◆ 「差別されない権利」
23.628 東京高裁判決
6月28日、東京高裁で、全国の被差別部落の地名を本やインターネットに載せた出版社に
対し、部落解放同盟と被差別部落の出身者がプライバシー侵害だとして公開の差し止めなどを
求めた裁判の判決がありました。
21年9月、一審の東京地裁は、差別を明確に禁じた法律がないため、プライバシー権の侵
害を理由に差し止めを命じていました。
今回の高裁判決は「差別されない権利」を認め、一審判決に続き、公表差し止めを命じ、賠
償額も増額しました。
判決は、部落差別について「人間としての尊厳を否定するものに等しく、許容することがで
きない」と指摘したうえで、「差別意識が依然として存在していることは明らかである」とし
ました。そして差別を受けることが人生に与える影響は甚大で、被差別部落の出身者であるこ
とを推測できる情報が広く流通すれば、差別におびえる生活を余儀なくされることにつながる
としまいた。
そのうえで「憲法の趣旨などに鑑みると、人は誰しも不当な差別を受けることなく、人間と
しての尊厳を保ちつつ、平穏な生活を送ることができる人格的な利益をもつ」と指摘し、被差
別部落の地名を公表することは「差別されない権利」の利益を侵害するものと認めました。
≪活動報告≫ 23.6.30
|
◆ 「ヘイトクライムは許されない」の判決
23.5.31 徳島地裁判決
5月31日、徳島地裁は、昨年9月に在日本大韓民国民団(民団)徳島県地方本部の事務所
に銃撃をほのめかす内容の脅迫状を送った事件で逮捕された被告に対して、差別を動機とした
犯罪と認定し、実質的にヘイトを認め、懲役10月、保護観察付き執行猶予4年の有罪判決を
言い渡しました。
判決理由です。
「脅迫文は、在日韓国人を銃撃で殺害すると容易に理解させる苛烈なものである。さらに、反
日政策や浄化などといった韓国人に対する差別意識を強くうかがわせる言葉が使われており、
被害者らに自分たちの出自や所属のみによって標的にされたことを理解させ、被害者は理不尽
な恐怖にさいなまれている」
「被告人の考え方は、韓国、韓国人、民団に対する偏見にまみれているだけでなく、自らと異
なる思想信条を持つ者に恐怖を与えて排除しようとする極めて独善的かつ身勝手なもので到底
許されない」
5月12日、徳島地裁で初公判が開かれました。
徳島地検の公判担当検察官の論告です。
「本件犯行態様は、いわゆるヘイトクライムです。人種、民族、宗教など、特定の属性を持つ
個人や集団に対する偏見や憎悪がもとで引き起こされる犯行は、いかなる理由であれ正当化さ
れるものではなく、厳しく対処する必要がある」
検察がヘイトクライムという用語を法廷で使ったのは日本で初めてとみられます。
検察側は懲役10月を求刑。弁護側は執行猶予付き判決を求め、即日結審しました。
≪活動報告≫ 23.6.2
|
◆ 掲げる精神はダイバーシティ 採用は差別・選別
日本労働組合総連合会(連合)は、4月、採用選考における就職差別の実態を把握するため
の「就職差別に関する調査」をインターネットリサーチで実施しました。
全回答者に、採用選考過程で《戸籍謄(抄)本の提出を求められた》の有無について聞きま
した。その結果は、「ある」30.8%(前回19.4%)、「ない」69.2%(前回80.6
%)でした。「ある」が前回より10ポイント以上増えています。提出は国籍の調査でもある
と思われます。
全回答者に、採用試験に際し、応募書類やエントリーシート(インターネットの応募画面で
の入力を含む)で記入を求められた内容について聞きました。(複数回答形式)記入を求めら
れた割合は、「性別」80.5%、「本籍地や出生地に関すること」43.6%、・・・「労働
組合に関する情報(加入状況や活動歴など)、学生運動など社会運動に関すること」18.9
%、「思想に関すること」16.6%、「支持政党に関すること」9.9%、「宗教に関するこ
と」9.0%などでした。
採用試験の面接で、全回答者に、採用試験の面接で質問されたことがあるものを聞きました。
(複数回答形式)あると答えた人の割合は・・・「本籍地や出生地に関すること」28.3%
・・・「労働組合に関する情報(加入状況や活動歴など)、学生運動など社会運動に関するこ
と」14.6%、・・・などです。
「就職差別に関する調査」
≪活動報告≫ 23.6.16
|
◆ 国連自由権規約委員会 日本政府にたくさんの課題
国連自由権規約委員会は、10月13日と14日、自由権規約(市民的及び政治的権利に関
する国際規約)の実施状況に関する第7回日本政府報告審査を開催しました。
第6回は14年に開催され、17年12月11日には「第7回日本政府定期報告に関する事
前質問リスト」を提出していました。
今回の審査に先立つ10月10日、委員会は、NGOなど市民社会組織から直接情報を聞く
「NGOブリーフィング」を開催しました。
委員会は日本政府から、前回の審査から今回までの進捗状況などについて報告を受けます。
審査後、自由権規約委員会は「日本の第7回定期報告に係る総括所見」を発表しました。
「第7回日本政府定期報告に関する事前質問リスト」
「委員会第1日」
「日本の第7回定期報告に係る総括所見」
「IMC通信 No.64」
「最近のニュースから」
|
◆ 本『差別は思いやりでは解決しない
ジェンダーやLGBTQから考える』
神谷悠一著 (集英新書) 2022年
「思いやり」は言葉が独り歩きします。多くの場合、「魔法の言葉と化して、そう言って
おけばいいとか、大抵のことは対応できるという認識」になっているのではないかと問題提
起します。しかし時には不都合も生じます。
そして「『思いやり』と同様に、『あ、この人何もやる気がないな』と思ってしまう言葉
として『周知を徹底します』というフレーズがあります」。具体的には、「実際日本は、国
レベルから企業レベル、はたまた個人レベルに至っても、ジェンダーに関して『周知を徹底』
なり『思いやり』などでお茶をにごし、根本的な問題を放置してきたきらいがあります」。
そして、「思いやり」的な表現として「何も気にしない」という「一見良さそうだけれども、
実際には問題があるフレーズ」があります。
≪活動報告≫ 22.9.13
|
◆ 本『差別はたいてい悪意のない人がする』
キム・ジヘ著 (大月書店) 2021年
「多くの人には、知らず知らずのうちに、傾いた公平性を追求している。かれらはインター
ネットの書き込みや国民請願掲示板で、『外国人が凶悪犯罪を犯している』として、移民の
追放を要求しながら、自分は差別主義者ではないと主張している。
・・・だれかにとっては辻褄が合わない話に、別のだれかがうなずく。だれかの目には、マ
イノリティに不利益な方向に傾いていると映る世の中が、別のだれかには平等な社会に見え
る。前者の観点から平等を実現しようとする試みが、後者の目には『逆差別』にうつる理由
がここにある。・・・
私はどこに立って、どんな風景を見ているのか。私が立っている地面は傾いているのか、
それとも水平なのか。もし、固くいているなら、私の位置はどのあたりなのか。この風景全
体を眺めるためには、世の中から一歩外に出て見なければならない。それができないのなら、
この世界がどのように傾いているのかを知るために、私と違う位置に立っている人と話あっ
てみなければならない。私たちの社会は本当に平等なのか。私はまだ、私たちの社会がユー
トピアに到達したとは思えない。私たちはまだ、差別の存在を否定するのではなく、もっと
差別を発見しなければならない時代を生きているのだ。」
≪活動報告≫ 21.11.19
≪活動報告≫ 21.10.8
≪活動報告≫ 21.10.5
|
◆ 川崎市でヘイトスピーチ禁止法成立
12月12日、川崎市議会で「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」が成立しま
した。条例は、道路や広場、公園のような市内の公共の場所で、拡声機を使ってヘイトスピ
ーチを行うことを禁止します。
具体的には、違反行為には、1回目は「勧告」、2回目は「命令」、さらに命令に従わな
かった場合は、氏名などを公表し、刑事裁判を経て最高50万円の罰金が科されます。法人
の場合は、行為者だけでなく法人も罰せられます。
川崎市では在日コリアンを標的にしたヘイトスピーチが繰り返され、2016年に国の対
策法ができるきっかけになりました。しかし法律は「不当な差別的言動は許されない」とい
う基本的な考え方を示しただけで、罰則はありませんでした。そのため川崎市でもヘイト行
為は横行していました。
先行する大阪市や東京都の条例も啓発が主体で、刑事罰は設けていません。
そこで川崎市は抑止力のある条例を整備しようと取り組んできました。
「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」
≪活動報告≫ 19.7.2
≪活動報告≫ 19.6.4
≪活動報告≫ 18.9.4
|
◆ 本『国家と移民 外国人労働者と日本の未来』
移住者と連帯する全国ネットワーク 代表理事 鳥井一平
集英社新書 2020年
「技能実習制度は1993年に開始されます。しかし「技能実習」とは名ばかりの
労働でした。一方、零細企業にとっては「救い」だったのです。
93年の入管発表の統計値で29万9000人、実数30万人超のオーバーステ
イ労働者がいました。ビザが切れてオーバーステイになっても日本経済を支えるた
めに実質的に容認されてきました。日本人労働者とは仕事、支払われる賃金で住み
分けられていました。
・・・日本政府は「移民はいない」といっていますが、オーバーステイ労働者は
「移民」です。
そもそも人を単に「労働力」としてだけとらえ、「人としての在り方」を無視し
て、「労働力だけいただこう」というのは非常に身勝手で傲慢な考え方で誤りです。
日本に働きに来て、何年もここで暮らしてなじみ、出身国に帰りたくない人には、
安心して住み続けられるようにすることが大切です。
国内、海外を問わずボーダーを越え人が移動するときには人権や労働基準、労働
者の権利、「労使対等原則」がどう担保されるのかが重要になってきます。
移民問題は労働問題であり、人権問題です。・・・
過去30年間、日本の労働組合は「外国人労働者に雇用を奪われる」という立場
でした。
外国人労働者は「お客様」ではありません。「この社会を一緒に作っていく仲間」
だと考えるべきです。劣悪な職場環境があるなら、一緒になおしていけばいいので
す。」
≪活動報告≫ 20.11.20
|
◆ フジ住宅会長らのヘイト文書に賠償判決
2020年7月2日、大阪地裁堺支部は、不動産大手「フジ住宅」の会長が在日
韓国人3世の50代の女性労働者に、職場で「在日は死ねよ」などのヘイトスピー
チを含む文書を配布したことに対して、女性労働者が精神的苦痛を受けたとして、
会社と会長を相手取って損害賠償を求めた訴訟の判決で同社と会長に計110万円
の支払いを命じました。
女性が会社に改善を要求すると退職勧奨がおこなわれました。
そこで女性は「人種差別・民族差別的な言動にさらされない権利」を掲げ、会社
は職場環境に配慮する義務を怠った違法性があるという主張です。また、就業時間
中に動員されて特定の教科書を支持する回答を書くよう強制されたことで精神的苦
痛を受けたと主張しました。さらに、会社には従業員を差別的表現にさらすことを
防ぐ義務があるのに、会長は業務時間中に、従業員に韓国・朝鮮人を誹謗するチラ
シなどを大量に配布したことに対
して「人種差別・民族差別的な言動にさらされない権利」があると主張しました。
「ヘイトハラスメント裁判第一審判決弁護団声明」
≪活動報告≫ 20.7.74
≪活動報告≫ 19.1.25
|
◆ 部落差別解消推進法が公布・施行
16年12月、「部落差別の解消の推進に関する法律」(部落差別解消推進法)
が公布・施行されました。部落問題の解消に向けた取り組みを推進し、その解消の
ための施策として、国及び地方公共団体の相談体制の充実や教育啓発の推進に努め
ることを規定しています。罰則のない理念法です。
改めて法律が制定されなければならないほどひどい実態が今もあります。
かつては、被差別部落の地名をまとめた『部落地名総監』が企業などに売られ、
身元調査に使われていました。これに対して発売元や購入先への抗議行動がおこな
われました。
最近はネットへの書き込みがおこなわれています。本人も自覚がないのに郵便物
が届くなどの嫌がらせや脅しもおこなわれています。
「部落差別解消推進法」
≪活動報告≫ 19.6.4
≪活動報告≫ 12.11.20
|
◆ 本『差別感情の哲学』
中島義道著 (講談社学術文庫 2015年刊)
差別感情とはある集団に対してレッテルを貼りつけ、その集団に属する個人をま
ずもってそのレッテルで判断してしまうことであるが、個人がレッテルを貼るので
はない。『レッテルを貼られるべき人』は社会的にあらかじめ承認されており、彼
らに個人があらためてレッテルを貼ることによって、彼らに対する差別を顕在化な
いし意識化するのだ。
しかも、ある者を被差別者として理解することは、その者を『不快な者』として
理解することである。
≪活動報告≫ 15.6.23
|
◆ 本『差別の日本近現代史 包摂と排除のはざまで』
黒川みどり 藤野豊 共著(岩波現代全書 2015年刊)
GHQにおける日本憲法の草案作成の経過を概観すれば、1946年2月4日、
GHQの民生局(GS)内に作業班が編成され、憲法草案の起草がはじまっている。
その際、作業班の人権小委員会のメンバーのベアテ・シロタが部落問題を念頭に置
いて、法の下の平等の条文のなかに、差別してはならない対象として“caste”の
語を記したという。1987年、シロタは「第十四条の最初の文節で、私たちは
「カースト」について明確にしなければならないということでした。そうしなけれ
ば差別は続くだろうと懸念したからです」と明言している。
たしかに、1946年2月12日に完成した「GHQ草案」には、差別してはな
らない対象として“race”“sex”“social status”“national origin”ととも
に“caste”の語が記されていた。そして、法の下の平等を保障されるのは“all
natural persons”と明記された。
|
◆ 人権と国際労働基準
ILO駐日事務所メールマガジン トピックス解説
2012年10月31日付 第56号
Ⅱ 人権とは
一般的に人権とは、世界人権宣言や「労働における基本的原則及び権利に関する
ILO宣言」などに掲げられる、人類全てが有する基本的な権利と自由を指すもの
と理解されています。より広義には、ILOが全ての人々に確保することを21世
紀の活動目標とするディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)、す
なわち、自由、公平、安全保障、人言の尊厳が確保された条件下で遂行される人間
らしい生産的な仕事を構成する全ての要素が含まれると言うことが出来ます。
『人権と国際労働基準』
|
◆ 本『はたらく若者たち1979~81』
後藤正治著 (岩波現代文庫 2007年刊)
81年10月16日北海道・北炭夕張新鉱でガス突出事故が発生し、死者93人
を出しました。
夕張炭鉱は、75年に開鉱した全国でもっとも新しいヤマだった。その採炭技術
と機械力においては最新鋭のヤマだった。炭にふくまれるガスの含有量も多い。炭
層は深部へ深部へと移っている。切羽は夏だと37.8度にまであがった。
そして、最新の採炭技術と機械力の資本投下と同じように、悪い自然条件に対応
するための保安面における設備投下はおこなわれたのであろうか。事実は、採炭部
門の設備投資と逆比例するかのように、保安面は手抜きされていた。……
では、このような保安面の問題について、現場の労働者はなぜ声をあげなかった
のだろうか。この点は各方面からも指摘されている。……答えは、馬の鼻づらにニ
ンジンという請負給制度にある。……
どのヤマでも、収入の6割以上は請負給という仕組みになっている。さらに北炭
のばあいは、切羽請負のほかに、ヤマごとの全山請負という他のヤマでは例をみな
い特異な二重の請負制度がしかれている。
『請負給やめて全部月給制にしたらヤマの事故の大半はなくなるよ』――村上清人
・三井砂川炭鉱労組書記長はいいきる。
≪活動報告≫ 14.3.4
|
◆ 本『日本の人事査定』
遠藤公嗣著 (ミネルヴァ書房 1999年刊)
ジョブグレード制度とは、職務の大きさや難易度をバンド(職群)に階層化し、
さらにバンドをジョブサイズ(職務価値)に区分し、それに基づいて評価・処遇す
るという制度です。バンドは部門間に格差を発生させます。
本来は、職務の難易度、職務遂行に必要な能力などによって区分されることにな
りますが、実際は、職務分析が行われていないなかでは「貢献度」、つまりその部
署にいくら利益を稼がせるかというかということからの位置づけになります。労働
者はそこに従属させられ人事査定が行われます。
きちんと制度化されない中での査定は、無理を強制され、評価が低い者に対して
は排除の力学が働きます。
では職務評価ではないこれまでの人事査定はどのようなものだったのでしょうか。
メリハリをつけるために競争させます。メリハリはピッチ(賃金幅)です。
日本における評価要素は、成績、情意、能力の3大要素があり、そのもとに細分
された評価要素がいくつかある。いうまでもないが、『仕事表』の技能評価だけで
査定の最終結果は決まらない。というよりも、情意の評価要素などの存在を考慮す
れば、その影響は、あるとしても部分的でしかない。そして、技能評価の影響が部
分的であることこそ、日本の査定制度の特徴と理解されるべきである。
日本で「成績」とは、「仕事の量」「仕事の質」で、「情意」は「規律性」「協
調性」「積極性」「責任性」で、「能力」は「業務知識」「理解・判断力」「創造
・企画力」「折衝力」「行動力」などです。
日本とアメリカの違いは、アメリカは職務分析がきちんと行われているので「仕
事の量」「仕事の質」を評価する基準がはっきりしていますが日本では明確であり
ません。そのためアメリカは成績の比率が高いが、日本は成績だけではなく、最終
的には総合評価です。
≪活動報告≫ 14.8.5
|
◆ 『不平等社会日本』
佐藤俊樹著『不平等社会日本』(中央公論新社)
1955年から10年ごとに、全国の20歳から69歳の人を対象に職業キャリ
ア、学歴、社会的地位、両親の職業や学歴などのデータを集める「社会階層と社会
移動の全国調査」(略称SSM調査)がおこなわれています。
1995年の調査結果を分析・研究しています。その中の、地位や経済的な豊か
さを得るための『資源配分』における実績と努力などに関してです。学歴は関係な
いということではないと結論づけています。
戦後の日本では『努力すればナントカなる』部分が拡大し、『努力してもしかた
がない』部分が縮小したとのべたが、それはW雇上(ホワイトカラー雇用上層)の
拡大・全自営の縮小に典型的に現れているともいえそうだ。
しかし、実績主義の人々は本当に自分の力だけでやってきたのか。彼らは「努力
すればナントカなる」世界に生きているのだろうか。
痛烈な反論が、1つは、女性の側からあがるはずである。――スタート地点が平
等だなんてとんでもない。女性が専門職・管理職になるにはさまざま壁がある。逆
にいえば、実績主義の三分の二を占める男性の地位は、『性別』という障壁に守ら
れた、虚構の『実績』なのだ、と。
続きを読む
≪活動報告≫ 13.10.21
|
◆ 「新時代の『日本的経営』」
95年、日経連は「新時代の『日本的経営』」を発表しました。この内容を要約
すると「必要なときに、必要な人を、できるだけ安い賃金で働かせて、いつでも首
が切れる」雇用戦略をうたっています。労働者を①「長期蓄積能力活用型グループ」
柔軟型グループ」(総合職正規社員)②「高度専門能力活用型グループ」(一般正
規職員)③「雇用(パート、臨時、派遣)に分けた雇用に方向づけました。
これらの政策は「雇用の流動化」と呼ばれていますが、①から②、③に、②から
③に異動することがあっても逆流はない一方通行の流動化です。再構築の意味合い
の「リストラクチャー」の言葉で惑わせて、結果は年功序列賃金制度、終身雇用制
度を廃止する、そして解雇の意味を含む「リストラ」が行われてきました。
≪活動報告≫ 15.6.9
|