経済協力開発機構(OECD)は、メンタルヘルス(心の健康)に関する国際調査を各国
から得られたデータや昨年春の調査結果を分析し「報告書」にまとめて発表しました。世界
中で新型コロナウイルス禍により罹患する人が急増しています。
この間、グローバル化が進むなか、各国で精神的体調不良者は増加していましたが、コロ
ナ禍はそれに拍車をかけました。
カナダ、フランス、ニュージーランド、オランダ、イギリス、アメリカでは、昨年1年を
通じて精神的苦痛のレベルを定期的に測定すると不安や抑うつの有病率に波がみられました。
具体的には、20年3月中旬~4月上旬に最も高く、その後6~7月ごろにいったん低下し、
9月以降再び上昇します。有病率の波には、ヨーロッパ各国間で類似する傾向がみられまし
た。
報告書は、精神的苦痛のもととなるコロナ感染による死亡者数の増加と、ロックダウンな
どの感染症封じ込め政策の厳格さの両方にかなりの相関関係があることが示されたといいま
す。
新型コロナのパンデミック発生以降、大きく三つの面から、人びとは精神的苦痛にさらさ
れる可能性があると整理できるといいます。
一つめは、感染そのものが引き起こす恐怖や不安。感染して重症化し死に至ることに対す
る恐怖、感染したときに医療を受けられるのかという不安、感染が周囲に知られて差別され
るのではないかという不安、などによるものです。
二つめは、ウイルスの拡大に伴って環境が変化したことで生じる問題。拡大防止のための
外出自粛や行動制限から生じるストレス、失業などの経済的打撃がもたらす抑うつや自殺、
在宅の増加から生じる家庭内の暴力や虐待、ネット依存の高まり、高齢者の認知機能の衰え、
などによるものです。
三つめは、メディア、ネット、SNSなどからの情報が引き起こす問題。テレビの情報番
組等がもたらす不信と混乱。ネット上での衛生用品や生活用品の不足を煽るデマ、SNSで
の感染した人に対する差別や誹謗中傷、などです。
「報告書」
≪活動報告≫21.8.27
「最近のニュースから」
◆ 雑誌記事 「モラル・ハラスメント 労働法制の最前線
フランス・テレコム事件判決と企業責任」
ボルドー第4大学比較労働法・社会保障研究所教授 ロイック・ルルージュ
雑誌『世界』2020年9月号
月刊雑誌『世界』2020年9月号に、フランスのボルドー第4大学比較労働法
・社会保障研究所のロイック・ルルージュ教授へのインタビュー「モラル・ハラス
メント 労働法制の最前線 フランス・テレコム事件判決と企業責任」が掲載され
ています。
インタビューを抜粋します。
「モラル・ハラスメント 労働法制の最前線 」
◆ 記事 「従業員35人自殺、旧仏テレコムの
モラハラ裁判 元CEOらに禁錮刑」
AFP 2019.12.20 発信地:パリ/フランス
「仏通信大手の旧フランステレコム(France Telecom、現オランジュ、Orange)で
2008~09年に従業員35人が相次いで自殺したモラルハラスメントをめぐる
裁判で、首都パリの裁判所は20日、当時の幹部らに禁錮刑と罰金刑を言い渡した。
最高経営責任者(CEO)だったディディエ・ロンバール(Didier Lombard)被
告に加え、当時の副CEOと人事部長には「組織的ハラスメント」の罪で、禁錮1
年、罰金1万5000ユーロ(約180万円)がそれぞれ科された。ただ刑期の8
月分は、一時執行停止される。
またオランジュにも、罰金7万5000ユーロ(約910万円)の支払いが命じ
られた。
ロンバール被告の弁護人は同日、上訴する方針を示した。」
「従業員35人自殺、旧仏テレコムの・・・」
◆ 記事 「嫌がらせで従業員が相次ぎ自殺
フランス通信大手、旧経営陣の公判始まる」
CNN 2019.5.7
「ロンドン(CNN Business) フランスの通信大手オランジュ(旧フラ
ンステレコム)で2007~10年にかけて相次いだ従業員の自殺や自殺未遂に関
連して、同社のディディエ・ロンバール元最高経営責任者(CEO)ら当時の経営
陣の責任を問う裁判が、6日からパリの裁判所で始まった。
ロンバール被告らは、従業員の不安をあおって自殺や自殺未遂に追い込んだとし
て、精神的ハラスメントや共謀の罪に問われている。
検察側によると、当時の経営陣は会社の戦略として不安をあおるような職場環境
をつくりだし、従業員の尊厳を踏みにじったとされる。」
「嫌がらせで従業員が相次ぎ自殺・・・」
◆ 本「モラル・ハラスメント 職場における見えない暴力」
マリー=フランス・イルゴイエンヌ著 大和田敢太訳 白水社
「2012年7月4日、2005年から2010年の間フランス・テレコム社の代
表取締社長であったディディエ・ロンパールは、モラル・ハラスメントを理由とし
て、10万ユーロの保証金とともに、予審判事により尋問のため召喚され、取り調
べを受けた。労働監督官の報告は、グループ会社の経営手法は、労働者を精神的に
脆弱化し、その肉体的および精神的健全さを侵害する結果をもたらしたと指摘した。
この会社は、フランスにおける電話通信事業の国家的独占を失った後、競争に直
面して、根本的な改革方針を作成し、国営企業としてのあらゆる企業風土と文化を
根本から見直そうとした。しかしディディエ・ロンパールによって実行された経営
方針は、職員には恐怖の圧力をかけるような明らかに乱暴なものであったので、そ
の結果、職員は、それに従うかあるいは離職するかを迫られた。2006年から2
008年の間に、会社は、3回の合理化計画を立て、2万2千の雇用を削減した。
他の地域に異動することを拒否した職員は、降格された。この2年間に、35名の
労働者が自殺した。ディディエ・ロンパールは、マスコミの前で、皮肉を込めて、
『自殺の方法』を語った。
その結果、会社は、法人として訴訟の対象にされることになったが、今回初めて、
経営者が、それまでおそらく個人的には会ったこともない労働者に対するモラル・
ハラスメントで直接的に訴追されたのであった。」
◆ 記事 「フランス、職場のストレス深刻化
人員削減などで自殺者も」
AFP 2014.7.8 発信地:パリ/フランス
「仏通信大手のオレンジ(Orange 、2013年7月1日に社名をフランステレコ
ムから現社名に変更)で、2008~09年に従業員35人が相次いで自殺し、フ
ランスの職場におけるストレスの深刻さが鮮明になった。
自殺した人たちの一部は職場で命を絶った。大半の人が遺書を残していて、管理
者に対する『恐怖』や、技能を無視した配置転換による精神的打撃など、批判がつ
づられている。」
「フランス、職場のストレス深刻化 人員削減などで自殺者も」
≪活動報告≫14.7.15
≪活動報告≫12.9.14
◆ 連載報告 「働く人と健康 フランス在住ジャーナリストの
立場からプシコソシオ問題(職場のメンタルヘルス)で闘いを
開始したフランス」
ジャーナリスト・山本三春
『公衆衛生』2010年1月~3月
① 過労自殺の歴史とテクノサントル・ルノーの悲劇
フランスで労働関連自殺 (過労自殺) が急増し、衝撃が広がっている。
なかでも、2008年2月以来自殺が相次いでいた電話通信のフランス・テレコ
ムは2009年10月15日、ついに20ヶ月で25人目の犠牲者を出すに至った。
2002年1月に施行されたいわゆる「モラルハラスメント」法規制を含む「労
使関係現代化法」の制定によって、少なくても3つの重要な成果をもたらした。
1つは、罰せられるようになったことで、犠牲者自身が苦悶を乗り越え、堂々と
提訴して救済される事例が増加した。
2つ目は、判例が蓄積してきたため、何をすると認定されるか具体的に明確にな
ってきて、雇用者、管理職、一般職員に至るまで“してはいけないことの自覚が高
まり、抑止効果が生まれている。
3つ目は、モラルハラスメントが原因で労働災害に認定されるようになると、職
場での予防、改善するうえでの巨大な武器となっている。
このような成果を上げています。
② CHSCTと専門鑑定の経験
フランス・テレコムの悲劇を防げなかった厳粛な事実をふまえ、新たな戦いを開
始している。
その一つが、雇用者責任(企業責任)を厳しく問う闘いだ。
「従業員の健康の権利は、たのすべての権利に優先する。この基本理念に立てば、
それを侵害した雇用者は、許されない過ちを犯したころになる」からである。この
観点に立ってフランスでは、「雇用者の許しがたい過ち」を裁く方向が強まってい
る。
③ 雇用者の許しがたい過ちと神話の崩壊
ルノーで強度のうつ状態から自殺した労働者の遺族が「雇用者の許しがたい過ち」
で告訴した。
社会保障問題裁判所は「ルノーは、職業活動実践んという事例が引き起こしうる
リスクから従業員からまもるために必要な諸措置をとらなかった」と判断して「雇
用者の許しがたい過ち」を認定、遺族に1ユーロの慰謝料を払うよう命じた。
◆ 記事 「自殺多発するフランステレコムの闇
- 週35時間制がストレスの温床か」
Bloomberg.co.jp 2010.1.25
「1月25日(ブルームバーグ):フランシス・ルブラ(56)氏はパリのオフィ
スの壁にある組織図から自身の名前が消えた時、社内失業したことを知った。20
08年、ルブラ氏の雇い主であるフランステレコムは、インターネットが主流にな
る前の情報サービス『ミニテル』のソフトウエア作成者であった同氏の職種を廃止
した。給料こそ支払われているものの、肩書きは与えられず、同僚から避けられる
存在になったとルブラ氏は話す。」
「自殺多発するフランステレコムの闇 - 週35時間制がストレスの温床か」
◆ 記事 『「鬱」めく時代(その2)』~
『「鬱」めく時代(その3)』
笈川義基 『Daijob HRClub』 2009.12.23 ~ 2010.1.26
(その2)
「「フランステレコム事件」
最近フランス政府が、大企業に対し、職場環境に起因する心の病や自殺を防止す
るために緊急対策を導入するように要請したという。これは通信業界最大手フラン
ステレコムで、過去20カ月の間に少なくても24人が自殺。しかしなにもこれは
急にクローズアップされたことではない。フランステレコムが民営化に向けた準備
を進めていた2000年には28人、2002年には29人の社員が自殺している
とのことだ(マイコミジャーナル 欧州から眺めるITトレンド32による)。多
くは職場ストレスが原因とされ、環境改善を求めるストがうたれた。」
(その3)
「フランステレコムの中堅層トレーニングの様相は、実際のところ、日本でもこれ
に似たような酷い話は耳にするが、正直言ってフランスでもまだこんなことをやっ
ているのか、という感じもする。そもそも職場が変わり仕事も変わり、という時代
の中にあって結局のところ「全てが昔通りであってほしい」と願望しても「 NO
WORK NO PAY の大原則」は変わらないし、それであれば結局働けないいのなら評価
もできないということは、原則妥当な結果である。
とはいえ、問題はその手法の危なっかしさにある。会社の抱える危機の過酷さに
マネージメントの過酷さが加わってはならないからである。そしてこのフランステ
レコムの手法は、どうにもその手法の過酷さだけが見え過ぎる。」
『「鬱」めく時代(その2)』
『「鬱」めく時代(その3)』
◆ 報告 「パリの窓から 第6回・09年10月21日
『仕事のストレスが人を殺す』」
ジャーナリスト・飛幡祐規 「レイバーネット」
「電信電話企業のフランス・テレコムで自殺する社員があいつぎ、社会問題になっ
ている。去る10月15日、ブルターニュ地方のラニヨンにある研究センターの4
8歳のエンジニアが首吊り自殺をして、2008年2月以降、同社の自殺者の数は
25人に達した(全従業員数約10万人)。
今年に入ってからは13人目の自殺で、自殺未遂も13を数えている。9月には
パリで32歳の女性が窓から飛び降り自殺し、アンシーで51歳の男性が高架橋か
ら飛び降り自殺したほか、3件の自殺未遂。8月には28歳と53歳の男性2人の
自殺(そのうち1人は10月の自殺と同じラニヨンの研究センター)、自殺未遂1
件。7月には男性3人の自殺、自殺未遂1件……。」
「パリの窓から」
◆ 記事 「1年半で自殺者 24人 、
フランステレコムの事件が問いかけるもの」
「マイナビニュース 2009.10.7
「9月11日 、 32歳の 女性が「私で 自殺者は 23人 目」とメッセージを残
してパリ市内にある同社オフィスから飛び降りて命を絶つ。それから 3週間も し
ないうちに、今度は 51歳の 男性が自らの身を投げた。遺書と思われる家族宛の
メッセージには、「職場でのプレッシャーが苦痛」と残されていたという。」
「1年半で自殺者 24人 、」
◆ 記事 「フランステレコム、24人目の自殺者
ストライキやCEO辞任要求も」
AFP 2009.9.30 発信地:パリ/フランス
「従業員の自殺が相次いでいる仏通信最大手のフランステレコム(France Telecom)
で08年2月以降24人目の自殺者が出た。こうした事態を受け、同社の労働環境
についての調査を求める声が高まっているほか、29日には同社のディディエ・ロ
ンバール(Didier Lombard)最高経営責任者(CEO)の退任を求める声もあがっ
た。」
「フランステレコム、24人目の自殺者 ストライキやCEO辞任要求も」
◆ 記事 「フランステレコムの従業員が次々自殺、23人に」
AFP 2009.9.19 発信地:パリ/フランス
「フランス通信最大手のフランステレコム(France Telecom)で、従業員の自殺が
相次いでおり、08年2月以降の自殺者の数は23人に上っている。同社も、従業
員の間に「悪の連鎖」が起きていると認めており、大きな騒動に発展している。」
「フランステレコム従業員が次々自殺、23人に」
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◆ 「海外主要国のハラスメントを取り巻く事情」
HIPSTERGATE 19.09.27
「スウェーデンでは、1993年に雇用環境法体系の中で、「職場における虐待に
対する措置に関する政令」として、世界で初めて職場いじめの予防を法制化しまし
た。
職場いじめは、被用者に対して行われる直接的で繰り返し行われる非難されるべ
き、明らかな敵対的行為と定義されます。いじめ予防の責務は使用者にあるとも定
められており、現在は労使間においてハラスメント行為が禁止されています。
「海外主要国のハラスメント 」
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◆ 「『長時間労働がない』 ドイツと日本の致命的な差」
在独ジャーナリスト 熊谷徹 東洋経済 19.5.7
「事業所監督局は、とくに悪質なケースについて、経営者を検察庁に刑事告発する
こともある。例えば企業経営者が一度長時間労働について摘発された後も、同じ違
反を何度も繰り返したり、社員の健康や安全に危険を及ぼすような長時間労働を強
制したりした場合である。
裁判所から有罪判決を受けた場合、企業経営者は最長1年間の禁錮刑に処せられ
る可能性がある。長時間労働を社員に強いるブラック企業の経営者には、罰金ばか
りでなく刑務所も待っているのだ。つまり、労働時間の規制を守らない経営者は、
「前科者」になるリスクを抱えている。
企業の中には、罰金を科された場合、長時間労働をさせていた部長、課長など管
理職にポケットマネーで罰金を払わせることがある。さらに長時間労働を部下に強
いていた管理職の社内の勤務評定は非常に悪くなる。このため、ドイツの管理職た
ちは繁忙期でも社員たちに対し口を酸っぱくして、1日10時間を超えて働かない
ように命じるのだ。
「『長時間労働がない』 ドイツと日本の致命的な差」
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◆ 「大手自動車メーカーでの過労を原因とする
死亡に関する調査結果」
JILP 国際労働トピックス 17.12.
「業績好調の陰で、日刊紙ル・パリジャンと労働組合CGTが共同で行った調査結
果によると、ルノーのフランス国内の4事業所において、2013年以降、過労が
要因と考えられる自殺者や自殺未遂者が10人以上いたことが判明した(注2)。
最近では、フランス北西部ノルマンディー地方の工場で、17年4月に製造現場
の労働者が工場内で首つり自殺を図った事例がある。同社では経営合理化を目的と
する競争力強化プランが2013年から実施されており、労働条件が悪化したこと
が今回の従業員自殺に影響しているとの指摘もある。
「大手自動車メーカーでの過労を原因とする死亡に関する調査結果」
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◆ 「長時間労働で『管理職に罰金刑』 ドイツの実際」
在独ジャーナリスト 熊谷徹 東洋経済 17.10.15
「日本で働き方改革を実現するための第一歩は、「労働契約書」の締結を義務付け
ることだ。
ドイツでは企業で雇用されるすべての労働者が、労働契約書(Arbeitsvertrag)
を締結する。両者が労働契約書に署名することで、初めて雇用関係が成立すること
は、ドイツ人にとっての常識である。
ドイツの労働契約書は原則的に無期限で、退職するまで更新する必要がない。
労働契約書には、社員の業務内容、義務、権利、禁止事項、給与、所定労働時間、
残業時間の取り扱い、有給休暇日数、会社を辞める際の事前通告の日数などが、こ
と細かく明記される。
企業側が契約書の内容に違反した場合、社員が労働組合に訴えやすいし、話がこ
じれた場合でも、労働裁判所で契約違反を証明しやすい。弱い立場の労働者にとっ
ては重要な書類なのである。
「日本では労働契約書を交わす習慣がない」とドイツ人に教えると皆ビックリす
る。
「労働契約書がなかったら、企業は社員に対して要求をどんどん増やすことがで
きるじゃないか。それでは過大な要求に歯止めをかけることができない」と言うの
だ。
「長時間労働で『管理職に罰金刑』 ドイツの実際」
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◆ TVニュース「うつ病患者は推計3億2200万人、WHO発表」
TBS(JNN)17.2.24
「WHOが23日に発表した報告書によりますと、世界でうつ病に苦しむ人は20
15年に推計で3億2200万人に上り、2005年からおよそ18パーセント増
加しました。これは世界の全人口の4パーセントにあたり、WHOは、うつ病が世
界的に一般的な精神疾患になりつつあると指摘しています。地域別には、アジア・
太平洋地域で全体のおよそ48パーセントを占め、日本にはおよそ506万人いる
と推計しています。
また、うつ病は、男性より1.5倍、女性に多く見られ、年齢別では55歳から
74歳の発症率が高いほか、15歳未満の子どもの発症も見られるということです。
「うつ病患者は推計3億2200万人、WHO発表」
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◆ メールや電話を受けたくない 仏で始まった「つながらない権利」
福田直子(ジャーナリスト) 週刊エコノミスト 17.2.14
「フランスで2017年1月、仕事時間以外に電子メールや電話の使用を従業員が拒
否できる『つながらない権利』を定めた改正労働法が施行された。
対象となるのは従業員50人以上の企業。『つながらない』のは勤務時間外の夜間や
休日が想定される。企業はつながらない権利について従業員と交渉して細かな運用規
定を定める義務を負うが、企業の違反に対する罰則規定はない。
……
バーンアウト症候群の原因は過重労働のみに限らない。社内外からの厳しい要求、
過大なストレスなどがきっかけになることもある。こうした幅広い意味でのバーンア
ウト症候群の対策として、エルコムリ労働相は労働法改正案を起草するに当たり、オ
レンジ社(旧フランス・テレコム)の人事部に助言を求めた。
旧フランス・テレコムは、08年から09年の間に、全国で従業員30人が自殺し
て大スキャンダルになった。
フランス・テレコムは、もともと郵政省の一部で、国営企業だった。それが改革、
民営化の波を受け、1988年に完全民営化した。そして06年、会社幹部は『全国1
1万人の従業員のうち、2万2000人に3年以内に辞めてもらい、新たに7000
人のIT技術にたけた若い従業員を雇用するプラン』を打ち出した。
雇用が厳しく守られている労働法下にあって、従業員を簡単に解雇することはでき
ない。そこで、ありとあらゆる手法の「モラルハラスメント」が行われた。」
「メールや電話を受けたくない 仏で始まった『つながらない権利』」
≪活動報告≫18.6.8
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◆ 新聞記事「似ている? 似ていない? 日本人とドイツ人」
「The Asahi Sinnbunn GLOBE」 16年11月6日
「『バーンアウト』という言葉をここ数年、独メディアで聞かない日はない。働き過
ぎなどによるストレスが原因でうつ病などを患う症状で、約1300万人が診断され、
働く人の5人に1人が経験したとの調査結果(2011年)もある。今や、ドイツの
『国民病』だ。サッカーW杯予選で活躍したゴールキーパーがうつ病を患って09年
に自殺したのをきっかけに、心理カウンセリングを受ける人が急増。カウンセラー不
足で、初心に平均80日待たされるという。
働き過ぎといえば、『Karoushi』という日本語も世界に知れ渡る。日本の過労死・
過労自殺(未遂も含む)をあわせた労災認定件数は200件前後で高止まりだ。
でも確か、日独比較本の多くに『ドイツ労働者は長期の休暇をとり、残業もほとん
どしない。日本も効率的な働き方を見習うべきだ』――なんて書いてあったっけど?
『労働制度上はそうだが、実態は変わって来た。就業時間内に仕事が終わらず、家
に持ち帰る人は少なくない』。ドイツ連邦心理カウンセラー協会(会員約4万人)の
会長ディートリヒ・ムンツ(65)は、こう指摘する。『休暇が多い分、企業から短
期間に高い効率性を求められる。プレッシャーは相当なものだ』
独旅行サイトが今年1月、3025人にアンケートしたところ、45%が『休暇中
も仕事をする』と答えた。
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◆ 新聞記事「働く 働き方改革、ドイツに学ぶべき点はここだ」
在独ジャーナリスト 熊谷徹 読売オンライン 16.10.11
「ドイツでは、1日10時間を超える労働は法律で禁止されている。労働条件を監視
する役所が時折、労働時間の抜き打ち検査を行い、1日10時間を超える労働を組織
的に行わせていた企業に対しては、最高1万5000ユーロ(約172万5000円)
の罰金を科す。企業は罰金を科された場合、長時間労働を行わせていた課の管理職に
ポケットマネーから罰金を払わせる。このため、管理職は繁忙期でも社員が10時間
を超えて仕事をしないよう、細心の注意を行う。
ドイツ企業では、『短い時間内で大きな成果を上げる』社員が最も評価される。成
果が出ないのに残業をする社員は、全く評価されない。
このためドイツでは、長時間労働による自殺や過労死、鬱病は日本ほど大きな社会
問題になっていない。」
「働く 働き方改革、ドイツに学ぶべき点はここだ」
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◆ 過労死防止学会 国際シンポジウム報告
フランスの週35時間制をめぐって ――時短は進んだが
労働強度の増大と作業再編によって高まるストレス――
セバスチャン・ルシュバリエ (フランス)国立社会科学高等研究院教授
「フランスの労働にはふたつの次元、側面があります。ひとつはマクロ経済のレベル
で見ると、仕事から排除していく、除外していくというモデルになっているんです。
これは更に見ていくと、若い人はなかなか仕事が見つけられないというところで労働
から除外されていく、排除されていく。そして50歳を過ぎた人は、解雇されて会社
から追い出されるという形で、そういった形で、若い人と50歳以上の人の双方が排
除されていくという、排除モデルになってしまっているんですね。
今日はむしろ、ふたつめの次元であるミクロレベルに話を集中させたいと思ってお
ります。逆説的なことなんですけれども、労働時間が減少するにつれて、逆に労働の
密度・強度が上がっていく。さらに企業が再編されて、労働が再編されていくという
ところに実は問題があります。」
「フランスの週35時間制をめぐって」
|
◆ 「欧州は職場環境の改善、アメリカは個人への対策に注力
海外の『職場のメンタルヘルス対策』事情」
大塚泰正 筑波大学人間系(心理学域)准教授 「アデコ」 16.
「欧州では1989年、『EUの労働安全衛生の改善を促進するための施策の導入に
関する指令』の中に職場のメンタルヘルスへの対応が含まれた。これを機に、EU各
国での労使間の対話を経て、職場ストレスのリスクマネジメント方法の統一したガイ
ドラインが示された国での労使間(PRIMA‐EF)。EU各国によって、その運
用方法は異なっているが、イギリスおよび、デンマークをはじめとする北欧諸国では、
『ストレスリスクを取り除くための職場改善活動』を行うことが法律で義務とされて
いる。
特にデンマークでは従業員1人以上のすべての企業に適用され、徹底して行われて
いる。『その内容は、職場の安全面でのリスクアセスメントをメンタルヘルスに適用
し、うつ症状や欠勤を未然に予防するものです。具体的には、メンタルヘルスを阻害
する職場の心理・社会的リスク要因を、実地観察やアンケートで洗い出します。次に
メンタルを悪化させる点があったら、改善する行動計画を立て、実行します。さらに、
その結果を評価して、改善を繰り返すというPDCA(計画→実行→点検→見直しの
サイクル)を回すのです。』」
「海外の『職場のメンタルヘルス対策』事情」
|
◆ 新聞記事「メンタルヘルス 職場のうつを考える」
「The Asahi Shimbun GLOBE」 2015年2月1日号 朝日新聞社
1面に大きく「1 / 5世界」そして『心の病』と診断される人が増えている。本
人が苦しむのはもちろん、経済への影響も心配されている。職場で家庭で、『心の病』
にどう向き合っていけばいいのか。」とあります。その説明です。「世界の5人に1
人が心の不調を抱えている OECDは2012年、世界の15~64歳のうち、症
状の重い心の病を抱えている人が5%、軽い心の不調を抱えている人が15%いると
推定した。合わせると、5人に1人が心の不調を抱えていることになる。」
2面に大きく「1 / 3」とあります。その説明です。「うつ病と診断された時に
勤め先に伝えるという人は、3人に1人『うつ病と診断された場合、そのことを勤め
先に言うか』との質問に対し、『言う』が34%、『言わない』が28%、『分らな
い』が37%だった。欧州うつ協会が2012年、英国、フランス、ドイツなど欧州
7か国で16~64歳の7065人を対象に調べた。」
≪活動報告≫15.2.6
|
◆ 第9回 国際職場のいじめ学会報告報告集会
「各国の経験を職場・労組でどう活かしていくか」
ヨーロッパでは職場のいじめ問題に共通の認識を持ってそれぞれ取り組んでいます。
そして研究者や実務家が中心になって2年に1回国際職場のいじめ学会を開催してい
ます。学会では「法」、「差別」、「介入」、「健康」などさまざまな視点から報告
や問題提起、意見交換が行われます。
第9回の学会は、2014年6月17日から20日にイタリア・ミラノで開催され
ました。
日本からは、(独)労働政策研究・研修機構の内藤忍副主任研究員と長沼裕介アシ
スタント・フェローの2人が参加しました。
8月9日、いじめ メンタルヘルス労働者支援センターは、2人から、今回の学会
の様子や各国の取り組みを、今後日本でどのように活かしていくことができるのかな
どについて報告してもらいました。
「各国の経験を職場・労組でどう活用していくか」内藤忍副主任研究員
「各国の経験を職場・労組でどう活用していくか」長沼裕介アシスタント・フェロー
資料
≪活動報告≫14.9.2
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◆ 報道 スイス 「燃え尽き症候群 管理職のストレス
内面と職場がカギ」
ジーニ・ヴルツ swissinfo.ch 2013-12-10
「スイスでは今年、有名企業の重役2人が相次いで自殺したことを受け、管理職のス
トレスが大きな話題になった。近年ストレスに悩む重役幹部が急増しているため、そ
の予防と対応は一大ビジネスに発展している。」
「燃え尽き症候群 管理職のストレス 内面と職場がカギ」
|
◆ 記事 「英ロンドンでメリルリンチの学生インターン死亡、
過労死か」
AFP 13.8.26 発信地:ロンドン/英国
「【8月26日 AFP】米金融大手バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(Bank
ofAmerica Merrill Lynch)は23日、長時間の勤務が続いたとされる同社の英ロン
ドン(London)支店のインターンが死亡したことを受け、社内労働環境の見直しに着
手したと発表した。」
「英ロンドンでメリルリンチの学生インターン死亡、過労死か」
|
◆ オーストリア 「オーストリア経済研究所実施した
『業務関連ストレスの危険に関する研究』 についての報告」
《中災防》 海外事情・国際協力 から 2013.3.29
「当然のことながら、研究結果は時間的圧迫と過重なストレスがオーストリアの労働
者に及ぼす最も重要な業務関連心理社会的要因であることを示し、回答者の30.2
%が面接時にこのことに悩んでいると報告している。これに対して職場内のいじめと
暴力は、それぞれ3.5%と1.3%であった。
『業務関連ストレスの危険に関する研究』
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◆ ドイツ 「ドイツにおける『業務関連メンタルストレスに
関する研究と政策論議』」
《中災防》 海外事情・国際協力 から 2013.3.29
「総体的にみて伝統的変形労働は、フレックスタイムの欠如、労働時間の決定につい
ての発言力の少なさ、仕事を家に持って帰ること及び余暇時間中の電話またはメール
による連絡などの精神的歪みの原因と見られる。
『業務関連ストレスの危険に関する研究と政策論議』
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◆ 特集 いじめ・嫌がらせの実態と課題――欧州諸国と日本の対応
労働政策フォーラム
「欧州諸国における職場のいじめ・嫌がらせの現状と取り組み」
から各国報告
・イギリスにおける職場のいじめ
へルゲ・ホーエル マンチェスター大学ビジネススクール教授
・フランス法におけるモラルハラスメント
ロイック・ルルージュ ボルドー第4大学比較労働法・社会保障研究所研究員
・スウェーデンにおける職場のいじめ・嫌がらせーいじめに
立ち向かう結束
マルガレータ・ストランドマーク カールスタッド大学教授
・職場のいじめ・嫌がらせ-ドイツの現状
マルティン・ヴォルメラート 弁護士
・日本における職場のいじめ・嫌がらせ、
パワーハラスメントの現状と取り組み
労働政策研修・研究機構研究員 内藤 忍
『欧州諸国における職場のいじめ・嫌がらせの現状と取り組み』
『Business Labor Trend』 2013年6月号 労働政策研修・研究機構 発行
≪活動報告≫ 13.7.30
≪活動報告≫ 13.3.15
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◆ 特集 職場いじめ規制のあり方
・「ベルギーにおける 『職場いじめ』 規制法
大和田 敢太 滋賀大学教授
「2007年1月10日法(2007年6月16日施行)が制定されたが、従来の
『労働の福祉』や『労働環境リスク』理念を基礎に、『心理・社会的』的アプローチ
がより重視されてくる。2002年法改正による2007年法制定では、以下の事項
が課題となった。
① 制裁よりも、防止や予防に重点を置く。
② 当時者の義務を、労働者福祉のための使用者の政策と適合させる。
③ 企業外部の手続きよりも企業内部の手続きに優先権を与える。
④ 専門員の立場を強化する。
⑤ 解雇からの保護の限界を明らかにする。
⑥ 第三者がハラスメント的行動に巻き込まれた場合のより適切な規制を策定す
る。
……使用者は、暴力やハラスメントといった行動だけでなく、ストレスや紛争
など心理・社会的負荷をもたらす状況に対しても同様に注意を払わなければならない
とされている。
ここでは、労働におけるハラスメントの内部的な管理方法を優先させており、この
管理方法が効果を発揮すれば、ハラスメント事案は裁判所まで辿り着かないものと想
定しているのである。」
≪活動報告≫ 12.11.13
・「予防に重点を置く、スウェーデンの職場いじめに対する法制度
-雇用環境規制AFS1993:17を中心として-
西 和江 中央大学大学院博士後期課程
『季刊労働法』2012秋号
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◆ 論文「フランス陸軍の国外活動におけるメンタルヘルスケア」
『陸戦研究』23年5月号
フランス陸軍の国外派遣兵士に対する帰国後のメンタルヘルスケアの実例と、ケア
を必要と捉えるに至った経緯について触れています。
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◆ 連載記事 『朝日新聞』 「欧州の安心 心を癒す」
上・イギリス「心の病は国の損失」(2009年11月17日)
イギリス
中・オランダ「早期復職 制度で促す」(2009年11月18日)
オランダ
下・デンマーク「全職場 格付けし公表」(2009年11月19日)
デンマーク
記者の視点
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◆ 論文 「欧州におけるメンタルヘルス対策と取り組み」
―PRIMA-EFプログラムの成果の概要―
損保ジャパン主任研究員・矢倉尚典 研究員・川端勇樹
『損保ジャパン総研クウォータリー』Vol.53 09.10.
「心理社会的リスク、職業性ストレス、暴力、ハラスメントおよびいじめは、欧州で
も労働安全衛生における主要な課題であると広く認識されている。ストレスは職業性
の健康問題として2番目に多いと報告されており、従業員のおよそ28%がその影響
を受けているとされの健康問題とる。
2004年以前のEU加盟15カ国(以下、「EU-15」とする。)において職業
性ストレスに起因して発生する年間の経済的コストは200億ユーロと推計されてい
る。ちなみに、職業性ストレスおよびそれに関連するメンタル面の健康問題に起因す
るコストはEU-15平均でGNPの3%から4%との推計がある。
2007年に実施された第4回欧州労働条件調査によると、過去12か月間に身体
的な暴力の脅威にさらされた経験のある人は労働人口の6%、他人からの暴力にあっ
た経験のある人は4%、職場でいじめやハラスメントに受けた経験のある人が5%と
報告されている。心理社会的リスクは経済的なコストの問題や社会保障における問題
と関連するだけでなく、より広い観点でいえば、公衆衛生上の主要な課題ともなって
いる。
「欧州におけるメンタルヘルス対策と取り組み」
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◆ 『主要記事の要旨メンタル・ヘルスをめぐる米軍の現状と課題
―「戦闘ストレス障害」 の問題を中心に―』
鈴木 滋
『レファレンス』2009. 8)
『メンタル・ヘルスをめぐる米軍の現状と課題』
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◆ 海外労働事情 『ベルギーにおける労働でのいじめ
・ハラスメント禁止法(2007年1月10日法)』
大和田 敢太
(『労働旬報』2009. 5.上旬)
「2002年法の実施状況についての調査方法は、「労働における暴力、モラルハラスメン
トあるいはセクシャルハラスメントに関する2002年6月11日法」の立法化の成果を以
下のように指摘している。
① 長年無視されてきたこの問題へのタブー視を打破した。これまで、犠牲者による『個人
的な、主観的なかつ過剰な』ものと受け止められてきたが、客観的に検討され、取り扱わ
れるようになった。
② この問題の根本的原因は、主として組織上の欠陥やマスコミュニケーションの欠陥に求
められるようになり、個人の人格上の問題など個人的要因に帰せられることは少なくなっ
た。
③ 労働における社会的心理的負荷が増大していることが明らかになった。
④ リスク分析方法の策定とその活用の必要を明らかにした。」
こうした総括をふまえ、2002年法の抜本改正が行われた2007年1月10日法(2
007年6月16日施行)が制定された。」
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◆ 論文 「特 集 〈ハラスメント―現代型犯罪〉」
・影山任佐 :ハラスメント:現代の新型犯罪
―基本的観点と分類,刑罰化―
・水谷英夫 :職場のいじめ・パワハラと法規制
・御輿久美子 :大学におけるハラスメントの現状と問題点
・神馬幸一 :ハラスメントに関するドイツの議論状況
・矢野恵美 :ハラスメントと差別に関する規定の可能性
・小林寿一 :米国のストーキング被害―対策の課題を考える
『犯罪学雑誌』第75巻(6) 2009年
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◆ 『ケアと感情労働──異なる学知の交流から考える』
安部 彰・有馬 斉 編
『生存学研究センター報告書』[8」立命大学生存学研究センター刊 2009年3月
『ケアと感情労働──異なる学知の交流から考える』
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◆ インターネット 「アメリカのメンタルヘルス政策」
ストレスケア・ドットコム 代表コンサルタント 加藤貴之
Stresscare.Com 2008年11月
「アメリカのメンタルヘルス政策」
「ちなみに、不思議に思われる方がいるかもしれませんが、このメンタルヘルス・パリティ
法はリーマン・ショックをきっかけとした金融危機を受けて緊急成立した「金融安定化法」
の一部なのです。
この法律の成立によって、メンタルヘルス疾患を持つ多くの人が、体の疾患と同等の保険
を受けられるようになりました(施行日以降)。約1億1300万人の保険が改善されると
推測されています。
これまでは、通院回数、入院日数などの事実上の上限があったメンタルヘルス疾患の保険
が、体の病気と同等の保険となり、患者とその家族にとって希望の持てる状況が作り出され
たようです。
米国精神医学会をはじめ、この法律の成立を推進してきた人がみな歓迎する、まさに「歴
史的な法律」と言われています。
この法律成立の意義は、治療の際の経済的な面にとどまるものではありません。メンタル
ヘルスに対する偏見と差別を減らすことに、大統領・上院・下院が共同して国家として真剣
に取り組むことを示したという点で、とても大きな意義があると考えられています。」
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◆ 記事 「アメリカにもある 『職場のいじめ』
─働く人の4割が被害に─」
菊入 みゆき (米国在住モチ ベーション・コサルタト&コーチ)
『Media Sabor 』 08.8.29
「アメリカにもある『職場のいじめ』─働く人の4割が被害に─」
「職場のいじめ研究所(ワシントン州)が、昨年7,740人に対して行ったオンライン調
査では、回答者の37%がいじめに遭ったと答えている。加害者の72%が上司であり、女
性が標的になることが多い。別の調査でも、回答者1,000人のうち44%が、上司のい
じめに遭ったと答えた。働く人の4割前後が、実際に被害に遭ったことがあると考えてよさ
そうだ。」
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◆ 時評 「米国におけるメンタルヘルスの動向」
堀越 勝 筑波大学大学院人間総合科学研究科
『心と社会』No.131 2008
「米国の医療はフレクスナーの考える『疾病モデル』(特定の症状は(疾病)は特定の原因
(病原菌など)から発生し、介入法もまた特定されるとする、直線的な医学哲学)から、全
人的に人間をとらえて介入する『生物-精神-社会モデル』に移行しつつあるが、そのこと
は、米国のメンタルヘルスの現場にも大きな影響を与えている。結果的に、米国のメンタル
ヘルスの現場における『こころ』は以下の6つの領域を扱うことになったと考えられる。そ
れらは、(1)環境領域、(2)身体領域、(3)思考領域、(4)感情領域、(5)行動
領域、(6)関係領域である。これら6つの領域は密接に関係しあっており、分けて考える
ことは出来ないが、専門分野によってこのように分けると理解しやすい。」
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◆ 論文 「米国におけるメンタルヘルス分野の
ヘルスサポートの取り組み」
損保ジャパン主任研究員・矢倉尚典 他
(『損保ジャパン総研クウォータリー』 07.12.31)
「米国におけるメンタルヘルス分野のヘルスサポートの取り組み」
ブッシュ大統領は2002年4 月、大統領令第13263号(Executive Order 13263)を
発令した。この大統領命令はThe New Freedom Commission on Mental Health を設置し、
その委員会で、メンタルヘルス・サービス・システムの問題点やギャップの総合的な研究を
行い、公的および民間のケア提供業者のみならず連邦政府、州政府、地方公共団体が実施し
うる当面の改善策に関する具体的な提案を立案することを求めたものである。
委員会は、2005 年7 月、“ Transforming Mental Health Care in America. The
Federal Action Agenda: First Steps”と題する報告書を取りまとめ、公表した。
(1)大統領令で示された5 原則
大統領令では次の5 つの原則が示された。委員会はこの5 原則に従って検討を進め、行動
指針を取りまとめた。
①メンタルヘルスケアの成果を改善する
②地域社会レベルでの連携のとれたケア・モデルを促進する
③既存の資源を最大限活用し、規制上の障害を縮小する
④サービス提供に影響のあるメンタルヘルス分野の研究成果を活用する
⑤連邦、州、地域の各レベルでの革新性、柔軟性、説明責任を促進する
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◆ 特集 職場のハラスメントを考える
・論文 「職場のハラスメントに関する労働法上の課題」
山﨑文夫・平成国際大学教授
『労働旬報』 07.10下
「90年代以降の欧州でも、日本でいう職場いじめや嫌がらせにあたる行動が労使関係の病
理現象として注目されているが、この現象をとらえる言葉は、モビング(mobbing=群れを
なして襲う――アメリカ)、ブーリング (bullying=弱い者いじめをする――イギリス)、
ハラスメント(harassment=悩ますこと――イギリス)、モラル・ハラスメント
(harcèlement moral――フランス)などと各国において様々であり、各国の法的対応も同
じではない。」
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◆ 特集 いじめ・パワハラの処方箋
・イギリスにおける職場のいじめ対策の実情と課題
島根大学大学院教授・鈴木隆
・フランス法における 「精神的ハラスメント」 とは何か
-その概念理解について-
獨協大学教授・石井保雄
・職場におけるいじめ -ドイツ労働世界における深刻な問題
弁護士・マルティン・ボルメラート
(『季刊労働法』 07年秋号)
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◆ 記事 「アメリカの成人9.5%がうつ病(鬱)などの感情障害
――企業のメンタルヘス対策」
菊入 みゆき (米国在住モチ ベーション・コサルタト&コーチ)
『Media Sabor』07.7.31
「アメリカの成人9.5%がうつ病(鬱)などの感情障害」
「米メンタルヘルス協会が発表した試算では、アメリカ企業におけるうつ病(鬱病)に関わ
るコストは年間440億ドル。これは、直接的な医療費だけでなく、従業員の欠勤
─Absenteeism─、出勤してはいるが通常の成果を出せない状況─Presenteeism─による損
失も計算に入れた数字だ。
Presenteeismは、欠勤すると職を失うのではないかという恐れなどから無理に出勤し、あ
げく集中力を欠いたりして仕事にならない状況を指す。欠勤のようにはっきりと目に見えな
いが、例えば風邪による発熱、せき、鼻づまりの状態で勤務する自分を思い浮かべれば、そ
の生産性の低さは想像に難くない。」
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◆ 記事 「ルノーで従業員連続自殺『ゴーン改革』引き金か」
(『産経新聞』 07.3.6)
「ルノーで従業員連続自殺」
◆ 記事 「フランス自動車産業における
労働時間の弾力化
―80年代以降におけるルノー・フランエ場の事例――」
荒井壽夫
「フランス自動車産業における
労働時間の弾力化」
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◆ 論文 「労働関係における『精神的ハラスメント』の法理:
その比較法的検討」
大和田 敢太 滋賀大学教授
(『彦根論叢』 滋賀大学経済学部、第360号 2006年)
「労働関係における『精神的ハラスメント』の法理」
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◆ 特集 職場のメンタルヘルス対策 先進諸国の動向
・米国・職場暴力、欠勤、雇用不安が増加
「米国・職場暴力、欠勤、雇用不安が増加」
・EU・職業性ストレスに関する取り組み
「EU・職業性ストレスに関する取り組み」
「欧州委員会は、職業性ストレスを包括的に分析した「職業性ストレスに関する手引き」を
1999年に発表した。手引きは、職業性ストレスの原因、症状、影響などに関する全般的
な情報を盛り込み、職業性ストレスの特定に関する一般的なアドバイスを掲載している。国
あるいは企業レベルのソーシャルパートナーの実際的な行動枠組みを提案し、治療よりも予
防に重点を置いている。」
・フランス・「モラルハラスメント」規制を法制化
「フランス・『モラルハラスメント』規制を法制化」
・ドイツ・「労働とストレス」―長時間労働による影響を論議
「ドイツ・『労働とストレス』―長時間労働による影響を論議」
・英国・1年の労働損失日数は1300万日
「英国・1年の労働損失日数は1300万日」
(『Business Labor Trend』2005.12号 労働政策研 修研究機構)
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◆ 新聞記事 「48時間制の適用除外 政府の労働政策を批判
英労組が小冊子 心臓病、ストレス… 残業手当不払い6割」
(『 新聞』05. )
「48時間制の適用除外」
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◆ 報告 「アメリカこそ過労死大国だ」
ジャーナリスト・マシュー・リース
(『論座』03.9)
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◆ 「約束を達成するために
アメリカにおけるメンタルヘルスケアの変革」
メンタルヘルスに関するプレジデント・ニュー・フリーダム委員会
(訳)公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 情報センター
「約束を達成するために」
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◆ 判例解説 「職場における労働者のストレスに対する使用者責任
(イギリス)」
(『労働判例』 02.11.15)
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◆ 「メンタルへヘルス対策に関する研究」
-対策事例・欧米の状況・文献レビュー・調査結果-
『調査研究報告書No.144』2001.9 日本労働研究機構
ドイツにおける法規制
健康維持に関する法的枠組みは、2つの要素から構成されている。即ち、商工団体(同業
者組合)と州法に定められた労災防止制度である。
商工団体は、産業部門別に組織されており、ドイツにおける法定労働災害に関する労災保
険と労災防止を行う独立した機関である。労働事故および作業関連疾患の被保険者である従
業員と共に企業にもこれらの機関への加入が義務づけられている。商工団体の責務は、労働
事故、職業病、およびその他の作業関連疾患や就業不能を防止することである。拘束力のあ
る事故防止法(Unfallverhuetungsvorshriften)、および、労働現場の監査に基づくこれら
の法執行により、この責務を果たすことが可能になる。
州の法定労災防止制度には幾つかの法律、条例、および技術的規制(例えば、職場におけ
る大気汚染規制、ビデオディスプレイ装置に関する労働者のための規制等)が含まれる。健
康維持に関する最も重要な法律は、1996年に施行された労働者保護法
(Arbeitsschutzgesetz)である(1997年改正)。この法律はECがその全加盟国のた
めに公布した指針を実施するためのものである。労働者保護法は、安全と健康に対して雇用
者と従業員双方の連帯責任を負うこと、および科学的背景と客観的調査に基づく包括的な取
り組みを行うことを重視している。
「メンタルへヘルス対策に関する研究」
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◆ 『職場環境とストレス』
WHO
「仕事に関するストレスとは、知識や能力に見合わない不適切は仕事の要求や圧力、また対
処するのに能力を強く要求される困難な仕事内容から引き起こされる労働者の反応です。ス
トレスは職場環境のありとあらゆることから発生しますが、労働者が上司や同僚からあまり
支持や協力を得られていないと感じる時、そして仕事に対してあまり権限がない時、または
その要求や圧力に対処する方法を自ら見出せない時などに、ストレスを受けた個人の状況は
より険悪なものとなります。
圧力あるいは挑戦とストレスはたびたび混同され、時に不適切な経営管理の弁解に用いら
れることがあります。
職場の圧力とは、現在の職場環境から要求される職務内容などで避けがたいものです。利
用可能な資質や個人的な能力などにより、受容できると認識された圧力は、労働者の敏活さ
やモチベーションを保ち、働くことや学ぶことを可能にし、労働者の能力開発につながりま
す。しかしながら、その圧力が過度な場合、またはそうでなくとも手に余るようになると、
それはストレスへと繋がります。ストレスは労働者の健康や仕事の効率を損ねます。
ストレスとは、職場における個人に対する要求や圧力と、彼らの知識や能力との誤った不
適切な組み合わせが原因です。仕事に対処するために、彼らは能力を強く要求されます。こ
れは仕事の圧力が労働者の能力を上回っている状況だけでなく、労働者の知識や能力が十分
に役立っていない状況も含み、それは彼らにとって困難な問題となるのです。」
『職場環境とストレス』
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◆ 論文 「フランスのセクハラ法」
山崎 文夫
(『比較法制研究』 国士館大学比較法制研究所、17号 1994年)
しかしながら,労働法典L122-47条は,加害者は懲戒処分を科されるものとすると規
定しており,L122-48条は,使用者がセクハラを予防するために必要なすべての準備を
行う義務を負うとし,さらに,L122-34条により,使用者は,就業規則にL、122-4
6条及びL122-47条の内容を記載しなければならないとする。これらの規定は,労働法
典中において懲戒事由を具体的に規定し,加害者に対する懲戒権行使を促したという点にお
いては革新的なものであるが,これらの規定は,L、123-7条によるL123-1条の職
場などでの掲示とともに「性的な権限濫用は,今後は犯罪である」ということを集団的心性
のなかに浸透させることに本質的目的があり,必ずしも使用者に懲戒権行使を義務付けるも
のではなし、と解されている。
『フランスのセクハラ法』
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◆論文 『スウェーデンにおける職場ストレスの研究と公的政策』
法政大学教授・嶺学
(『大原社会問題研究所雑誌』 1991.12号)
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