・2011年10月18日開催
第3回職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する
円卓会議ワーキング 有識者ヒアリング
徳島労働局総務部企画室 労働紛争調整官
岡田英樹
提出資料
・特集 職場いじめ規制のあり方
職場いじめ・嫌がらせ問題
―徳島労働局での取り組みについて―
徳島労働基準監督署次長 岡田 英樹
『季刊労働法』 2012 / 秋
|
|
| |
☆ 労働相談とは
紛争解決とは
相談活動は、交渉を経て紛争解決に向かいます。
紛争の本当の解決とはどういうことを言うのでしょうか。
相談者の「成長」を確認し合うことです。そして自立した生活を取り戻す
こと、または再スタートに立つことです。つまりは職業生活を培っていける
自信をつけるようにすること、自分らしい納得した生活を送ることです。
トラブルが雇用継続や合意退職の解決に至っても、相談者が貴重な体験を
その後の教訓として活かすことがその後のトラブルを防止し、長期的に見た
場合の問題解決となります。これが本物のセーフティーネットです。
そういう意味で、ユニオンの相談活動は、人生の次の段階に確信を持って
攻勢的に挑戦するためのサポーターの役割も果たすものでなければなりませ
ん。
労働組合とのかかわりを通して「社会の見方が変わった」「自信がついた」
「みんなに励まされて嬉しかった」という発言を聞くと相談活動は一役果た
したといえます。これが本来の労働組合の役割です。
(『メンタルヘルスの労働相談』(緑風出版刊)より)
「相手が変わり、自分も変わる」
労働組合は“個人の問題”に対応することから新たな問題を発見したり、
会社の動向をつかめたり、全体の労働条件の底上げができたりします。「安
全配慮義務」は使用者の責任ですが労働者の点検、指摘、告発、提案、要請
なしには維持できません。これが「予防」「防止」につながっていきます。
日常的に経営の点検や指摘、業務改善などの提案、会社が作る縦型の人間関
係に代る横型の仲間作りなど職場環境改善などを独自に進めていく責務を負
っています。それが長期の雇用の安定につながっていきます。
ユニオンは団体交渉で、お互いの人格を認め合いながら、どのような問題
があったのか、問題の原因は何だったのかについて共通認識を持ち、改善点、
克服しなければならない課題などを確認して「相手が変わり、自分も変わる」
ことを目指します。「自分も変わる」ことを確認できることは譲歩でも屈服
でもありません。自己の成長です。
(『“職場のいじめ”労働相談』(緑風出版刊)より)
|
|
|
『パワハラにあったとき
どうすればいいか わかる本』
合同出版 1500円+税
じめ メンタルヘルス労働者
支援センター / 磯村 大 共著
≪活動報告≫ 14.12.12
|
|
|
| |
◎ 相談者からのお礼状
数年前に就職した会社でいじめの後退職強要をされたことが、再就職後の今も
トラウマになっている方からメール相談です。
対処方法は見つかりません(残っていません)。メールはちゃんと読んだとい
うメッセージの後に次のように書きました。
「この後どうするかということでは、取れる手段が多くない中で、過去の経験を
今後に生かすという方に意識を切り替える必要があると思います。そうすること
は泣き寝入りをするということではありません。
経験を生かして成長するということです。そして退職強要を含めて、この後同
じようなことがあったら無理をしない、すぐに声を上げるという気構えを持つこ
とです。これが本当のセーフティーネットです。」
後日お礼のメールが届きました。
「前向きに考えてみようと思えるようになりました」
「ありがとうございます。
今まで、××での体験がトラウマになって、自信を持って仕事をすることがで
きませんでしたが、メールをいただいて、前向きに考えてみようと思えるように
なりました。」
分量は三行半です。しかしこれが自分からかつての会社に下す三行半となって
再スタートをきることができたとしたら陰ながら祝福してあげたいと思います。
電話相談へのメールでのお礼です。
「『身体気を付けて下さいね』には涙でました」
「会社で色々あり、何件か相談の電話をしましたが……私の事案はくだらない事
なのか、話の途中で断られたり、相談料の話から始まったりと、先月から心療内
科に通院していますが、主治医にも、労働基準監督所に相談してみてはとも言わ
れ電話しましたが、とっても事務的でまともに聞いてもらえませんでした。そし
てインターネットで調べて……お電話させて頂きました。しかし、相談員の方が
外出と言う事で受付の方が出られ、少しお話を聞いてくださり、私の体調に気を
使っていただき、お電話でも構わないですし、メールでしたらいつでも大丈夫で
すからねとおしゃって下さいました。断られるかと不安に思い電話しましたが、
こんな風に言って頂けて嬉しかったです。
……最後にお身体気を付けて下さいねと、言ってくださったのには、涙でまし
た。」
ホットラインから
ニュースを見て、かつていじめられたことを思い出したという相談です。
集団の職場で、上司から1人だけちくりちくりといじめられ、体調を崩して休
職し、結局は退職に至りました。その時に何の反論もしなかった自分が悔しいと
言います。
対応方法のほとんどが時効です。しかし悔しさに時効はありません。
「私は今幸せなんですよね」
「今生活の方は大丈夫ですか」、「安定しています」。
「身体の方はどうですか」、「健康です」。
「だとしたら今を大切にしたらどうですか。過去を忘れることも必要ですよ」
しかし簡単に忘れることはできません。忘れるためには踏ん切りが必要です。
「悔しいと思うのは、かつての上司に今も支配されているからです。自分は上司
のようになりたいと思わなかった、ならなかった。そう思えるなら上司はいじめ
をして負けたのです。そう捉えて今の自分の存在を確認してください。」と答え
ました。……
そのうちに「私は今幸せなんですよね」という答えが返ってきました。
「そう実感できるなら、今後その思いを大切にするともっと幸せになれますよ」
|
|
|