いじめ・メンタルヘルス労働者支援センター(IMC)



















  こ こ ろ の ケ ア  消防士の惨事ストレス         

   阪神・淡路大震災15周年
   「消防士シンポジウム in KOBE」

     【宣言】

   15年前の1月17日未明
   私たちの住むまちは突然の大震災に襲われた
   愛する家族や職場の同僚 親しい友達など
   大切な人々が犠牲となり まちの多くはがれきと化した
   あの はかりしれない衝撃と悲しみを
   私たちは永遠に忘れない

   震災は多くのものを奪い
   決して癒されることのない傷を残したが
   同時に人々の胸の奥にある温かい善意や
   同じ大地に暮らす共生の思いをも揺り動かした
   災害ボランティアの文化が花開いた
   教訓は 以後の大規模災害に活かされ
   官民を超えた防災・減災への取り組みが行われ
   自助・共助・公助の連携が進められてきた

   共生共助のボランティア精神を 揺りかごとして誕生した
   先人から受け継いだ 愛するまちを 愛する郷土を
   そしてかけがえのない大切な人を この手で守るために
   私たち消防士は 地域に根差した行動をしていこう

   平穏に見える日々のなかで
   次の大規模災害が 私たちに襲いかかろうとしている。
   だからこそ
   伝えよう もっと伝えよう 阪神・淡路大震災の教訓を
   備えよう もっと備えよう この教訓を活かしながら
   震災の教訓は すべての災害に通じる知恵だから
   いま私たち消防士はこの震災の教訓を胸に
   命にやさしい社会をつくるため 地域防災力の向上をめざして
   手を取り合い 励まし合いながら
   共に進んで行くことを誓う

      平成22年1月31日

     阪神・淡路大震災15周年記念
     消防士シンポジウムin KOBE 実行委員会
         『阪神・淡路大震災 消防職員手記』
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  放水の任務終へたる 隊長の


    部下を称ふることば うるみて

                       (2011.5.16 『朝日歌壇』)


      「君は僕と知り合うことはなかったけれど、大好きだよ」

        16年8月24日3時36分、イタリア中部でマグニチュード6.2の地震が発生
       しました。発生から16時間後に発見されたジュリアさんは、4歳の妹ジョルジア
       ちゃんに覆いかぶさった姿でがれきの中から遺体で発見されまし。ジョルジアちゃ
       んは助かりました。ジュリアさんの棺の上には消防士の手紙がおかれていました。

      「こんにちは、お嬢さん。僕は、がれきの牢獄(ろうごく)の中から君を引っ張り出
      そうと手を貸しただけなんだ。僕たちが来るのが遅くなったとしたら、ごめんね。残
      念だけど、(来た時には)もう君は息をしなくなっていたんだ。
       でも、天国にいる君には、僕たちが君をそこから引っ張り出そうとできる限りのこ
      とをしたのを知っていてほしい。
       ラクイラの自宅に僕が戻ったら、空から僕を見ている天使がいるのを知るだろう。
      夜には、君は光り輝く星になっているだろう。じゃあね、ジュリア。君は僕と知り合
      うことはなかったけれど、大好きだよ。」



 

 ◆ 「消防士の心の問題を考える。米国流のEMSC
    (エモーショナル・メンタル・ストレスコントロール)とは?」
    リスク対策.COM  2016.8.16
   「アメリカの各消防局でも過去25年間、消防士の鬱病や自殺などにより消防力を低下させな
   いために災害後のデブリーフィングや退職者をピアという相談役カウンセラーにするなど、
   『メンタルマネージメント』について、挑戦してきました。」
   「消防士の心の問題を考える。」


 ◆ 「平成27年台風第18号による大雨等に係る救助活動等に
     従事した消防職団員の惨事ストレス対策について」
    消防庁消防・救急課  事務連絡 平成27年9月15日
   「場合によっては、今後、活動にあたった消防職団員の惨事ストレスが危惧されるところで
   すので、各消防本部等におかれましては、今回の災害において現場活動に従事した消防職団
   員の身体的・精神的ケアについて、十分留意していただくようお願いいたします。
    惨事ストレスに関する資料及び消防庁緊急時メンタルサポートチームに関する資料を添付
   しますので、参考にしていただければと存じます。」
   「平成27年台風第18号による大雨等に係る救助活動」


 ◆ 『大規模災害時等に係る惨事ストレス対策研究会 報告書』
    大規模災害時等に係る惨事ストレス対策研究会
    総務省 平成25年3月25日
   「○ 惨事ストレス対策の理念等
    惨事ストレス対策を実施するにあたっては、改めてその基本的な考え、いわゆる「理念」
   を認識しておくことが大切である。
    惨事ストレス対策の理念は、災害救援者が職務の中で受ける精神的衝撃からの回復を増進
   し、PTSD等の発症を予防するとともに、ハイリスク者を早期発見しケアを行うことで、
   惨事を経験した者の経験が、その後の活動を阻害するのではなく、高めていくものとなるよ
   うにすることである。
    あわせて、対策を進めるにあたり、「労う(ねぎらう)」こと、「支え合う」ことを念頭
   に置必要がある。
    過酷な災害現場活動においては、組織あるいは上司からの対応や言葉で隊員が励まされる
   ことは少なくない。組織が自分たちを守ってくれる、バックアップしてくれるという思いは、
   安心感につながり心理的なストレスを軽減することとなる。これが「労う(ねぎらう)」こ
   とである。
    また、惨事ストレスの発生が危惧される場合、その苦しみは簡単に消失するものではなく、
   いつまでも続いてしまう。そこで、その経験をした者のみでなく、周囲の同僚や家族等も惨
   事ストレスが及ぼす影響を理解し、その対処法を知ることが、回復の増進につながっていく。
   これが「支え合う」ことである。
    さらに、惨事ストレスとは何かということを知り、自らの状態について知ることが惨事ス
   トレス対策の第一歩である。」
   『大規模災害時等に係る惨事ストレス対策研究会 報告書』

  『「大規模災害時等に係る惨事ストレス対策研究会」報告書の概要』
   『報告書概要』

  「大規模災害時等に係る惨事ストレス対策研究会」 の開催
    総務省  平成24年6月1日
    総務庁は、東日本大震災における惨事ストレス対策の実施状況を踏まえ、より効果的な惨
   事ストレス対策について必要な検討を行うため、「大規模災害時等に係る惨事ストレス対策
   研究会」を開催しました。
   『惨事ストレス対策 資料1』
   『惨事ストレス対策 資料6』
   『惨事ストレス対策 資料11』
   『惨事ストレス調査結果』
   ≪活動報告 13.6.4≫

  『資料1 これまでの消防庁における惨事ストレス対策』
   『資料1』


 ◆ 韓国 『“精神疾患”の相談・治療を受けている消防士が
     1年で5倍近く増加』
    ハンギョレ新聞 2014年9月15日
   「新政治民主連合ノ・ウンネ議員が14日、消防防災庁から受け取り公開した資料を見ると、
   職業特性のために悲惨な事故現場を繰り返し目撃せざるを得ない消防士たちが、心的外傷性
   ストレス症候群とうつ病などで自ら命を絶つ事例が最近5年間で37人に達した。毎年7.
   4人の割合だ。」
   『“精神疾患”の相談・治療を受けている消防士が1年で5倍増加』


 ◆ 講演録 『消防団員の惨事ストレス』
    香川カウンセリングセンター所長 浅海 明子
    『広報 消防基金』 平成26年1月 No.190
   「本日のまとめ
   ・消防団員が健康に良好なチームワークで任務を果たすためにも、惨事ストレスを理解して
    おくことが重要である。
   ・惨事ストレスは、その体験が個別的であればあるほど、それを体験したひとにとっては認
    めがたく、周囲の人もそれと気づきにくいものである。それゆえ普段から意識的に惨事ス
    トレスを考えていくことが必要である。」
   「講演録『消防団員の惨事ストレス』」


 ◆ パンフレット 『消防職員のための惨事ストレスの理解と対応』
    新潟県精神保健福祉協会こころのケアセンター
   『消防職員のための惨事ストレスの理解と対応』


 ◆ パンフレット 漫画 『もうひとつの闘い ~語ることができない
             消防士~』
   パンフレット 漫画 『消防士たちの参事ストレス 家族用手引き』
    (財)全国消防協会
    『ほのお』 2010年8月号別冊
    わかりやすい解説もありますが、内部用ということで一般には入手できません。もったい
   ないです。大きな図書館では閲覧できます。
   ≪活動報告≫ 11.10.21


 ◆ 『消防士を救え』~災害救援者のための惨事ストレス対策講座~
    兵庫県こころのケアセンター 加藤 寛 著
    東京法令出版(2009年)
あいうあ
  「任務の中で遭遇する危険や悲惨な光景などによって、どんな
  職業意識の高い者でさえ、精神的に深く傷つくということに最
  初に注目したのは軍隊であった。とはいっても、第二次世界大
  戦までは精神的に疲弊していく兵士は落伍者とされ、ひどい場
  合は軍法会議にかけられ罰せられていた。しかしノルマンディ
  ー上陸作戦の時に初めて精神科医による介入がなされ、ひどい
  体験を集団で話すことによって、精神的なて、精神的な回復 
  (軍隊の場合は早く前線に復帰できるということ)が促進され
  ることが知られるようになった。」


 ◆ 『災害救援者のメンタルヘルス対策-
    被災地に職員を派遣前・派遣中・帰署後のポイント』
    兵庫県こころのケアセンター 大澤智子
   「《各隊員ができるセルフケアの具体例》
    1.必ずペアあるいはチームで活動をする
    2.設定された勤務時間を守り、定期的に休憩を取る
    3.よく食べ(一度にたくさんよりは少量を数回に)、よく眠る(時間ではなく質が大事)
    4.気分転換に身体を動かす
    5.自分にあったストレス解消法を積極的に利用する
    6.甘いもの、カフェインの取り過ぎには注意する (血糖値が急に下がると疲労につなが
      るため)
    7.家族や大切な人との連絡を定期的にとる
    8.信頼できる人に自分の体験や気持ちを語る」
   『災害救援者のメンタルヘルス対策』


 ◆ 東日本大震災を踏まえた大規模災害時における消防団活動の
    あり方等に関する検討会「報告書」
    平成24年8月30日 総務省
   「報告書」
   「報告書」
   「検討会資料」
   (1)東日本大震災における消防団の活動
    東日本大震災において、被災地の消防団は、自らも被災者であったにもかかわらず、郷土
   愛護の精神に基づき、水門等の閉鎖、住民等の避難誘導、救助、消火、避難所の運営支援、
   行方不明者の検索(捜索)、発見されたご遺体の搬送・安置、さらには、信号機が機能しな
   い中での交通整理、がれき撤去、防犯・防災のための夜間の見回りまで、実に様々な活動に
   献身的に従事した。
    一方で、254名にも上る消防団員が犠牲となったことを、我々は、重く受け止めなけれ
   ばならない。そして、その教訓を、今後に生かさなければならない。
     死者252名、行方不明者2名(平成24年3月11日現在)。死者数には、行方不明
    となっている者のうち死亡認定による死者数を含む。うち、公務災害補償請求認定は、1
    98件となっている(平成24年5月31日現在。消防団員等公務災害補償等共済基金に
    よる。)。


 ◆ ホームページ 全国消防職員協議会
   全国消防職員協議会
  全国消防職員協議会東北復興支援集会(2013年6月18日)参加者の声
   全国消防職員協議会東北復興支援集会
  全国消防職員協議会 2012-2013年度活動方針
   全国消防職員協議会
  『消防職場のQ & A』労働安全衛生編 2003年8月版
   全国消防職員協議会 消防総合研究委員会編
   『消防職場のQ & A』
  『自治労大阪消防協議会』ニュース 2014年12月26日
   自治労大阪消防協議会
   『「自治労大阪消防協議会」ニュース』


 ◆ 『東日本大震災における津波災害に対する
     消防活動のあり方について』
    東日本大震災における津波災害に対する消防活動のあり方研究会  平成25年1月
   「・発災直後から深刻な燃料不足が発生していたが、後方支援部隊の別部隊として新潟市消
     防局内に神戸市消防局員による補給隊が派遣され、燃料・食料等の物資調達及び搬送が
     行われた。この新潟補給隊のピストン輸送のおかげで、円滑な救助隊の活動が実現され
     た。(文献5)
    被災地にありながら「衣・食・住」などの後顧の憂いなく救助活動に集中することがで
     きた大きな理由として「後方支援隊」の存在が挙げられます。(中略)緊急消防援助隊
     活動そのものを支える重要な部隊に位置付け、災害派遣に際しては「先遣隊」の編成部
     隊に組み込み、経験値から割り出される車両装備をもって、主要部隊を前方から受け入
     れるイメージで部隊運用していくことで、よりスムーズな現地支援活動への移行が可能
     になるものと思慮します。(文献4)」
   『東日本大震災における津波災害に対する 消防活動のあり方について』


 ◆ [マニュアル]  『惨事ストレスマニュアル』
    報道人ストレス研究会
   『惨事ストレスマニュアル』


 ◆ 『津波と瓦礫のなかで 東日本大震災 消防隊員使等の記』
    南三陸消防署・亘理消防署・神戸市消防局+川井龍介=編
    旬報社
   「3月23日、中央消防署3階会議室に福島第一原子力発電所への派遣隊員53人が結集し
   た。
   『今回の任務にたいする活動方針は、全員無事に帰ってくること!』
    指揮隊長のこの言葉から我々に課せられた任務の危険性が切実に感じられた。
    3月11日東日本大震災が発生し、当初、私は救助部隊の第4次派遣隊として被災地へ向
   かう予定であった。ところが出発2日前になって神戸消防局の震災対応が大きく変わること
   になる。国から福島第一原発への派遣要請があったからだ。任務の内容は原発事故の初動で
   対応にあたった東京消防庁ハイパーレスキュー隊の作業を引き継ぎ、原子炉内の使用済み燃
   料プールへの放水作業をおこなうことであった。」
    ≪活動報告≫ 12.9.7
    ≪活動報告≫ 12.9.19
    ≪活動報告≫ 12.12.11


 ◆ 報告書  『東日本大震災にける消防活動記録』
    仙台市消防局
あいうあ    仙台市消防局は、東日本大震災発生直後から約3か月間の
  消防関係者の活動をまとめた『東日本大震災にける消防活動
  記録』を作成した。消防ヘリコプターからの撮影など豊富な
  写真にに加え、過酷な現場に従事した職員手記も掲載。組織
  と個人の両面から震災の現実を伝える資料集に仕上げた。
   (「河北新新報」 の紹介記事から)
  ≪活動報告≫ 12.12.7


 ◆ 新聞記事 『ソウル 心の傷は消さない』
    朝日新聞 14.3.11
   『ソウル 心の傷は消さない』


 ◆ 『消防団の闘い. -3.11東日本大震災-』
    財団法人 日本消防協会 編
    近代消防社 2012.4
 東日本大震災において消防団は、まさに地震の最中から活動
を開始しました。海岸近くの消防団は水門閉鎖の任務を負って
います。その後住民の避難誘導、救助活動を行いました。壊滅
した地域のなかで救助、消火、行方不明者検索、瓦礫撤去、避
難所運営支援、夜間警戒などを水も食料も燃料もない、通信手
段も失われる極めて苛酷な状況のなか続けました。
 岩手、宮城、福島の消防団員254人が犠牲になりました。
 そのような消防団の活動を青森から千葉県での消防団員66
人からインタビューしていてまとめています。
『読売新聞』2012年4月20日
≪活動報告 13.3.5≫


 ◆ 消防防災博物館 東日本大震災特設コーナー
   被災地消防職団の活動状況  写真 その他
    東日本大震災特設コーナー
    東日本大震災記録集


 ◆ 「東日本大震災に派遣された消防官の惨事ストレスと
     メンタルヘルスについての横断研究」
    野島真美  岡本博照  神山麻由子  和田貴子  角田透
    杏林医会誌 44巻1号  2013年3月
   「東日本大震災に派遣された消防官の惨事ストレス」
   「自然災害や事故などの惨事ストレスに曝露の機会が多い消防官にPTSDが比較的多いこ
   とが知られている。IES-Rを用いた先行研究では、Corncil はカナダの消防官1154
   人のうち16.5%の隊員がPTSDであること、Nurmi はフィンランド沖の沈没船救助に
   関わった看護師、警察官、レスキュー隊員、消防官の中で消防官のIES-R得点が最も高
   値であることを報告している。韓国の消防官5.145人を対象にした研究ではPTSDの
   ハイリスク群が37.2%、消防官227人のうち10.6%がPTSDと判定されたと報告
   されている。また、Berninger らは9.11事件を体験したニューヨーク市消防隊員565
   6人を対象にした縦断研究を行い、事件から6か月後では8.6%の隊員に、事件から約3
   -4年後には11.1%の隊員に、全体を通して15.5%の隊員にPTSD疑いがあり、現
   場到着が早い隊員ほどPTSD疑いの割合が高くなることを報告している。」


 ◆ 『平成23年版 消防白書』
    消防庁 平成23年12月16日
   「2 惨事ストレス対策
    東日本大震災では、岩手県、宮城県及び福島県(以下「主な被災3県」という。)をはじ
   め、全国から派遣された緊急消防援助隊など多くの消防職団員が災害活動に従事したが、地
   震・津波により破壊された住宅等のがれきの中などでの人命検索や福島第一原発の事故によ
   る放射線被ばくの恐怖と戦いながらの活動など、精神的にも身体的にも大変困難な状況下で
   の活動であった。
    このような過酷な状況下では、惨事ストレスの発生が危惧されることから、消防庁では5
   月から、現地の消防本部等の求めに応じて、精神科医等の専門家で編成される緊急時メンタ
   ルサポートチーム(以下「チーム」という。)を派遣し、必要な助言等を行うなど、惨事ス
   トレス対策を実施してきた。
   (1)消防本部に対するケア
    現場活動に従事する消防職員に惨事ストレスの発生が危惧されたことから、3月23日に
   消防職員の身体的・精神的ケアに関する事務連絡を発出し、4月15日にチームの派遣要望
   調査を実施した。その結果を取りまとめ、被災地を重点対象として派遣することとする一方
   で、緊急消防援助隊として出動した消防本部に対しては、消防庁からの早期の派遣は困難で
   あったことから、独自のメンタルケア対策をとる本部のために、専門家を紹介するとともに、
   その経費については、平成23年度補正予算(第1号)で対応可能である旨の周知を行った。
   チームの派遣は5月17日から開始し、(平成23年11月1日現在)要望のあった被災地
   (宮城県 福島県)の合計6消防本部の消防職員(全体講義受講者518人、個別カウンセ
   リング受診者226人)を対象に実施した。
   (2)消防団に対するケア
    これまで、消防団に対するチームの専門家の派遣事例はなく、今回の震災では前例のない
   中での対応となったが、4月27日に地元の保健所等との連携や、厚生労働省の「心のケア
   チーム」による対応などについて事務連絡を発出した。しかしながら、津波による甚大な被
   害を受けた沿岸部市町村では、各種の災害対応関係業務に追われるなど、消防団員への心の
   ケア対応は困難な状況であった。こうした状況を踏まえて、消防職員と同様、消防庁からチ
   ームの専門家を派遣することとし、(財)日本消防協会と共同して、5月19日から被災県
   に対して要望調査を開始した。
    その結果、要望のあった市町村の消防団に対して、チームの専門家の派遣を開始し、(平
   成23年11月1日現在)合計5市町の消防団員(全体講義受講者204人)を対象に実施
   した。
   『平成23年 版消防白書』


 ◆ 『都市部の消防団員における家族に対するストレス
    開示抑制態度とソーシャルサポートが
    精神的健康へ及ぼす影響』
    兪 善英(筑波大学大学院人間総合科学研究科)  松井 豊(筑波大学人間系)
   『都市部の消防団員における家族に対するストレス開示抑制態度』
   「消防団員のストレス対策については、東日本大震災の際、被災地の消防団員の死傷者が多
   く発生(被災した消防職員の中で死者23人、行方不明者4人、負傷者5人であり、被災し
   災した消防団は死者252人、行方不明者2人、負傷者46人;総務省消防庁災害対策本部,
   2012)したことから、消防団員のストレス対策の必要性が指摘されるようになった。現在行
   われている消防団員のストレス対策は、東京消防庁で2007年から消防団員を対象とした
   研修を行っており、消防団員のストレスケアのためのシステムが構築されている。
   『朝日新報』2013年3月12日
   『河北新報』2011年10月28日


 ◆ 『東日本大震災に係る消防職員の惨事ストレスケアについて』
    月刊誌『近代消防』 平成23年12月号


 ◆ Report 『東日本大震災に係わる消防団員の
      惨事ストレスケアについて』
    消防・救急課防災課
    『消防の動き』 2011.12号
   『東日本大震災に係わる消防団員の惨事ストレスケアについて』


 ◆ 連載 『消防職員の惨事ストレスとその対策』
    武蔵野大学心理臨床センター 東京消防庁惨事ストレス対策専門指導員 笹川 真紀子
    『近代消防』 第1回 2011.1号 『第1回』
           第2回 2011.2号 『第2回』
           第3回 2011.3号 『第3回』
   ≪活動報告≫ 11.9.30


 ◆ 『消防職員における遅発性の惨事ストレスの分析』
    松井 豊 (筑波大学大学院人間総合科学研究科)  畑中美穂 (名城大学人間学部)
    丸山 晋 (淑徳大学総合福祉学部)
    『対人社会心理学研究』 11号
    大阪大学大学院人間科学研究科 対人社会心理学研究室  2011.11
   『消防職員における遅発性の惨事ストレスの分析』
   「本研究の分析結果から、遅発性惨事ストレス反応の規定因を推定してみると、事案自体に
   は子ども死亡事案以外に特徴がみられず、『指揮本部要員』という活動中の職務と、同僚か
   らのサポートの少なさに特徴がみられた。Table 7をみると、『指揮本部要員』に加えて
   『消防隊長』、『救助隊長』、『救急隊長』という指揮にあたった職が遅発群の47%を占
   めている。この結果と兵庫県精神保健協会こころのケアセンター(1999, 2000)の知見を総合
   すると、指揮にあたった職員や現場で直接活動しなかった本部要員が、災害や事故の終息後
   に、達成感の不足や自身の指揮命令に対して反省したり悔んだりして、自責感をかかえ、同
   僚に相談できないまま、遅発性ストレスに苦しむ姿が浮かび上がってくる。少なくとも、一
   部の遅発性ストレスの発生には、こうした指揮命令に関わる自責感が影響しているものと推
   測される。
   『朝日新聞』 2011.10.16
   ≪活動報告≫ 11.10.21


 ◆ 新聞記事 『韓国 消防職員の惨事ストレス』
    『朝鮮新報』 2011.6
   『朝鮮日報』
   「全羅南道では先月、3人の消防官が相次いで自ら命を絶つという事件が発生した。これら
   の消防官たちは、悪条件の下で人命を救助する作業に従事し、うつ病の症状に悩んでいたと
   いう。
    消防官たちは、火災・交通事故・水死の現場など最悪の事故現場を走り回り「心的外傷後
   ストレス障害(PTSD)」に悩むケースが多い。PTSDとは、凄惨な現場を経験した後、
   恐怖感や無力感が続く症状を指す。
    中央消防学校によると、火災を鎮圧するハイリスクグループの消防官のうち、13.3%
   が「精神疾患レベルのうつ病の症状」を抱えている。」
   ≪活動報告≫ 11.10.21


 ◆ 『地方都市消防職員の惨事ストレスに影響を与える要因』
    牧野公美子 ・ 渡邊泰秀
    『トラウマチィック・ストレス』 2011.2
   「本研究では、全階級を通じて自己表現を抑制する職員ほど現在の精神健康度は不調であっ
   た。ストレス管理の観点からも、ストレス内容を表出する行動そのものが、ストレス発散に
   繋がる有効な対処法になっていると述べられている。階級にかかわらず、消防職員1人ひと
   りが抱えるストレスを率直に表現、伝達できるスキルを身に付けられるよう育成し強化する
   ことが重要であると考えられた。」


 ◆ 『「消防職員の惨事ストレス初級研修」のフォローアップ研究
    -効果の持続性及び実践現状の視点から-』
    筑波大学大学院(博)人間総合科学研究科 食善英   筑波大学大学院人間総合科学
    研究科・心理学系 松井豊   東京学芸大学総合教育科学系教育心理学講座 立脇洋介
    筑波大学大学院(博)人間総合科学研究科 高橋幸子
    『筑波大学心理学研究第』 39号 2010
   『消防職員の惨事ストレス初級研修』


 ◆ 『韓国における消防職員の惨事ストレスの実態と対策』
    ユ ソニョン
    『トラウマティック・ストレス』 2010.9


 ◆ 『惨事ストレスケアにおけるデブリーフィングの調査検証』
    君塚 聡子  加藤 友啓  日高 一誠 [他]
    東京消防庁消防技術安全所  消防技術安全所報 (46), 67-78, 2009
   『惨事ストレスケアにおけるデブリーフィングの調査検証』


 ◆ 『消防職員の惨事ストレス研修の試み』
    筑波大学大学院人間総合科学研究科・心理学系 松井 豊  日本学術振興会特別研究員
    (筑波大学) 立脇 洋介  筑波大学大学院 (博) 人間総合科学研究科 高橋 幸子
    『筑波大学心理学研究』 第36号  2008年
   『消防職員の惨事ストレス研修の試み』


 ◆ 『消防職員のためのPTSD予防チェックリストの作成』
    畑中美穂  松井豊  丸山晋  小西聖子  高塚雄介
    立正大学心理学部研究紀要Vol. 5  2007
   「日本の消防職員を対象とした無作為抽出調査では、ストレス症状を自覚するような災害との
   遭遇頻度と、災害現場での活動時の心身症状、および勤続年数が外傷後ストレス反応を規定し
   ていることが明らかにされた。すなわち、頻繁にストレス症状が生じるような災害を体験して
   おり、災害活動時の症状が多く、また、消防の職務に長く就いている者ほど、後のストレス反応
   がより強く生じており、PTSDの危険性が高かった。
   『消防職員のためのPTSD予防チェックリストの作成』


 ◆ 『消防士のストレス Firefighters,Stress In』
    T L Guidotti
    George Wasington University, Wasington DC,USA  (2007年)
    古賀 章子 (訳) 久留米大学医学部精神神経科教室
   『消防士のストレス』


 ◆ 『惨事ストレス対策に関する調査検証』
    加藤友啓 君塚聡子 日高一誠 他
    消防技術安全報 43号 (平成18年)
   『惨事ストレス対策に関する調査検証』
   「デブリーフィングのやり方に対して感じたことや今後の希望
    『非番目、週休日は負担である』、という意見が多かった。
    実施に対する疑問を話すものが多く、『心の内を話すことを促されでもあまり発散に役立
   つ感じがしなかった』、という印象を話していた。『ストレスを自分が感じているかどうか
   は自分で判断がつきにくく、自分にストレスはないと思い込んでいる場合もある』と話す者
   があった。『この様な症状がストレスだ、だからこの様に解消した方が良い』という教養が
   役立つという意見があった。
    『自分自身や同僚等に受傷がある場合には、グループミーティングは向いていない』とい
   う意見があった。
    『また多人数(10名以上)での実施は、他人の話を大量に聞かなくてはいけなくて疲労感
   が残った』と話すものがいた。」


 ◆ 『消防隊員のメンタルヘルスについての実態調査報告』
    大岡由佳  辻丸秀策  大西良  福山裕夫  矢島潤平  前田正治
    『久留米大学文学部紀要』 社会福祉学科第6号 (2006年)
   『消防隊員のメンタルヘルスについての実態調査報告』
   「2.消防隊員におけるPTSD症状の特徴
    消防隊員のPTSD症状の特徴として、再体験症状が顕著であり、それに続き回避麻痺症
   状、過覚醒症状であった。これは、消化・消防活動が『避けたくても避けられない』という
   ことから、つねに惨事ストレスに暴露されている自治を如実に語っているといえる。つまり、
   現場にいけないなどの回避症状やボーとしてしまう麻痺状態や、神経過敏状態で過剰に反応
   したりする過覚醒症状を呈していないからこと、仕事に支障を来さず職務を遂行できている
   と考えられる。
    ここで問題となるのは、消防隊員はPTSD症状を呈しやすいのではないかという疑問で
   ある。しかし、オクラハマ爆破事件の消防隊員と一般成人の事後調査を行った North
   (2002)の報告にあるように、一般人被害者と比較して消防隊員のPTSD有病率は低
   いということである。また、フィンランド沿岸での沈没事故救助に関わったレスキュー隊、
   消防隊員、警察官、看護師を対象にした調査(nurmi.1999)においても看護師、警察官、
   レスキュー隊、そして消防隊員の順でIES-R得点が高く、消防隊員は一番低かったと報
   告している。」


 ◆ 『消防職員の現場活動に係るストレス対策
     フォローアップ研究会 報告書』
    (財)地方公務員安全衛生推進協会 平成18年3月
   『研究会報告書』
   RPORT 『消防職員の現場活動に係るストレス対策フォローアップ
    研究会報告書概要』
    『消防の動き』 消防・救急課
   『研究会報告書概要』
   「(1) 消防本部に対する実態調査の結果
    本調査は、惨事ストレスに関する消防本部の対応状況等を把握するために実施した。
    ・何らかのメンタルヘルス対策を実施している消防本部は6割(59.5%)で、その内
     容については「職員研修」(36.3%)、「パンフレット等による啓発」(23.8
     %)、「面接相談」(17.3%)が中心であった。また、何の施策も実施していない
     本部は4割(40.1%)であった。
    ・惨事ストレス「教育」を行っている本部は23.8%で、地域別では「関東」(30.3
     %)や「近畿」(33.6%)が多く、「北海道」(14.8 %)や「中国・四国」
     (14.7%)では少なかった。
    ・惨事ストレスを受けた職員を何らかの方法で把握している本部は3割強(30.3%)で
     あった。把握方法としては「隊長等が行動や言動等を観察し把握」(25.1%)が多か
     った。
    ・ストレスを受けた職員へのケアを行っている本部は9.8%で、ケアを行っている本部
     は都市部の本部に偏っていた。」


 ◆ 『消防職員の日常的健康状態と職業ストレス』
    横山 さつき
    『中部学院大学 研究紀要』 第6号
   『消防職員の日常的健康状態と職業ストレス』


 ◆ 『職業的災害救助者の参事ストレス調査
     ―消防職員を対象として―
    麻布大学環境保健学部社会環境研究室 田之内厚三
    『麻布大学雑誌』 第11-12巻 21-32
   『職業的災害救助者の参事ストレス調査』


 ◆ 『PTSDの研究の現場から
    惨事ストレスに取り組む “風土” づくりを!』
    -久留米大学医学部・前田正治氏に訊く-
    元大阪市消防局警防部長 吉田 美次 
    『近代消防』 05年10月号
    世界的に惨事ストレスが問題にされてきた経緯に触れています。
    対応策として、消防庁では事前対応としては研修で自覚を促し、事後対応としてはデブリ
   ーフィング (災害体験についてのミーッティング等) などの手法が用いられています。


 ◆ 『消防局職員のメンタルヘルス研究報告について』
    花田 直子 ほか
  『消防局職員の職務上の衝撃的体験によるストレス』
    山下 由紀子 ほか
  『消防局職員による精神健康度とTCI』
    朴 順禮 ほか
  『消防局職員の職務満足感に関する検討』
    菅原 千代子 ほか
    『聖マリアンナ医学研究誌』 通巻80 (2005年)


 ◆ 『被災者及び救援者の心の傷と救助活動のあり方について』
    北九州市消防局 若松消防署 警防課
   『被災者及び救援者の心の傷と救助活動のあり方について』


 ◆ 『消防職員の惨事ストレスの実態と対策の在り方について
    ~消防職員の現場活動に係るストレス対策研究会報告書~ 』
    消防職員の現場活動に係るストレス対策研究会   平成15年2月
   『消防職員の惨事ストレスの実態と対策の在り方について』
   『消防職員の惨事ストレスの実態と対策の在り方について 報告書』
   「(3) ストレス反応の発生
    惨事ストレスによるストレス反応は、災害現場活動直後から症状として現れ(ASD)、
   おおむね3ヶ月程度で治まってくるPTSD 急性型、3ヶ月以上続くPTSD 慢性型、6
   ヶ月以上経過してから発症するPTSD 遅発型などがある。
    そして、その症状はASD、PTSD 共通で、身体的・精神的・情動的・行動的反応の
   大きく4つに分類することができる。これらの症状は時間の経過とともに回復することがほ
   とんどであるが、長引いたり、悪化したり、日常の生活に影響が出る場合があるので、初期
   段階での対応が重要となる。
    ①身体的反応
     呼吸・心拍数の増加、頭痛、下痢、発汗、不眠、食欲減退、頻尿など
    ②精神的反応
     悪夢、入眠困難、想起困難、感情の麻痺、現実感の消失、注意力の減退、集中力の低下、
     侵入症状(忘れようとしていることが意に反して突然蘇える)、フラッシュバック(災
     害のことが現実のように再び蘇える) など
    ③情動的反応
     不安、恐怖心、おびえ、怒り、悲嘆、無力感、罪悪感、悔恨など
    ④行動的反応
     過度の活動性、落ち着きのなさ、深酒、過度の薬物利用(睡眠薬、精神安定剤、鎮痛剤
     等)
   などどこれらの反応は、特殊なものでも異常なものでもなく、誰にでも起こるごく一般的な
   反応である。これを何事もなかったように隠したり、平気を装ったりすることは、かえって
   状態を悪化させるおそれがある。」


 ◆ 「そのひと言があったから……」
    松崎俊道
    近代消防ブックレットNo.13  近代消防社
   「アメリカの臨床心理学者ボブ・ベイカー博士が『惨事ストレス』についての講演の会場で
   次のような発言を残しています。
   『日本文化は一般的にみて、感情を表出しない文化であるように思います。
    本当は自らの悩みや不安を他の人に話さなければならないのに、そのようにはしない傾向
   があるように思います。その結果、感情が抑圧され、身体的症状、例えば、頭痛や胃潰瘍な
   どの症状が、日本人には出やすいように思えます。』
    ……
    消防庁の調査によると消防職員の惨事ストレスの最も大きな原因は、1位『死体を見た、
   あるいは死体に触れた』、2位『死体が凄惨、あるいは衝撃的な災害であった』です。(有
   効回答数880)。以下、『ふだんの災害より過度に体力を消耗した』、『死傷者がいると
   ころで長時間作業をした』、『遺体が哀れであった』などと続きます。
    しかし、この1位、2位のデータがダントツに多い。  ……
    英語で特定の任務を終えた人から報告を受けることをデフリーフ(debrief)と言います。
   そこからデフリーフィング(debriefing)は、米空軍用語として「帰還報告」の意味になり
   ました。
    そして、消防など災害にかかわる人々の間ではとくにこのデフリーフィングは『災害対策
   報告会』の意として活用されるようになりました。」


 ◆ 『新宿歌舞伎町ビル火災と東京消防庁の惨事ストレス対策』
    東京消防庁人事部健康管理室主任 五十嵐幸裕
    『近代消防』 2001.12
   「われわれ消防の世界では、災害現場で悲惨な体験をしたり恐怖を味わったりしても、自分
   自身で乗り越えてきました。
    特に、むごたらしい死体を見て気持悪くなったり、匂いを嗅いで吐き気がしたりしても、
   それはどちらかというと『恥』と捉えやすく、周りにはあまり大きい声では言えなかったこ
   ともあったと思われます。そのような感情を乗り越えてこそ1人前の消防官というように見
   なす空気が土壌にあったことも事実です。
    しかし、『基本的にストレスを受けない者はいない』と一般的に言われていますが、スト
   レスをストレスと認識できないのが現状で、『風邪という症状をしらない人間は医者に行か
   ない』と言うことと同様で、本人がそのことに気づかなければ何ら解消に繋がらないという
   ことになります。
    今私達に必要なことはストレスをストレスと正しく認識して、早期にストレスを解消し、
   後に引きずらないようにしていくことが大切なのです。」


 ◆ 『災害救援者の心理的影響に関する調査研究報告書』
     阪神・淡路大震災が消防職員に及ぼした長期的影響
    兵庫県精神保健教会こころのケアセンター
   『災害救援者の心理的影響に関する調査研究報告書』
   「平成11年8月に神戸市消防局職員を対象に、阪神淡路大震災による心理的影響について
   アンケート調査を行った。有効回答は1211件で、その主な結果は、次のような点である。
   ① 震災から4年半の時点で、PTSD(外傷後ストレス障害)の症状を強く有すると判断
    される者は、全体の11.7%であった。震災時の業務活動における非常事態ストレス
    (CIS)の強さで分類すると、CISに強く暴露された者(高暴露群)では16.3%
    と最も多くついで現場活動に従事しなかった者(待機群)4.1%の順であった。また、
    震災時消防職員でなかった者では、5.8%であった。」


 ◆ 『現代の消防における職業ストレスの役割』
    クリフォードF.カーライル、 マウンテンブルック消防署 アラバマ州  1999年9月
   『現代の消防における職業ストレスの役割』


 ◆ 『非常事態ストレスと災害救援者の健康状態に関する
      調査研究報告書』 ――阪神・大震災が兵庫県下の
      消防職員に及ぼした影響――
    兵庫県精神保健協会 心のケアセンター
   『非常事態ストレスと災害救援者の健康状態に関する調査研究報告書』
   「今回のような予想外の状況では、組織としての機能が麻痺してしまい、様々な葛藤を生む。
   指揮命令系統の混乱、同僚や部下との意見の食い違いなどは、消防が通常は組織的に整然と活
   動するだけに、大きなストレスを各レベルの隊員にもたらしたし、上司や同僚とのコニュニケ
   ーションの不足や感情的な対立、あるいは評価されていないという感情なども少なからず影響
   した。また、外来の応援者や他の組織との困難な調整や対立などもストレッサ―になったこと
   が、自由記載や面接などでは述べられている。
    これらの要因は複合的に影響するが、一般的には各要因が大きいほど、あるいは要因の数が
   多いほど、メンタルヘルス上の問題を惹起すると考えられる。しかしながら同じ体験をした全
   の者に、同じような精神的問題が必ずしも発生するわけではない。」


 ◆ ホームページ 『阪神・淡路大震災 消防職員手記
    -平成7年1月17日午前5時46分
    その時、消防職員の胸に去来したものは-』
    神戸市消防局
   『阪神・淡路大震災 消防職員手記』
   「1月17日午前5時46分は、夢の中にいた。前日までの連休中は、市民駅伝大会(2月
   18日開催予定)の練習のため総合運動公園の外周を走り回った。夢の中で急な坂道を登り
   ながら苦しい、頭がくらくらすると思っていたら何故か体もぐらぐらする。しばらくは(1
   秒にも満たない時間)体の自由が利かなくなってしまった。体が勝手に動いているといった
   感じがした。しかし、我にかえってみるとあの恐ろしい地震の真最中であった。慌てて隣に
   寝ている妻に覆い被さった。
    一呼吸して真暗な中で妻の無事を確認し、子供部屋に寝ている長男(7歳)長女(4歳)
   の名前を叫んだ!しばらくして『お父さん!』と呼ぶ声がした。……子供は布団にもぐり込
   んで無事であった。
    ……私は、『神戸は安全である』という神話の虜になっていた。
    緊急連絡網にしたがって電話を掛けてみたが、繋がらなかった。家族を痛んだ建物には置
   いておけないと考え、自動車でいっしょに職場へ向かった。
    国道2号線までは順調に進んだが、いったん国道2号線に入ったら大渋滞で塩屋駅まで1
   時間かかった。このままでは駄目だと思い、緊急連絡網の前後の職員宅へ行きそれぞれ出勤
   したと聞き自宅に戻った。家族を自宅に残し再び自動車で職場に向かった。国道2号線は相
   変らず大渋滞であった。先程よりも状況は悪化していた。
    やむなく自宅に戻り今度は自転車で向かうことにした。古い家で心配そうな顔の長男に
   『困った人を助けてあげるのがお父さんの仕事だから』と言って家を出た。内心家にいて家
   族を守らなくてはとも思ったが、出かけた。」



     ≡ 新 聞 記 事 ≡  
 ◇ 『〈原発事故〉
   消防団の「無念」アニメ完成』
   河北新報 2016.3.9
  「沿岸の請戸地区は2011年3月11日、
  津波で多くの家屋が流され、消防団が懸命の
  捜索を始めた。翌日、福島第1原発が爆発。
  がれきの下で多くの人が助けを待っていると
  知りながら、捜索を断念せざるを得なかった。
  『〈原発事故〉消防団の「無念」アニメ完成』
  『〈原発事故〉消防団の「無念」』
 ◇ 『惨事ストレス
   ねぎらいこそ最大のケア』
   神戸新聞 2014.12.24
  「『絶対に助ける』という使命感と『何もで
  きなかった』という無力感。活動で幾多の死
  に接する消防隊員は『惨事ストレス』にさら
  される。
   課題は阪神・淡路大震災で表面化した。」
  『惨事ストレス ねぎらいこそ最大のケア』
 ◇ 『広島土砂災害:消防職員5%に
   ストレス反応 PTSD懸念』
   毎日新聞 2014.9.9
   広島市消防局が、今回の土砂災害で捜索活
  動に携わった隊員を含む全職約1300人を
  対象に健康状態調べたところ、5%程度当る
  60〜70が配慮必要なストレ反応を示して
  いたことが分かった。」
  『広島土砂災害:消防職員5%にストレス反応』
  ≪活動報告≫ 14.9.12
 ◇ 『大島の消防団員がPTSD』
   産経新聞 2013.12.11
  「伊豆大島(東京都町)の土石流災害で救助
  活動をした男性消防団員1人が、フラッシュ
  バックや不眠などの症状を訴え、心的外傷後
  ストレ障害(PTSD)と診断されていたこ
  とが11日、町への取材で分った。」
  『大島の消防団員がPTSD』
 ◇ Re−福島:東日本大震災
     第3章・あの日、あの時
   毎日新聞 2013.9.3~9.6
  『消防団員の命どう守る?
    弱者見捨てられぬ』
  「消防団員はどこまで命をかけるのか―。遠
  藤は「法被を着た人間が先に逃げるなんて、
  多分できない。でも震災後やめた団員もおり、
  若い団員には命をかけろなんて言えない」
  『消防団員の命どう守る?』
  『孤軍奮闘の8日間
    小さな消防に「誇り」』
  「秋元はその日の夜、隊員約100人を出張
  所に集め、要請内容を伝えた。「命の危険を
  冒してまで東電に協力しなければならないの
  か」。東電への不信と、消防の使命感の間で
  隊員の心は揺れた。卒倒する者もいて、結論
  は出なかった。」
  『孤軍奮闘の8日間 小さな消防に「誇り」』
 ◇ 『津波、消防団も逃げる』
   朝日新聞 2013.8.20
  「震災の夜から避難所運営や地域のパトロー
  ル、遺体捜索に当った。『生き残った後にこ
  そ、やるべきことがたくさんあった。地元に
  暮らす消防団員がしっかり生き残らねばなら
  ない。それが教訓です。」
  『津波、消防団も逃げる』
 ◇ 『焦点/消防団「退避」
   進むルール化』
   河北新報 2013.6.16
  「各自治体がルール策定を急ぐのには、総務
  省消防庁の有識者検討会による昨年3月の中
  間報告がある。震災では津波到達時刻を知ら
  なかったり、1人で複数の水門閉鎖を担った
  りして大勢の団員が亡くなった。
   このため報告は、団員も含め全住民の避難
  を最優先すると強調。報告に基づき総務省は
  各自治体に通達を出し、団員の退避ルール策
  定を求めた。」
  『焦点/消防団「退避」進むルール化』
 ◇ 『命まもるために
   消防団の安全確保 各地で手探り』
   朝日新聞 2013.3.12
  「広島市消防局が、今回の土砂災害で捜索活
  動に携わった隊員を含む全職約1300人を
  対象に健康状態調べたところ、5%程度当る
  60〜70が配慮必要なストレ反応を示して
  いたことが分かった。」
  『命まもるために』
 ◇ 『消防隊員に残るストレス』
   朝日新聞 2013.1.21
  「菊池署長は隊員の心のケアを含めた後方支
  援の必要性を訴える。『発生から約1週間後、
  大阪から応援に来た消防隊に「みなさんを休
  ませるために来ました」と言われ、ようやく
  救われた気持ちになった』」
  『消防隊員に残るストレス』
 ◇ 『消防団 独自に退避ルール』
   朝日新聞 2013.1.13
  「東日本大震災で16人の消防団員が亡くな
  ったり行方が分らなくなったりした宮古市で
  は昨年2月、水門を閉める消防団員の退避の
  目安をマニュアルに書き加えた。」
  『消防団 独自に退避ルール』
 ◇ 『惨事ストレス 軽減支援』
   朝日新聞 2013.1.11
  「東日本大震災では、全国消防職員協議会な
  どの調査で、被災地に派遣された隊員の9割
  が不眠や自責の念に駆られるなどの症状を経
  験したことが判明。」
  『惨事ストレス 軽減支援』
 ◇ 『消防団員も命を第一に』
   朝日新聞 2012.9.24
  「消防団員は市町村ごとに設置され、団員は
  非常勤の地方公務員だ。本業ではない消防活
  にどこまで専念し、どの時点で自らの命を優
  させるのか――。東日本大震災後、各地の消
  防団に重い課題がつきつけられた。」
  『消防団員も命を第一に』
 ◇ 『消防団員 苦闘の記録
  「住民が逃げないと逃げられない」』
   読売新聞 2012.4.20
  「『団員は家族や同僚を失っても、救助や遺
  体捜索にあたった。それにもかかわらず『入
  団して良かった』と口をそろえたところに胸
  がつまった。』」
  『消防団員 苦闘の記録』
 ◇ 『【被災地から 東日本大震災】
   岩手県宮古市の消防団員』
   産経新聞 2012.2.10
  「しかし、宮古市田老地区担当の第28分団
  に津波の犠牲者はなかった。団員を守ったの
  は『水門閉鎖や避難誘導は地震発生から15
  分まで』とする独自ルール。これを受けて宮
  古市では、消防団員の安全確保のため、地震
  時の活動は津波の到着予想時刻の10分前ま
  でとした。」
  『岩手県宮古市の消防団員』
 ◇ 『震災で犠牲の消防関係者281人』
   朝日新聞 2011.12.16
  「震災を踏まえた課題として、焼亡団員の装
  備や訓練の充実、水門閉鎖の自動化などを挙
  げた。また、消防職員、団員の被災ストレス
  対策として、精神科医などを現地に派遣して
  心のケアにあたる必要性も指摘した。」
  『震災で犠牲の消防関係者281人』
 ◇ 『消防団員の犠牲防げ』
   朝日新聞 2011.11.25
  「消防団員による水門閉鎖訓練は、チリなど
  遠隔地で起きた津波や台風の高潮など時間に
  余裕がある想定が多く、いつ到達するか不明
  津波は経験がなかった。」
  『消防団員の犠牲防げ』
 ◇ 『3県消防団員253人犠牲』
   河北新報 2011.10.28
  「消防庁によると、3県の団員計約8万人う
  ち、岩手で119人、宮城で107人、福島
  で27人が犠牲となった。市町村別の犠牲者
  数は表の通り。」
  『3県消防団員253人犠牲』
 ◇ 『消防士9割「惨事ストレス」』
   朝日新聞 2011.10.16
  「活動時の精神的状態として『被災者や遺族
  に強く同情した』(42%)が最も多く、
  『もっと役に立てないのかと自責の念にから
  れた』が40%。ほかにも、複数回答で津波
  や余震への不安や不眠、絶望を感じたり、涙
  が止まらなくなったりするなどの症状を訴え
  た隊員も1~3割いた。」
  『消防士9割「惨事ストレス」』
  ≪活動報告≫ 11.10.21
 ◇ 『殉職10人の勇気、胸に刻む
    気仙沼・本吉消防が慰霊祭
   河北新報 2011.9.26
  「同消防本部では、南三陸消防署(南三陸町)
  が壊滅的な被害を受け、通信業務をしたり、
  庁舎前で避難誘導をしたりしていた消防士が
  津波の犠牲になり、うち2人はまだ見つかっ
  ていない。」
  『殉職10人の勇気、胸に刻む』
 ◇ 『殉職消防団員 届かぬ補償』
   朝日新聞 2011.7.20
  「殉職した団員は阪神大震災は1人。伊勢湾
  台風でも約60人だった。過去10年間は年
  平均7.6人だったから、約30年分の支払
  いが一度に来た計算だ。」
  『殉職消防団員 届かぬ補償』
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