いじめ・メンタルヘルス労働者支援センター(IMC)


















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         最 近 の 重 要 決 定 ・ 判 決   
 ◆  東芝深谷工場 解雇無効確認等請求事件
    労働者が自らの精神的健康に関する一定の情報を使用者に申告しなかったことをもって過
   失相殺をすることができないとされた(最高裁第二小法廷2014年3月24日)

   「上告人が被上告人に申告しなかった自らの精神的健康(いわゆるメンタルヘルス)に関す
   る情報は,神経科の医院への通院,その診断に係る病名,神経症に適応のある薬剤の処方等
   を内容とするもので,労働者にとって,自己のプライバシーに属する情報であり,人事考課
   等に影響し得る事柄として通常は職場において知られることなく就労を継続しようとするこ
   とが想定される性質の情報であったといえる。使用者は,必ずしも労働者からの申告がなく
   ても,その健康に関わる労働環境等に十分な注意を払うべき安全配慮義務を負っているとこ
   ろ,上記のように労働者にとって過重な業務が続く中でその体調の悪化が看取される場合に
   は,上記のような情報については労働者本人からの積極的な申告が期待し難いことを前提と
   した上で,必要に応じてその業務を軽減するなど労働者の心身の健康への配慮に努める必要
   があるものというべきである。」
   判決文
 ◆  大庄の過労死事件
     会社法第429条に違反するとして取締役らの善管注意義務違反が認められる
     (大阪高裁 2011年5月25日判決 会社側の控訴を棄却(労働判例1033号))

   「当裁判所は、控訴人会社の安全配慮義務違反の内容として給与体系や三六協定の状況のみ
   を取り上げているものではなく、控訴人会社の労働者の至高の法益である生命・健康の重要
   さに鑑みて、これにより高い価値を置くべきであると考慮するものであって、控訴人会社に
   おいて現実に全社的かつ恒常的に存在していた社員の長時間労働について、これを抑制する
   措置がとられていなかったことをもって安全配慮義務違反と判断しており、控訴人取締役ら
   の責任についても、現実に従業員の多数が長時間労働に従事していることを認識していたか
   あるいは極めて容易に認識し得たにもかかわらず、控訴人会社にこれを放置させ是正させる
   ための措置をとらせなかったことをもって善管注意義務違反があると判断するものであるか
   ら、控訴人取締役らの責任を否定する上記の控訴人らの主張は失当である。なお、不法行為
   責任についても同断である。」
    会社法
    (役員等の第三者に対する損害賠償責任)
     第429条 役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、
     当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
   ≪活動報告≫ 2011.7.20
 ◆ 私立学校で使用者の安全配慮は認められなかったがうつ病を理由とした解
   雇は不当と判断された判決 (東京地裁 平22.3.24 (控訴))
    (『判例タイムズ』 2010.12.15号)
    鈴木安名医師の復職に関する論文が裁判所で基準とされ、主治医の意見を聞かない判断は
   無効とされた。
   「鈴木安名医師は(「職場復帰の手順と方法-メンタルヘルス不全による求職者を復職させ
   るには」で)は、職場復帰の可否の判断において、主治医との典型を必要なものとしており、
   そのポイントとして、職場の安全衛生担当者が本人とともに主治医と三者面談を実施して、
   信頼関係を形成したうえで、復職可能性、復職後の職務の内容・程度等を慎重に判断してい
   くことを推奨している。……
    ところが、被告は、原告の退職の当否等を検討するに当たり、主治医であるC医師から、
   治療経過や回復可能性等について意見を聴取していない。これはD校医が連絡しても回答を
   得られなかったという事情が認められるが、そうだとしても(三者面談までは行わないとし
   ても)、被告の人事担当者である教頭らが、C医師に対し、一度も問い合わせ等をしなかっ
   たというのは、現代のメンタルヘルス対策の在り方として、不備なものと言わざるを得ない。」
 ◆ トヨタ自動車過労死内野事件 行政訴訟判決 (名古屋地裁 平19.11.30)
    本務以外のいわゆるQC活動などが使用者の支配下における業務と判断して残業時間を算
    出。
   「始業時間前のいわゆる前残業についても、……始業時間前に行うべき業務が存し、また原
   告が疲労状態にありながら定時前出勤を続けたことに照らし、業務に従事したものと推認す
   るのが相当である」
   「創意くふう提案及びQCサークル活動は、本件事業主の事業活動に直接役立つ性質のもの
   であり、また、交通安全活動もその運営上の利点であるものとし、いずれも本件事業主が育
   成・支援するものと推認され、これにかかわる作業は、労災認定の業務起因性を判断する際
   には、使用者の支配下における業務であると判断するのが相当である。EX会の活動について
   は、これも本件事業主の事業活動に資する面があり、役員の紹介などといった一定の限度で
   その活動を支援していること、その組織が会社組織と複合する関係にあることなどを考慮す
   る等への行事への参加自体は別としても、役員として、その実施・運営に必要な準備を会社
   内でと、懇親会行う工員については上記と同様に業務であると判断するのが相当である」
 ◆ 中部電力訴訟判決 (名古屋高裁 平19.10.31)
    業務上の命令・指導内容の合理性の有無から、その背景にある「嫌がらせ」的な意図を推
   認。
    上司が、原告が結婚指輪を身に着けていたことが仕事に対する集中力低下の原因になって
   いるという独自の見解に基づき外すよう指示したことについて、上司の言動は
   「なんら合理的理由のない、単なる激しい指導の範疇をこえた、いわゆるパワーハラスメン
   トとも評価されるものであり、一般的に相当程度心理的負荷の強い出来事と評価すべきであ
   る」
 ◆ 日研化学 行政訴訟判決(確定)(東京地裁 平19.10.15)
    (『労働判例』2008.3.15)
    いわゆる上司のパワハラを原因とした自殺を労災認定。
    3つの理由により、上司の指導・助言の言動が評価表の「上司とのトラブル」の平均的心
   理負荷の強度Ⅱを大きく上回ると判断した。
    理由1、上司(上位で強い立場にあるもの)の発した言葉自体の内容が過度に厳しい。キ
   ャリアの否定、会社で稼働することを否定、人格・存在自体を否定。
    理由2、嫌悪の感情を有していた。
    理由3、上司が自分の思ったこと、感じたことを、特に相手方の立場や感情を配慮するこ
   となく直截的に表現、大きい声で威圧的に発言した。
    理由、勤務形態が上司とのトラブルを解決することが困難な環境にあった。
 ◆ 筑豊じん肺訴訟最高裁判所判決(最高裁判所第三小法廷 平成16年4月27日)
      規制権限の不行使を初めて認める
    【判決要旨】
    1 通商産業大臣(当時)が、石炭鉱山におけるじん肺発生防止のための鉱山保安法上の
     保安規制権限を行使しなかったことは、国家賠償法一条一項の適用上違法である。
    2 民法七二四条後段所定の除斥期間は、不法行為により発生する損害の性質上、加害行
     為が終了してから相当の期間が経過した後に損害が発生する場合には、当該損害の全部
     又は一部部が発生した時から進行する。
      ……
    3行政権限不行使に係る判断
    (1) 国又は公共団体の公務員による規制権限の不行使は、その権限を定めた法令の趣旨、
    目的や、その権限の性質等に照らし、具体的事情の下において、その不行使が許容される
    限度を逸脱して著しく合理性を欠くと認められるときは、その不行使により被害を受けた
    者との関係において、国家賠償法一条一項の適用上達法となるものと解するのが相当であ
    る。
     これを本件についてみると、鉱山保安法は、鉱山労働者に対する危害の防止等をその目
    的とするものであり(一条)、鉱山における保安、すなわち、鉱山労働者の労働災害の防
    止等に関しては、同法のみが適用され、労働安全衛生法は適用されないものとされており
    (同法一一五条一項)、鉱山保安法は、職場における労働者の安全と健康を確保すること
    等を目的とする労働安全衛生法の特別法としての性格を有する。そして、鉱山保安法は、
    鉱業権者は、粉じん等の処理に伴う危害又は鉱害の防止のため必要な措置を講じなければ
    ならないものとし(四条二号)、同法三〇条は、鉱業権者が同法四条の規定によって講ず
    べき具体的な保安措置を省令に委任しているところ、同法三〇条が省令に包括的に委任し
    た趣旨は、規定すべき鉱業権者が講ずべき保安措置の内容が、多岐にわたる専門的、技術
    的事項であること、また、その内容を、できる限り速やかに、技術の進歩や最新の医学的
    知見等に適合したものに改正していくためには、これを主務大臣にゆだねるのが適当であ
    るとされたことによるものである。
     同法の目的、前記各規定の趣旨にかんがみると、同法の主務大臣であった通商産業大臣
    の同法に基づく保安規制権限、特に同法三〇条の規定に基づく省令制定権限は、鉱山労働
    者の労働環境を整備し、その生命、身体に対する危害を防止し、その健康を確保すること
    をその主要な目的として、できる限り速やかに、技術の進歩や最新の医学的知見等に適合
    したものに改正すべく、適時にかつ適切に行使されるべきものである。
     ……
     そして、前記の時点までに、前記の保安規制の権限(省令改正権限等)が適切に行使され
    ていれば、それ以降の炭坑労働者のじん肺の被害拡大を相当程度防ぐことができたものと
    いうことができる。
 ◆ 陸上自衛隊八戸駐屯地事件
    最高裁第3小(昭和50.2.25)
    八戸自衛隊
    使用者の安全配慮義務を最高裁が認めた最初の判決。国に対する損害賠償の請求権の消滅
   時効に会計法30条の5年でなく、民法167条1項の10年を適用した判決としても有名。


 ☆ 精神障害等の労災認定に関する審査請求・訴訟の状況   最近の裁判例
   1 平成20年度及び平成21年度の国敗訴事案の評価のポイント
     ※ 平成20年度及び平成21年度の判決件数73件のうち、敗訴件数は11件(10事案)
   2 複数の出来事が存在し、総体としての心理的負荷の程度を強度と評価した裁判例
    などが掲載。
    精神障害等の労災認定に関する審査請求・訴訟の状況(PDF)
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