いじめ・メンタルヘルス労働者支援センター(IMC)




















  『本』の中のメンタルヘルス 日本




    「全員セールス」の時代
     熊沢誠著『日本的経営の明暗』(1989年刊 岩波新書)

    いま職場に生じつつある仕事の変化の重要な側面のひとつは、『販売・営業』以外の職種の担務
   にもセールスの要素が加えられていることだと思う。『全員セールス』の時代といわれる。セール
   スは心労の多い仕事だ。……セールスはいわゆる単純労働ではないかもしれない。
    しかし総じて、じっくり考えてことを進める創造的な仕事でもないだろう。ここでの多くの場合、
   一定の商品知識と面接技術を把握した上では、なによりも売りを押し込む意欲と体力が要求される。
   ときにはファナティックに自己を鼓舞することができなければ続けられるものではない。有名な
   『地獄の特訓』は、内心忸怩(じくじ)とせずそうした『鼓舞』のできる戦士をつくる人間工学で
   あろう。どんなハイテク商品も、それが顧客の手に渡るまでには、このような野蛮な『男の舞』が
   不可欠であるとされている。セールス労働には不適応になる人が多く、定着率がなかなか高まらな
   いのも無理はない
    現在のような再就職がむずかしい時代はなおさら労働者は無理して仕事にしがみついています。


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