。第三ステージ、『社会的再結合』と呼ばれる瞬間です。」


 ☆ 『自治体職員の惨事ストレスに対するメンタルサポート
    -初期支援、そして中・長期的な取り組みを振り返るー』
    狐塚貴博  野口修司  若島孔文  「消防科学と情報」2015(冬季)号
   『自治体職員の惨事ストレスに対するメンタルサポート』
   「被災地の自治体職員は、自身が被災者であるにも関わらず、震災発生直後から現在、そし
   て今後の復興に向けた取り組みに至る全ての時間経過においてその業務に携わり、多くの過
   酷な業務に携わっている。この意味において、自治体職員は未だ震災の渦中にあるといえる。
   自治体職員の業務は、対面で被災地住民との相談や交渉、各種書類の作成に関わる事務、環
   境設計の立案や計画などを含め多方にわたり、このような業務を通して、被災地住民、そし
   て地域の復旧や復興に携わる。」
   ≪活動報告≫ 18.6.12


 ☆ 平成23年台風12号における災害対応と自治体職員のストレス
     安部美和  中川由理  落合知帆
     熊本大学政策研究 6  15.3.31
   『平成23年台風12号における災害対応と自治体職員のストレス』
   「自治体職員と消防職員全体では、ストレス度合いの高かった項目順に「断水」「ダムの放
   流量」「停電」「休息・休息・睡眠時間」となった。職種別でストレス度合いを見てみると、
   自治体職員では「断水」「停電」「風呂」「ダムの放流量」「台風の見通し」であったのに
   対し、消防職員でストレス度合いの高かったのは、「休息・休息・睡眠時間」「現場職員の
   安否」「現場の緊急状況」「携帯電話の通信状況」「ダムの放水量」であった。消防職員が
   現場に派遣した職員の安否や情報手段に対して強いストレスを感じていたのに対し、自治体
   職員はインフラの停止やダム放水量、台風の進路など今後の見通しに関する情報が入らない
   ことに対して高いストレスを感じていた。」


 ☆ 復興業務に従事する自治体職員のメンタルヘルスの推移
    ―東日本大震災の1年4ヶ月後と2年4ヶ月後の比較から―
     髙橋 幸子 (東洋大学 HIRC21) 桑原 裕子 (筑波大学人間系) 松井 豊 (筑波大学人間系)
     東洋大学 21世紀ヒューマン・インタラクション・リサーチ・センター研究年報第12号
     2015年3月
   『復興業務に従事する自治体職員のメンタルヘルスの推移』
   「被災自治体の職員を対象に,2012年と2013年の2時点で測定したメンタルヘルス
   (PTSD 症状と精 神的不健康)と勤務に関する苦労,職務上の体験,職場の心理的な配慮,
   自身の成長感を比較した。その結 果,前年の悪い状態が改善されたり,良い状態が維持され
   たりしていた肯定的影響と,前年の悪い状態が改 善されていなかったり,良い状態が減少し
   ていた否定的影響が明らかになった。
    震災による肯定的影響を見ると,業務上の混乱や人手不足,忙しさ,休暇がとれないとい
   った職場の悪い 状態が改善傾向にあった。また,上司や同僚が相談にのってくれたり,つら
   い気持ちを受け止めてくれたり することといったソーシャル・サポート,自分に自信が持て
   たり精神的に強くなったと感じたといった成長 感などの良い状態が維持されていた。これら
   の結果から,被災自治体では時間経過とともに被災直後の混乱 から脱し,職場の物理的環境
   が改善されつつあると考えられる。同時に,職員同士が共に困難を乗り切った 経験は,職員
   自身の成長感につながったり,互いにサポートを提供し合う環境を育んだりしたと考えられ
   る。
    一方,否定的影響を見ると,仕事上の責任追及,厳しい管理・指示,意見の言いづらさと
   いった職場の人 間関係や,自分の未熟さを感じたり,意図したように仕事が出来なかったり
   といった自身への否定的評価, メンタルヘルスなどの悪い状態がいずれも改善されていなか
   った。」


 ☆ NHK福祉ポータル ハートネット
     シリーズ 被災地の福祉はいま
   第3回 揺れる復興 疲弊する自治体職員
    2015年3月5日放送
   『揺れる復興 疲弊する自治体職員』
   「――どのようなきっかけで被災地の自治体職員の取材を始めたのですか。
    よくお世話になっている職員さんがいるのですが、訪れるたびに表情が違っていたんです。
   専門的な知識はないのですが、普通に接するだけでも大丈夫かなと思うほどでした。それで
   他の方にも話を聞いてみたのですが、実は多くの人が大きなストレスを抱えていたんです。
   それが取材を始めようと思ったきっかけですね。」(山田果生記者)


 ☆ 「災害対応職員向けマニュアル」
   『1000時間後のあなたへ ~東日本大震災で頑張ったあなたへ~ 』
    公務員連絡会地方公務員部会 発行
    『1000時間後のあなたへ』

   『自己チェック』(「燃え尽き症候群の気配」~自己診断表)
    公務員連絡会地方公務員部会 発行
   『自己チェック』
    こんにちは。
    このメールは、被災地で公務に従事している労働者のサポートを目的として、私の、友人、
    知人、仕事関係者に送らせていただいています。重複しましたらお許しください。
    いま、公務労働者が多くの人々の感情のはけ口になっています。
    消防や自衛隊は、よくやったと言われますが、住民と寄り添い、昼夜問わず働き続けた自
   治体職員は、さまざまな軋轢の中に置かれています。その彼らに思いを馳せ、1000時間
   後の公務労働者へのマニュアルを作成しました。
    地方自治体の公務労働者を支えることは、地方自治を支えることであり、かつ、その下で
   生きる、社会的少数者を支えることでもあります。
    お知り合いの自治体職員の方に、転送、または、お知らせいただければと思います。
    なお、このマニュアルの内容は、転載、コピー、出力、なんでもOKです。
    お忙しい中、お手を煩わせます。どうか、よろしくお願い致します。
                辛淑玉


 ☆ 『支援から帰られた職員のみなさまへ』
    作成:東日本大震災大阪障害者緊急対策連絡会
    監修:大阪障害者センターメンタルヘルス研究会
   「東日本大震災の支援からお帰りのみなさま おつかれさまでした。

   『支援から帰られた職員のみなさまへ』
    みなさんが活躍された震災後の地域は、おそらく、いままでに体験したことのない状況だ
   ったと思います。
    被災現場の支援から帰られたみなさんから次のような言葉を聞きます。
    「僕(私)は、帰ってきて良かったのだろうか」
    「あんなに沢山の方が亡くなられたのに、自分だけが今までと変わらない生活を送ってい
   ていいのだろうか」
    「自分は、いったいなにをできたのだろうか」
    「こんな時には、寝ずに頑張るのが支援者のあるべき姿ではなかろうか」
                                 等々です。
    みなさんは、被害にあった障害者が地域生活を送ることができる為に懸命に働いてこられ
   たことと思います。
    その支援のなかでは、ご自身がどんなに疲れているのかを十分に気づくことができなかっ
   たのではないでしょうか。


 ☆ 『被災地の自治体本部の方へ』
    報道人ストレス研究会 2016.4.25
   『被災地の自治体本部の方へ』
    ①まず休養をとらせてください
    職員の方にはいくら休憩をとられても、その先に延々と続く業務が待っているかと思いま
   す。それでも、休養をとることが大事です。職員ご自身も興奮状態になっていることが多く、
   自身の疲れを自覚できにくくなっています。そのため、休みをとらずに働き続けようとする
   ことがしばしば見られます。しかし、この行動こそがストレス反応の一部であることがわか
   っています。
    まずは休養を与えてください。どうしても眠れないときは、医師の処方に従って睡眠導入
   剤なども使うようにお伝え下さい。身体を休ませることが大切です。


 ☆ 『東日本大震災で被災した自治体職員の急性ストレス反応反応』
     髙橋 幸子  桑原 裕子   松井  豊
    「ストレス科学研究」2014  Vol.29
   『東日本大震災で被災した自治体職員の急性ストレス反応』
    「4.4 社会的含意と限界
    本研究の結果に基づくと,今後の地震や津波の被災地において,自治体職員に対する自治
   体がとるべき 急性期のストレスケア対策には以下が考えうる。第一 に,被災自治体職員の
   急性ストレス反応は,被災直後 に身体症状を多くは示さない一方,睡眠障害と解離症 状が
   発生しやすかった。従って被災自治体は,職員の睡眠障害や解離症状に焦点化した臨時健康
   診断を早期に実施し,急性ストレス反応の発生を把握することが推奨される。第二に,特に
   留意すべき対象は,津波によって被災した自治体,女性職員,自分の身に危険を感じた職員,
   家族親戚友人などが亡くなった職員,業務の継続が(著しく)妨げられた職場である。第三
   に,被災自治体の復興復旧活動を支えるためには,自治体職員も災害ストレスの影響を受け
   て苦しんでいるという事実を,自治体住民を含めて広く共有する必要があろう。また,復旧
   復興期において被災自治体は,必要に応じて職員の業務見直しや休養を取らせるといった,
   メンタルヘルスに配慮した職場環境の整備を心がける必要があると考えられる。」


 ☆ 『東日本大震災6ヶ月後における関東地方の自治体職員の
     レジリエンスと心的外傷後ストレス症状との関連』
    津野香奈美  大島一輝  窪田和巳  川上憲人
    「産業衛生学雑誌」56巻 2014
   『関東地方の自治体職員のレジリエンス』
   「阪神淡路大震災時に活動した兵庫県内の消防隊員を対象にした調査によると,PTSS
   (心的外傷後ストレス症状(Post-Traumatic Stress Symptoms)に対して最も高いオッズ比
   を示していたのは,近親者の喪失でもなく,悲惨な光景に堪えたことでもなく,生命の危険
   を感じたことでもなく,『住民からの苦情や非難が堪えた』ことであったと報告されている.
   このように被災地域の自治体職員は,被害が大きければその把握に追われるが,被害が比較
   的少なくても,復興計画をすぐに策定して業務を進めなければならないのに加え,復興に焦
   りを感じる住民から非難や苦情も受けなければならず,震災によって心理的負担が大きくか
   かるという特徴があると言える.これらの傾向は,東日本大震災後の宮城県職員を対象に行
   われた大規模調査でも同様であり,震災から7ヶ月後にメンタルヘルス状況が悪かった職員
   のリスク要因として,『毎週休みを取っていないこと』と『住民からの苦情を扱っていたこ
   と』等が明らかになっている.」


 ☆ 『東自本大震災で被災した自治体職員の外傷後成長』
    筑波大学人間 松井 豊   桑原裕子  高橋幸子
    筑波大学心理学研究 第47号  2014
   『東自本大震災で被災した自治体職員の外傷後成長』
   「外傷後成長に対しては,以下の4種の要因の影響が確認された。
    第一の要因は『職員自身の被災体験』である。外傷後成長との関連では,予測通り,『自
   身及び身近な人の被災』が大きいほど,『住まいの被害』が大きいほど,『司僚や上司から
   の支援』を経て,外傷後成長を高めていた。被災による被害が大きいほど,周囲のソーシャ
   ルサポートを受け,そのサポートが人に対する見方を成長させたものと推定される。
    第二の要因は,発災直後の業務で住民から感謝された経験である。」
   「住民から感謝された体験は、外傷後成長を促していた。そして、職員本人の被害経験であ
   る自身の身近な人の被害と住まいの被害を受けた職員は、上司や同僚からの支援を受け外傷
   後成長を高めていた。また、震災後の業務で住民から感謝されたり、辛い体験を聴いた職員
   も上司や同僚から支援を受け外傷後成長を高めていた。住民から怒鳴られたり、辛い体験を
   聴いたりした体験は、業務の多忙感を高めていた。」


 ☆ 『平成25年度 「東日本大震災に関連する
    メンタルヘルス総合対策事業」の実施結果』
    地方公務員災害補償基金 平成26年3月
   「4 職員の心の健康回復事業
   (1)実施内容
     少人数のグループに分け、グループメンバー同士で職場の課題等、設定されたテーマに
    沿ってグループ ワーク(話し合い等)を実施した。
     誰でも参加可能な全職員向けとは別に、職層などによってグループを分けた方がより感
    情の共有ができることから、管理職員向けのグループワークも設けた。
      ……
   (3)受講者の反応
    ・「リラックス法を知ることができて良かった。」
    ・「日々の生活で実践できそう。」
    ・「事例についてグループで話し合うことができ、より分かった。」
    ・「様々な考えを知ることができて良かった。」
    ・「同じ思いを持っている方がいるということがわかって良かった。」」
   『「東日本大震災に関連する メンタルヘルス総合対策事業』
   『沿岸15市町におけるメンタルヘルス対策について』(宮城県)
   『「東日本大震災に関連するメンタルヘルス総合対策事業」の要望照会について(通知)』


 ☆ 特集 東日本大震災  復興期におけるメンタルヘルス対策
    『復興期のメンタルケアでは「3つの時間差現象」に留意を』
    岩手県立大学 社会福祉学部 福祉臨床学科 教授 青木 慎一郎
    『地方公務員 安全と健康 フォーラム』 2013.8
   『復興期のメンタルケアでは 「3つの時差現象」 に留意を』
   「久慈地区において、11年度には低かった抑うつ状態の出現率が、12年度において高く
   なったのはなぜだろうか?
    久慈管内は他の沿岸地域と比べて被災規模が小さかったため復興計画が早くから策定され、

   11年11月初旬には全市町村で復興計画が策定されていた。つまり、久慈地区では、復興
   業務が11年度においてもすでに急激に増えていた。その結果、職員の長時間労働も11年
   度においてすでに始まっていた。


 ☆ 特集 『被災地教職員・自治体職員の震災後ストレスと心のケア』
   ・「被災地の公務員労働者が抱える震災後ストレス
    香山リカ  精神科医・立教大学教授
   ・「復興復旧業務は長丁場だからこそ
    ――被災自治体職員のストレスとメンタルヘルスケア
    自治労総合企画総務局長 西田 一美
   ・支援する人へのケアを考える
    富永 良喜  兵庫教育大学大学院教授
    『女も男も』 2013年春・夏号  発行 労働教育センター
   ≪活動報告≫ 13.7.18


 ☆ 『東日本大震災後の宮城県職員の精神健康とストレス要因』
    分担研究者 鈴木友理子、金吉晴  研究協力者 深澤 舞子
     国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所
     13年3月
    2013年度 厚生労働科学研究費補助金(障害者対策総合
   研究事業(精神障害分野))における「大規模災害や犯罪被害等による精神疾患の実
   態把握と対応ガイドラインの作成・評価に関する研究報告書」のなかの「東日本大震
   災後の宮城県職員の精神健康とストレス要因」です。
   「過去の研究からは、支援者のケアとして、消防、警察、救急隊員といった災害救護
   者のストレスとして、惨事ストレス対応の重 要性が指摘されている(Stallman,
   2008)。救援者のストレスは、1)危機的ストレスとして、命の危険を伴うような出
   来事(例:同僚の死、死体や悲惨な状況の目撃など)、2)累積的ストレスとして、
   危険な環境下での困難な業務の蓄積(例:被災者から感謝されない、苦情対応、倫理
   的ジレンマ)、3)基礎的ストレス(例:睡眠や休息の不足、人間関係のトラブル等)
   に整理されている(日本赤十字社, 災害時のこころのケア
   (http://www.jrc.or.jp/vcms_lf/care2.pdf)。しかし、行政支援者の災害後の業務
   ストレスに関する実証的な検討は十分でないのが現状である。」
     『東日本大震災後の宮城県職員の精神健康とストレス要因』


 ☆ 『災害時の心のケアマニュアル』 第2版
    高知県地域福祉部  平成25年3月
   『災害時の心のケアマニュアル』
   「2 マニュアルの目的
    このマニュアルは、南海地震等大規模災害時に備え、発災直後から心のケア活動が行なえ
   るよう、精神科医療の確保、心のケアチーム活動及び関係機関の役割などの体制づくりを行
   なうための手引きとなります。また、災害時に現地で支援にあたる行政職員(主に県福祉保
   健所、市町村職員)の方々に必要と思われる「心のケアに関する基礎知識」をまとめたもの
   で、支援者が災害時の心身の反応や心のケアについて正しい知識を得ることを目的とします。


 ☆ 第三百四十回宮城県議会 (定例会) 会議録
    平成二十五年三月五日(火曜日)
   ◎総務部長 (上仮屋尚君)  ……
    次に、大綱三点目、自治体職員のケア及び人材確保についての御質問のうち、メンタルヘ
   ルスに関する沿岸部市町職員の実情についてのお尋ねにお答えをいたします。
    仙台市を除く沿岸十四市町の平成二十三年度の時間外勤務総時間数は約百一万時間で、前

   年度から約十七万時間増加をしております。また、平成二十三年度の精神及び行動障害によ
   る長期病休者数は百二十六人で、前年度から五十九人増加をしております。このように、沿
   岸部市町では、膨大かつ多岐にわたる復興業務を担う職員の負担が大きく増大している状況
   にあり、健康状態の悪化が懸念される状況にあるものと認識をしております。
   「第三百四十回宮城県議会 (定例会) 会議録」
   ≪活動報告≫ 13.4.5


 ☆ 被災地調査 『自治体職員のの現状―自治労の
      「こころの健康調査」』
    「Business Labor Trend」 2012.10
   『被災地調査』
    地方自治体の職員等で組織する自治労(約83.6万人)は8月24日、「こころの健康」
   調査結果を公表した。調査は、岩手・宮城・福島の自治労に加盟する、主に沿岸部の労働組
   合の全組合員1万3085人を対象に、今年5月時点で実施したもの。6274人の有効回
   答(男性44.4%、女性55.6%)。……
    こうしたなか、被災自治体職員のストレス症状(ほとんどいつもある・しばしばある計)
   をみると、「ひどく疲れた」(47.5%)、「気が張り詰めている」(44.4%)、「だ
   るい」(43.5%)、「へとへとだ」(37.5%)、「不安だ」(36.9%)などが高
   い。また、メンタル症状(いつも・たいてい計)でも、「気分が沈み込んで晴れない」(1
   4.6%)や「何をするのも骨折り」(13.4%)などが上位にあがっている。調査では、
   放射線等に関する適切な情報提供の不足や、震災後の業務を通じたトラブル経験、時間外労
   働の増加などが、被災自治体職員のストレス症状(疲労、不安、抑うつ)に及ぼす影響につ
   いて詳細に分析し、いずれも有意に高いことを指摘している。


 ☆ 研究報告 『被災地自治体職員が受ける心理的影響
    ―― 水害16カ月後の保健師へのインタビューから――』
    牛尾裕子 大澤智子 清水美代子
    『兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所紀要』 Vol.19 2012
   『被災地自治体職員が受ける心理的影響』
    考察:被災地自治体職員の災害後の心理的ストレス過程の特徴は、1)災害対応に関連す
   る組織内、家庭内での葛藤が、傷つきをもたらし、様々なマイナス感情を引き起こす、2)
   葛藤がもたらす傷つきやその傷つきを語り合えない雰囲気が、疎外・孤立を生み出す、3)
   職務を果たそうとする過程において役割上のストレスを認識すると考えられた。これらのス
   トレスをもたらす要因には、災害後の指示命令系統の不明瞭さなど組織体制上の要因と自分
   自身や身近な親族の被災などの個人的な要因が考えられた。災害発生後の自治体職員の精神
   保健対策への示唆として、「組織が職員の休日や休養を確保する」「気持ちを吐き出す機会
   をつくる」などがあげられた。


 ☆ 東日本大震災の神戸市職員派遣の記録と検証 (概要)
    神戸市
   『東日本大震災の神戸市職員派遣の記録と検証 (概要)』
   「①今回の支援活動についての評価
    評価が高かったのは、派遣チームの職員の意識やモチベーションの高さ・情報共有・派遣
   チームの任務や根拠・指揮命令系統の明確さであった。加えて、「神戸から」の支援という
   ことで、共感や信頼関係を築きやすかったという点にも評価が高かった。
    評価が低かったのは、他支援団体(自治体やNPOなど)等関係機関との連携・活動 場
   所に関する情報収集・事前のマニュアルの整備や研修の実施であった。


 ☆ 特集 震災と組合・職場のケア
   『勤労者のメンタルヘルスの実態と職場の対応』
     日本生産性本部 メンタル・ヘルス研究所 今井 保次 飯田進一郎
   『被災自治体職員に対するメンタルケア
    激務のなかでのメンタルダウンを防げ』
     自治労総合企画総務局長 西田 一美
   『震災後の岩教組青年部の取り組み』
    ―集まろう 話そう みんなの笑顔をとりもどそう―
     岩手県教職員組合 青年部長 佐藤  浩
    『連合総研レポート』 2012年2月号
   『連合総研レポート』
   ≪活動報告≫ 12.2.24


 ☆ 『東日本大震災における被災自治体への応援職員の
     惨事ストレスとメンタルヘルスケアに関する研究』
    河村 咲弥 同志社大学大学院社会学研究科  辛 淑玉 (株)香科舎
    西田 一美 全日本自治団体労働組合  立木 茂雄 同志社大学社会学部
    地域安全学会梗概集 (29) 2011-11
   『被災自治体への応援職員の惨事ストレス』
   「満足感・充実感」カテゴリ該当者は、そうでない人と比べて災害支援活動終了後のストレ
   ス得点が低く抑えられた人で、特に出発前に高いストレス得点をとっていた人の得点変化の
   幅が大きかった。これとは逆に、「疲れた、しんどかった」、「労働状況の改善」、「ショ
   ック」というカテゴリに分類される感想を書いた人々は、他の人々と比べて総じて終了後の
   ストレス得点が高くなる顕著な傾向のあった人々であった。


 ☆ 自主レポート 『阪神・淡路大震災自治労復興支援活動から
     芽生えたもの  17年後のアンケート調査を通じて』
    兵庫県本部/人・街・ながた震災資料室・研究員 林田 怜菜
   『阪神・淡路大震災自治労復興支援活動から芽生えたもの』
    ③ 自分の生き方に自信がもてた
   「全国の仲間がこれほどたくさんあり、共通の思いを持ち、すぐに活動ができるという組織
   力は、すばらしいと思っています。行政への風当たりが強い世相ではありますが、行政とい
   う仕事に誇りを持つよい機会になりました」(M.J)。「神戸で被災した人々のために、
   少しでも役に立てたのだということがその後の自分の生き方に大変自信にもなり」(K.M)、
   「自分自身に誇りが持てるようになった」(K.M)、また「その後の職務に自信に」(S.
   Y)なった方もいる。
    このように、参加した多くの方は、「よくも悪くも人生で何度もないであろう人生の分岐
   点となった……価値観も変わり……視点も変わった」(S.J)ことを述べている。

 公 務 災 害 ・ 特 殊 公 務 災 害

 能登半島地震 自治体関連新聞記事

 ・毎日新聞 24.2.12
  「もう辞めたい…自治体職員も
   被災者 悲鳴あげる心身」
   「もう辞めたい… 」
 ・毎日新聞 24.1.23
  「能登半島地震 被災自治体の
   職員不足深刻
   支援に900人超派遣
   「能登半島地震 」
 ・読売新聞 24.1.10
  「能登被災地に全国から応援職員
   『バックアップしたい」…
   地元自治体職員、疲労はピーク
   「能登被災地に 」
 ・中日新聞 24.1.9
  「『ほとんど寝てない』」『限界』
   被災地職員、全国から応援も
   人足りず」
   「『ほとんど寝てない』 」


 熊本大震災 自治体関連新聞記事

 ・熊本日日新聞 18.5.31
  「地震2年、熊本市職員
   うつ、PTSD疑い88人」
   「地震2年、熊本市職員・・・」
 ・西日本新聞 18.5.27
  「『うつ・PTSD疑い』4.3%
   熊本市職員 地震発生から2年、
   割合は減少 [熊本県]」
   「『うつ・PTSD疑い』4.3%・・・」
   ≪活動報告 18.7.10≫

 ・西日本新聞 18.5.14
  「職員の7割超がストレス訴え
   熊本地震の復興業務 休退職や
   自殺事例も 自治労が調査」
   「職員の7割超がストレス訴え・・・」
 ・熊本日日新聞 18.4.27
  「『心のケア不十分』4割弱 
   県内自治体職員アンケート」
   「『心のケア不十分』・・・」

 ・西日本新聞 17.5.15
  「地震対応従事の熊本県職員、
   4割が「心身不調」
   業務量激増、休日取れず」
   「地震対応従事の熊本県職員、・・・」

 ・産経新聞 17.2.15
  「自殺職員を公務災害認定 熊本」
   「自殺職員を公務災害認定 熊本・・・」
 ・毎日新聞 16.6.4
  「地震対応の50代の
    阿蘇市職員が自殺」
   「地震対応の50代の阿蘇市職員が自殺」
   ≪活動報告 16.6.7≫

 ・毎日新聞 16.7.17
  「熊本地震3カ月 心のケア支援者にも
   自治体職員ら不調訴え」
   「熊本地震3カ月・・・」

 ・毎日新聞 16.6.9
  「急務、心のケア 自治体職員
   『うつ手前』半数超も/熊本」
   「急務、心のケア 自治体職員・・・」

 ・東京新聞 16.5.22
  「熊本市職員1万人、心の健康調査
   地震対応疲労続く」
   「熊本市職員1万人、心の健康調査・・・」

 ・産経新聞 16.5.22
  「熊本市職員1万人、心の健康調査
   『心身疲労も限界に』」
   「熊本市職員1万人、心の健康調査・・・」

 ・西日本新聞 16.5.14
  「自治体職員、奉仕者も疲労
     罪悪感持たず休んで」
   「自治体職員、奉仕者も疲労」


 東日本大震災 自治体関連新聞記事

 ・河北新報 19.10.11
  「自治体職員 ケア足りず」
   「自治体職員 ケア足りず」

 ・じちろう 18.7.21
  「過酷な労働、深刻な生活実態
     今も続く」
   「過酷な労働、深刻な生活実態 」

 ・産経新聞 17.12.27
  「被災地派遣中死亡の大阪府職員に
   公務災害認める  高裁逆転判決」
   「被災地派遣中死亡の大阪府職員に 」
 ・朝日新聞 17.2.6
  「被災地派遣中死亡の大阪府職員に
   公務災害棄却  大阪地裁」
   「被災地派遣中死亡の大阪府職員に 」

 ・河北新報 17.11.8
  「<石巻市> 膨大な復興事業で疲弊
     市職員の健康チェック強化」
   「<石巻市> 膨大な復興事業で疲弊 」

 ・福島民友新聞 17.3.8
  「福島県と市町村職員、自殺相次ぐ
   自治労まとめ、長時間労働要因か」
   「福島県と市町村職員、自殺相次ぐ」

 ・河北日報 16.7.21
  「<原発事故>福島の職員
   時間外増続」
   「<原発事故>福島の職員 時間外増続」
 ・福島民報 16.7.21
  「不眠や依存症8%
   双葉郡など市町村職員アンケート」
   「不眠や依存症8% 」

 ・岩手日報 16.3.9
  「大船渡市派遣の男性技師が自殺か
    県の任期付き職員」
   「大船渡市派遣の男性技師が自殺か」
   ≪活動報告 16.4.12≫
   ≪活動報告 16.3.9≫

 ・神戸新聞 16.3.4
  「被災地自治体 精神疾患の休職1.6倍
   39市町村 復興、原発事故で疲弊」
   「被災地自治体 精神疾患の休職1.6倍」
   ≪活動報告 16.4.12≫

 ・共同通信 16.3.3
  「精神疾患の休職1・6倍
   3県被災市町村職員」
   「精神疾患の休職1.6倍」

 ・毎日新聞 15.3.22
  「福島県:全町避難自治体の一つ
    『職員2割うつ』判断」
   「福島県:全町避難自治体の一つ
   『職員2割うつ』判断」


 ・河北新報 15.1.26
  「被災3県の職員ストレス改善傾向
    ・自治労調査」
   「被災3県の職員ストレス改善傾向」

 ・毎日新聞 14.7.27
  「被災42市町村
    震災理由に106人退職」
   「被災42市町村 震災理由に106人退職」
   ≪活動報告 14.7.29≫

 ・福島民報 14.6.12
  「【被災自治体職員】
    『心のケア』支援強化を」
   「『心のケア』支援強化を」

 ・岩手日報 14.5.27
  「苦悩する自治体②
    職員の疲弊 重責抱え燃え尽きも」
   「職員の疲弊 重責抱え燃え尽きも」

 ・毎日新聞 14.5.19
  「職員の15%がうつ病
    福島、避難区域の自治体」
   「職員の15%がうつ病」

 ・岩手日報 14.4.29
  「山田町職員が役場で自殺か
    仕事の悩みつづる遺書」
   「山田町職員が役場で自殺か」
   ≪活動報告 14.5.01≫
   ≪活動報告 14.5.08≫

 ・産経新聞 14.3.6
  「東日本大震災 自治体職員の苦
   悩……『どれだけ働いても終わりが
   見えない』」
   「東日本大震災 自治体職員の苦悩……」

 ・河北新報 14.2.3
  「原発避難区域市町村職員、『心の病』
    休職増」
   「原発避難区域市町村職員、『心の病』
   休職増」


 ・朝日新聞 14.1.22
  「福島の10市町村 267人
   早期退職」
   「福島の10市町村 267人早期退職」
 ・福島民報 14.1.22
  「早期退職267人
   避難地区抱える市町村」
   「早期退職267人 避難地区抱える市町村」
   ≪活動報告 14.2.18≫

 ・読売新聞 13.9.30
  「被災地自治体 心の病147
   職員休職」
   「被災地自治体 心の病147職員休職」
   ≪活動報告 13.10.16≫

 ・神戸新聞 13.3.8~3.12
  連載 東日本大震災2年
   「復興を支えて 疲弊する応援職員」
   1.任期半ばの自死 慣れぬ業務、交流少なく
   2.一変した生活 人員不足、残業80時間
    「1.任期半ばの自死 2.一変した生活」
   3.住民との協議 進まぬ計画に重圧、焦り
   4.繰り返される悲劇
     こころのケア 問われる対策
    「3.住民との協議 4.繰り返される
     悲劇」

   5.残された教訓 増える業務 心の支援を
    「5.残された教訓」

 ・朝日新聞 13.3.8
  「被災42市町村 休職400人超す」
   「被災42市町村 休職400人超す」
   ≪活動報告≫ 13.4.5

 ・神戸新聞 16.3.4
  「被災地派遣中に自殺の宝塚市職員、
   公務災害認定」
   「被災地派遣中に自殺の宝塚市職員、」
 ・岩手新報 13.1.5
  「大槌派遣の宝塚市職員自殺か
   昨年10月から勤務」
   「大槌派遣の宝塚市職員自殺か」
   神戸新聞 「被災地・岩手大槌町に派遣
   宝塚市職員が自殺」

   ≪活動報告≫ 13.1.8

 ・河北新報 13.1.25
  「職員充足率12ポイント上昇
   宮城沿岸の被災15市町」
   「職員充足率12ポイント上昇」

 ・河北新報 12.12.20
  社説 「東日本大震災 マンパワー
   不足/自治体が負うべき責任か」
   「東日本大震災 マンパワー不足」

 ・河北新報 12.12.13
  「抑うつ状態、久慈9.4%
   復興業務の本格化で急増か」
   「抑うつ状態、久慈9.4%」

 ・河北新報 12.10.28
  「震災被自治体職員、PTSDも
   「理解とケアを」 筑波大調査」
   「震災被自治体職員、PTSDも」
   ≪活動報告≫ 12.11.5

 ・河北新報 12.9.8
  「被災市町の職員不足
   宮城知事が全国知事に 「直電」
   派遣訴え」
   「被災市町の職員不足」

 ・河北新報 12.9.6
  「宮城県・健康調査
  「燃え尽き症候群」 職員1割」
   「『燃え尽き症候群』 職員1割」

 ・河北新報 12.8.25
  「陸前高田に応援派遣の盛岡市
   職員が自殺 『申し訳ない』 遺書」
   「陸前高田に応援派遣の盛岡市職員が自殺」

 ・共同通信 12.8.24
  「メンタル相談を4割が希望/
   大震災被地の市町村職員」
   「メンタル相談を4割が希望」
   ≪活動報告≫ 12.9.19

 ・読売新聞 12.6.12
  「早期退職 被災自治体悩む」
   「早期退職 被災自治体悩む 」

 ・河北新報 12.4.5
  「職員9割がストレス自覚 
   仙台市、震災初期対応で健康調査」
   「職員9割がストレス自覚」
   ≪活動報告≫ 12.4.13

 ・北陸中日新聞 12.2.21
  「市職員も被災者 医師が宮城・
   岩沼市で 『心のケア』」
   「市職員も被災者」

 ・朝日新聞 12.2.1
  社説 余滴 「被災地の公務員 心の
     ケアを」
   「被災地の公務員 心のケアを」

 ・河北新報 12.1.5
  震災、原発事故…
    宮城県職員のストレス深刻
   「震災、原発事故…」

 ・岩手日報 11.12.28
  被災3県の市町村職員の心の病休
    70%増 本県は39人
   「被災3県の市町村職員の心の病休70%増」

 ・朝日新聞 11.9.19
  「被災地市町村 職員の病休増」
   「被災地市町村 職員の病休増」

 ・河北新報 11.7.31
  「公務員休日2日未満21%
   震災後1ヶ月間 激務明らかに」
   「公務員休日2日未満21%」

 ・朝日新聞 11.7.27
  「【宮城】 職員の心身守れ
   被災自治体で健康調査や心のケア」
   「【宮城】 職員の心身守れ」

 ・朝日新聞 11.7.23
  『石巻市職員80人 「強いストレス
   症状」』
   『石巻市職員80人 「強いストレス症状」』
   ≪活動報告≫ 11.8.11

 ・読売新聞 11.6.21
  「被災地 心のケア(4)
   『二重被災』 の自治体職員」
   「『二重被災』 の自治体職員」
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