いじめ・メンタルヘルス労働者支援センター(IMC)

 労 働 安 全 衛 生


        「社員の病は会社の病 会社の病は社会の病」
 労働安全衛生とは
 安全衛生 法律・通達
 職 場 復 帰 支 援
 自 殺 防 止 対 策
 海外の メンタル
    ヘルス・ケア
 関 連 資 料 等






   『労働衛生の3管理』は順序が大切

   2003年1月27日号『日経ビジネス』は『社員の病は会社
  の病』の見出しで特集を組みました。このコピーは的を得ていま
  す。しかし主治医や会社の産業医・保健スタッフだけでは「会社
  の病」まで治療できません。
   そしてもっと掘り下げると『会社の病は社会の病』です。会社
  や政府、そして労働組合はもっと真剣に取組む必要があります。

   荒井千暁医師は、著書『職場はなぜ壊れるのか-産業医が見た
  人間関係の病理-』(ちくま新書)で「労働衛生の3管理」を取
  り上げています。
  「労働者が健康を害さないよう措置を取る『労働衛生の3管理』
  とは何か。『作業環境管理、作業管理、健康管理』で、これにつ
  いては順序が大切です・・
   労働組合はこのことをもう一度自覚する必要があります。『作
  業環境管理、作業管理』を抜きにして『健康管理』はありえませ
  ん。」


   ゆったり働こうキャンペーン



    「メンタルヘルス対策は一次予防が重要」

     「予防医学」には一次予防、二次予防、三次予防
    があります。予防医学は、病気を予防するだけでな
    く、疾病予防、障害予防、寿命の延長、身体的・精
    神的健康の増進を目的としています。
     一次予防は、生活習慣の改善、生活環境の改善、
    健康教育による健康増進を図り、予防接種による
    疾病の発生予防、事故防止による傷害の発生を予防
    することをいいます。
     二次予防は、発生した疾病や障害を検診などによ
    り早期に発見し、早期に治療や保健指導などの対策
    を行ない、疾病や傷害の重症化を予防することをい
    います。
     三次予防は、治療の過程において保健指導やリハ
    ビリテーション等による機能回復を図るなど、社会
    復帰を支援し、再発を予防することをいいます。

     メンタルヘルス対策は一次予防が重視される必要
    があります。未然防止は、具体的には長時間労働の
    禁止、過重労働の禁止、ストレス発生原因の解消な
    どです。



     「ハインリッヒの法則」

    アメリカの技士のハインリッヒは、労働災害の統計
   を分析した結果から法則を導き出しました。
   「1件の重大災害(死亡や重症)が発生した場合、そ
   の背景には29件の軽症事故とともに300件のヒヤ
   リ・ハットがある。1人の求職者や自殺者がでる環境
   には、そうなっていた可能性をもつ例が29人おり、
   精神をゆさぶられている予備軍が300人いるという
   ことになる。」
     「1対29対300の法則」 とも呼びます。




  ◇「参加型の職場環境改善」の
     「職場ドック」とは

   労働科学研究所の機関誌『労働の科学』20
  14年10月号は「『職場ドック』のちから
  ――新しいメンタルヘルス改善のプログラム」
  を特集しました。
   職業性ストレスに関連する多領域の要因につ
  いて、職場環境や働き方の改善手法を産業保健
  スタッフ目線のアプローチで容易化したもので
  す。計画(Plan)から実施(Do)、見直し
  (Check)、継続改善的方針の確認(Act)まで
  のPDCAステップを職場に合わせて展開でき
  るようわかりやすく、実施しやすく開発されま
  した。

   最初に取り組んだ高知県庁の報告です。
   これまでの取り組みは、個人へのアプローチ
  が中心でした。メンタルヘルス不調の要因とし
  ては、働き方や職場環境が原因と考えられたり、
  その悪化要因に関連しているケースもあります
  が、対策が難しいのが現状であり、今後は組織
  へのアプローチが必要ではないかと考えました。
  そしてストレスが少ない働きやすい職場づくり
  を目指し、職場のメンタルヘルス対策としての
  職員参加型の職場環境改善事業に取り組むこと
  にしました。実施の成果として、長期病休者数
  も若干ですが、横ばいから減少傾向にあるとい
  います。
   取り組みやすい6つの項目を盛り込んだ「メ
  ンタルヘルス アクションチェックリスト」を
  作成しました。
   A.ミーティング・情報の共有化(業務量の
    配分なども含む)
   B.on(仕事)・off(休み)のバランス
    (ノー残業デーなどの目標、休日・休憩時
    間の確保など)
   C.仕事のしやすさ(レイアウトや動線の改
    善、書類等の保管方法、ミスや事故の防止)
   D.執務内環境の整備(空調環境・視環境・
    音環境、受動喫煙の防止、休養設備、緊急
    時対応)
   E.職場内の相互支援(相談しやすさ、チー
    ムワークづくり、職場間の相互支援)
   F.安心できる職場の仕組み(セルフケアの
    推進、スキルアップの研修、相談窓口、職
    場の設備や環境の整備)
   「チェックリスト」と合わせて、個人用ワー
  クシート、グループ討論用ワークシート、改善
  事例シートが作成されていて、これらを用いて
  職場ごとにグループ討論し、改善計画をたて、
  それぞれ環境の改善に取り組みます。
   ここで配慮したのは、まず自分たちの職場の
  良い点を職場で共有することで、次に改善点を
  「働きにくさはどこにあるか」「どこを改善す
  れば働きやすくなるか」「そのために自分達で
  どんなことができるのか」といった視点で話し
  合い、できることから、特に簡単で手軽にでき
  ることから楽しみながら取り組んでいくという
  ことです。
   取り組みを進めるためのマニュアル「職場ド
  ックを成功させるための6か条」です。
   ・職員の集め方、場の持ち方はその職場にあ
    った方法で(チーム会やチーフ会)
   ・リーダーを決めると良い
   ・管理職はオブザーバー的存在で温かく見守
    って
   ・簡単に、手軽にできるところから始める
   ・楽しみながらやるとアイディアも出やすい
   ・やる前からあきらめは禁物

   参加型職場環境改善に取り組んだ事業場への
  インタビューでは様々な変化が確認されたとい
  います。
   労働者の変化としては、労働者は、当事者と
  して参加することで、安全や健康に対する意識
  の向上や参加型アプローチに対する肯定的な理
  解、自主的に行動する力の獲得という意識や行
  動レベルでの変化が生じました。
   推進者は、安全や健康の基本的な知識を得た
  り、意識が向上するといった変化よりも、職場
  のリスクを常日頃から把握し、適切な対策をと
  ることの重要性への気づきといった意識・行動
  面の変化が生じました。
   職場組織全体の変化としては、職場全体の雰
  囲気の肯定的な変化、相互理解とコミュニケー
  ションの促進、職場全体の一体感と結束力の強
  化、職場全体への取り組みの浸透と拡大がみら
  れました。
  『活動報告』15.10.2



 ☆ 労働者の健康を守るために
    過重労働による健康障害防止対策
   厚労省 中央労働災害防止対策
   「メンタルヘルス不調にどう対応すべきか」


 ☆ 精神保健委員会(プロジェクト)答申
   日本医師会からの諮問に対する精神保健委員会の答申
   平成26年3月
   「目 次
   1.子どものメンタルヘルス対策のあり方
    3)教師のメンタルヘルス
     ②教師の病気に伴う休職・退職
   2.働き盛り世代へのメンタルヘルス対策のあり方
    1)職場におけるメンタルヘルスの現状
     ①職場における長期休業者の実態
    2)職場のメンタルヘルス工場のためのポイント
     ④復職支援に関して
   「精神保健委員会(プロジェクト)答申」


 ☆ 「平成23年 労働安全衛生特別調査
    (労働災害防止対策等重点調査)」(新設)の概況
   厚労省  平成24年10月25日
   「2 長時間労働者への医師による面接指導等に関する事項
    (1)時間外・休日労働の状況
     過去1か月間(平成23年10月1日から同年10月31日までの期間。以下同じ。)
    における時間外・休日労働(※4)(複数回答)について、「1か月あたり100時間
    を超える労働者がいた」事業所の割合は7.6%[22年調査6.0%]、「1か月あた
    り80時間を超え、100時間以下の労働者がいた」事業所の割合は9.8%[同調査
    10.0%]、「1か月あたり45時間を超え、80時間以下の労働者がいた」事業所
    の割合は28.4%[同調査28.2%]となっている(第6表)。 ………
   3 メンタルヘルスケアに関する事項
    (1)メンタルヘルス不調により休業・退職した労働者の状況
     過去1年間(平成22年11月1日から平成23年10月31日までの期間。以下同
    じ。)にメンタルヘルス不調により連続1か月以上休業又は退職した労働者がいる事業
    所の割合は9.0%[22年調査7.3%]となっている。そのうち、職場復帰した労働
    者がいる事業所の割合は53.8%となっている。…
    (5)職場復帰支援の内容
     メンタルヘルスケアに取り組んでいる事業所について、職場復帰支援(複数回答)の
    内容をみると、「職場配置、人事異動」が51.4%と最も多く、次いで「短時間勤務」
    (37.4%)、「治療上必要な時間の確保」(36.5%)となっている。」
    「平成23年 労働安全衛生特別調査」


 ☆ 外国人労働者のメンタルヘルスと心理援助の現状と展望
   臨床心理学コース 李健實
   東京大学大学院教育研究科紀要 第52巻 2012
   「外国人労働者にとっては、日本の職場が異なる文化を持つ集団であることを考えると、
   労働環境や仕事を理解する際にも、異文化による誤解や仕事を理解する際にも、異文化
   による誤解や不理解による困難が生じることが考えられる。……
    まず、労働環境として、労働時間、仕事の内容、母国での経歴・学歴と日本における
   仕事とのギャップなどが挙げられる。
   「外国人労働者のメンタルヘルスと心理援助の現状と展望」


 ☆ 特集 特集―職場のメンタルヘルス対策
   「メンタルヘルス不調にどう対応すべきか」
    産業医や企業の先進的な取り組み事例
     業務遂行レベルに着目した対応
   岡山大学大学院・高尾総司医師
   Business Labor Trend 2011.7
   「メンタルヘルス不調にどう対応すべきか」


 ☆ 特集 健康と労働
   ・健康と労働
     編集委員会
   ・健康状態と労働生産性
     湯田 道生 (中京大学経済学部准教授)
   ・安全(健康)配慮義務の今日的課題
     和田 肇 (名古屋大学大学院法学研究科教授)
   ・健康上の問題を抱える労働者への配慮
     長谷川 珠子 (独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構
             障害者職業総合センター 研究員)
   ・職場復帰をいかに支えるか
     有馬 秀晃(品川駅前メンタルクリニック院長)
   『日本労働研究雑誌』 2010年8月号
   日本労働研究雑誌


 ☆ 特集 ― 働き方をめぐる新たな課題
   ・職場のメンタルヘルスをめぐる最近の課題
     メンタルヘルスケア・ジャパン 2010
     会議各企業の報告から
     調査・解析部 査新井栄三

   ・インタビュー 「増加傾向にある若年層を中心とした
     『現代型うつ』について
     長野展久 東京海上日動メディカルサービス取締役医療本部長に聴く
   『Business Labor Trend』 2010.8
   働き方をめぐる新たな課題


 ☆ 「産業精神保健の歴史(2)
    ―1980年代から1990年代前半まで―」
   静岡大学人文学部 萩野達史
   静岡大学学術りぽじとり  2011.7.27
   「ここで多少とも興味深いのは、旧労働省の踏み込み方である。1980年から医系技
   官として旧厚生省に入ったのち、1986年に旧労働省へ出向、上記の二つの取り組み
   から後述するトータル・ヘルスプロモーション・プラン(THP)にも中心的に関わる
   ことになった精神科医・河野慶三が回想として以下のようなことを述べている。
    シルバー・ヘルスプロモーション・プラン(SHP)のなかで設置された「ストレス
   小委員会」の作成した「企業におけるストレス対応の指針」については、旧労働省はか
   なりその関与の度合いを弱めたというのである。
    当初は、労働省労働基準局通達として出すことが考えられていた。しかし、『メンタ
   ルヘルスの問題は、あくまでも企業もしくは労働者個人が処理すべきもので、行政は直
   接関与しないほうがよい』というそれまでの労働省の基本的な考え方に押し切られ、国
   の定める指針とはならなかった。…(中災防が冊子を発行し)…指針を広めるための講
   演会を北海道・東北・関東などブロック単位で全国的に行ったが、行政からの支援も乏
   しく、尻すぼみとなった。(河野 2005:82‐83)
    だが、産業医学振興財団が同じく1986年に出したテキスト『労働衛生管理におけ
   るメンタルヘルス』については、「『指針』に比べるとはるかに行政主導的」であった
   と述べている。」
   「産業精神保健の歴史」


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