いじめ・メンタルヘルス労働者支援センター(IMC)



















 
  こ こ ろ の ケ ア   惨事ストレス        



  心身の不調は

災害という異常な事態への

   正常な反応



          ※ 惨事ストレスとは ※

      「惨事ストレス」とは「消防隊員、警察官、医療関係者
     などの災害救援者が、現場活動をとおして受ける通常とは
     異なる精神的ストレス」を言います。
      悲惨な状態の遺体を扱うこと、子供の遺体を扱うこと、
     自分自身に危険の及ぶ活動、負傷者や殉教者がでること、
     被害者が自分の家族や知り合いであること、などが惨事ス
     トレスをもたらしやすい状況であることが知られています。
      惨事ストレスについて、我が国で初めて注目されたのは
     阪神・淡路大震災で、神戸市消防局員の手記をまとめた本
     の出版などが契機となりました。
                 (『消防士を救え』より)


  「全国の」左側に「❤心から」、右側に「&世界中の」と加筆されています
              宮城県石巻市・門脇小学校の隣 (12.3.11)



 ◆ << 新 刊 案 内 >> ◆

  『惨事ストレス
    救援者の“心のケア”』

     緑風出版 2000円+税
     『惨事ストレス』編集委員会


   14年3月に神戸で開催した惨事
  ストレスシンポジウムを収録してい
  ます。神戸から東北へのメッセージ
  です。
  「1年半が過ぎた頃から今日まで、
  支援活動に従事していた自治体労働
  者の中から3人の職員が自ら命を断
  ってしまいました。
   いずれも自殺に至ったのは土・日
  曜日またはお正月です。派遣されて
  いた2人は赴任からしばらく経って、
  期間が予定の半分に至る前です。多
  忙ななかでもふと一息入れて自己を
  取り戻した時、先が見えない業務量
  と自責の念で展望を失ってしまった
  のでしょうか。
   これ以上の犠牲者を出させないた
  めの対策が急がれます。」



   <<活動報告より>>
       『震災と「心のケア」』

   「心のケア」 教訓を共有するために ⅩⅡ
   復興期の 「心のケア」 ⅩⅠ
   復興期の 「心のケア」 Ⅹ
   震災体験の 「心のケア」 を記録に残す Ⅸ
   犠牲者を出さないための 「心のケア」 Ⅷ
   震災1年半後の 「心のケア」 Ⅶ
   惨事ストレスと 「心のケア」 Ⅵ
   惨事ストレスと 「心のケア」 Ⅴ
   長期の支援活動と 「心のケア」 Ⅳ
   災害活動と 「心のケア」 Ⅲ
   救援活動と 「心のケア」 Ⅱ
   ボランティア活動と 「心のケア」 Ⅰ




 ★ 『惨事ストレス:救援者の“心のケア”
     熊本地震救援・支援活動の一助に』
    いじめ メンタルヘルス労働者支援センター 千葉 茂
    『安全センター情報』2016.3号  全国労働安全衛生センター連絡会議
   「阪神淡路大震災から1年過ぎて、阪神大震災を記録しつづける会編『阪神大震災 もう1年
    まだ1年』(神戸新聞総合出版センター)が刊行されました。68人の記録が収められてい
   ます。そのなかの1編は警察官の妻です。

   『自信と誇りを』
   『あの大震災より半年余りが過ぎた。疲れ果てた身体が平常に戻りつつある人が多い中、本人
   さえ気付いていない心のケアを必要としている人達のことが今とても気にかかる。
    機動隊員の私の主人。震災前日の当直勤務から4日目に一時帰宅をした。何よりも多くの人
   を生きているうちに救出したいという思いだけで働いていた。言葉数はすくなかったが、無力
   さと悔しさを隠しきれない様子であった。ほどなくおおくの県外の警察官の応援があったが、
   言うまでもなく激務は変わらない。
    私も水汲みと家族の世話に追われていたが、一段落した時はっとした。救出が毎日繰り返さ
   れる中で、主人は一度も自分のしてきた仕事に満足している様子がなかったのだ。それはずっ
   と続いた。……
    被災した方々は、言い尽くせない心の傷を持っておられる。しかし直後から被災者救出や、
   復旧作業、ボランティアに携わった人々も深く心に傷をおっていることも忘れてはならない。
   それは厄介なことに、本人は気付いていないことが多いと聞く。
    加えて自らも被災者という人も大勢いる。真面目に、そして真剣に関われば関わるほど余裕
   がもてず、一途にのめりこんでいく。休息をとることも罪悪感を持ってしまう。第三者的に関
   われず、それが最悪の場合、自殺にも結び付きかねないという。責任者という立場の方は、な
   おさらだろう。幸い、主人は早い時期に自分を取戻し、今は貴重な体験をさせてもらえたあの
   時を大切にしたいと言えるようになった。
    心のケアというものは、私達にはできないものなのか。夜間パトロールで街を歩いている時、
   『ありがとう』『頑張ってね』のそんな一言が、どれだけ多くの警察官を救ったことだろうか。
    避難所のボランティアの方が言っていた。『感謝してほしいと思ったことは一度もないが、
   感謝してくださると元気が出ます』と。街に出て、3歳の息子が県外からの応援のゴミ収集車
   に足を止めて手を振った。笑って手を振りかえしてくれたあの人に、私達の気持ちが伝わった
   だろうか。』」
    ≪活動報告≫ 16.4.19
    << 最近のニュースから >> 16.3.19


 ★ 新聞記事 『「あの日」語ることで次へ』
    桑山紀彦 (心療内科医)
    朝日新聞 2016.3.8
   『「あの日」語ることで次へ』
   「人間は忘れる生き物というけれど、あれほどの体験を忘れられるはずがない。悲しみや悔
   いを封じたままでは、心の傷は癒やされません。それどころか、つらい記憶にさいなまれ続
   けることになる。心的外傷ストレス障害(PTSD)を薬で治すことはできない。
    重要なのは、記憶に支配されるのではなく、記憶を支配できるようになることです。その
   ために必要なのは、語ること。語って現実と向き合うこと。……それが第1ステージです。
    ……
    トラウマの特徴は断片的の記憶しかないことです。……でも、体験を語り、現場に足を運
   んだりするうちに、欠落していた記憶を埋めることができる。同時に、自分を守るため無意
   識に切り離していた感情もよみがえる。……記憶を整えるのが第2ステージです」


 ★ 『災害の襲うとき』 カタストロフィの精神医学
    ビヴァリー・ラファエル 著
    みすず書房 (1988年)
    惨事ストレスに関する調査研究のパイオニアと位置づけられています。しかもたくさんの
   資料を駆使した労作です。
   「もっとも行き届いた調査研究が行われれているのはスリーマイル島原発事故である。この
   事故では放射能汚染の潜在的脅威の期間が長びいたのだが、結局は人命も財産も失われるこ
   ることはなかった。しかし幼い子供たちの母親や妊婦は、急性、慢性いずれもの精神衛生面
   での障害を呈したのである。軽度の精神的症状から治療を要するほどの不安症や抑鬱症が認
   められ、この傾向は事故を起こした原子力発電所の近くの住民、精神医学上の既往症のある
   人たち、それに他から支えが適切を欠いた人たちに多かった。みずからの健康上の危機にさ
   らされたこの発電所の従業員たちは、さらに強い不安、心理的葛藤、仕事に対する不満を経
   験した。この事故に限らず、潜在的な原発事故の可能性はいつも重大な脅威の源泉なのであ
   る。

    ベトナム戦争から帰還した復員兵士は近年の戦争災害の代表的な被災者と考えられる。
    この集団には枯葉剤の使用などをともなう特殊なジャングル戦によるストレス反応として
   の精神的病態が認められ、さらにこの戦争に対する世間一般の支持の欠如と政治的な軋轢が、
   戦闘中に体験したストレスをいっそう増幅させることになった。最近の調査でも依然として
   かなりの程度のストレス性障害が認められ、たとえばある被験グループでは戦闘体験の10
   年後になっても、その43パーセントに中度から強度の心傷性ストレス障害の徴候が認めら
   れている。」


 ★ 『心的トラウマの理解とケア』 第2版
     外傷ストレス関連障害に関する研究会 金 吉晴/編
    株式会社じほう
    被災地で活動されている医療従事者の方々にご利用いただき少しでもお役に立てればと考
   え、本書の一部を無料公開しましたのでご利用ください。(ご執筆された先生方のご協力に
   により公開しております)
   『心的トラウマの理解とケア』 第2版
     - 目 次 -
    執筆者一覧
    総論
     ①トラウマ反応と診断
     ②トラウマへのケアの基本
     ③PTSDの心理療法
     ④PTSDの薬物治療
     ⑤PTSDとソーシャルワーク
    各論
     ①自然災害(総論と災害前準備)
     ②自然災害(急性期)
     ③自然災害(中長期)
     ④集団毒物汚染災害
     ⑤大規模事故(過失災)
     ⑥災害救援者
     ⑪子どものトラウマ 犯罪・いじめ・虐待などを中心に
     ⑬遺族
     ⑭突然の死の告知 (Death notification)
     ⑮難民
    附録
     ①家族・友人が被害に遭ったとき
     ②PTSDの精神鑑定ガイドライン
     ③被害者・被災者を対象とする調査研究のための倫理的ガイドライン
     ⑨情報サイト・相談機関リスト
     ⑩災害時配布のパンフレット見本
     ⑪支援者ストレスのチェックリスト
     ⑫リーディングリスト
   「しかし、災害救援者を対象とした研究では、心理的影響の大きさが明示されている。たと
   えば、オーストラリアの草原火災で活動した消防隊員では、42カ月後の段階で13%がP
   TSDと診断されている。また筆者らが、阪神・淡路大震災の現場で活動した消防隊員に行
   った面接調査では、4年10カ月後の段階で7%がPTSDと診断され、16%にPTSDと
   診断できる時期があったことが判明している。


 ★ 『災害とこころのケア』
    医学書院
   『災害救援者』
   「援助者として大切な態度
    こころのケアを行う援助者は,次の7つの態度をこころがけ,被災者に接するようにする。
   1 支持的であること 被災者の現状をあたたかく受け入れ,その人の価値観や考え方に敬
    意を示す。
   2 共感的であること 被災者の視点にたち,その状況を実感しながらあたたかい態度で接
    する。
   3 誠実であること 口で言うことと,こころで思うことを一致させる。少しでも違うと不
    誠実と思わせてしまうことになりかねない。
   4 肯定的で判断のない態 度被災者は,災害により自身が受けた危機について,それをま
    ねいた責任は被災者自身にあると他者から判断されることを恐れている。そのようには判
    断していないことを伝え,肯定的な態度で接することにより,緊張をほぐすことができる。
   5 被災者の力の回復 看護職者が被災者の生活にかかわる時間は短いことが多いが,少し
    でも被災者が強い気持ちになり,また適切に問題処理ができるように援助する。
   6 実際的であること アドバイスやアイデアは実現可能なものであることが求められる。
    できることとできないことをはっきりさせ,失望させないことも大切である。
   7 守秘および倫理的配慮 被災者の情報を口外しないことは,看護職者の倫理的な義務で
    あである。」


 ★ 『惨事ストレスとは』
   『惨事ストレスとは』
   「災害救援者が体験する惨事ストレスの存在は、徐々に社会的にも認められるようになって
   きたが、災害救援組織の中には、惨事ストレスに対する組織レベルの対策をとろうとする機
   運はなかなか生まれにくい。…男らしさを強調する組織風土から、『俺たちは弱音を吐いて
   はいけない』という弱さを認めない雰囲気に支配されている職場が多い。たとえストレスを
   みとめても、『そんなストレスは、個人で処理すべきことだ』と考えている上司も少なくな
   い。ある災害救援組織の幹部は、『ストレスケアを強調すると、就職希望者が減る』と心配
   していた。
    別の幹部は、『我々は日頃隊員に対して、災害現場では一歩前に出ろと教育しているのに、
   惨事ストレスなんて教えると、隊員が怖じ気づいてしまう』と話し、惨事ストレス教育に強
   く反対していた。災害救援組織においては、惨事ストレス対策を組織的に導入することに対
   して、様々な抵抗が見られるのである。
    筆者は、こうした抵抗が見られる場合には災害救援組織において惨事ストレス対策を導入
   する理由を4点あげて、説得している。


 ★ 「報道人ストレス研究会」
    ジャーナリストの惨事ストレスに関するホームページ
   『東日本大震災に関わる各種文書の公開』
   『報道ストレス研究会』
    3月11日、国内の観測史上最大のマグニチュード9.0を記録した巨大地震に見舞われま
   した。この災害の影響を受けた皆様に哀悼の意を捧げるとともに、心よりお見舞い申し上げ
   ます。

    東日本大震災に関わる各種文書の公開
    2011年東北地方太平洋沖地震の発生に伴い、今回の地震で活用されている災害救援者
   やジャーナリストの方に向け、惨事ストレスケアのための文書を作成しました。こちらから
   ご覧ください。
    本研究会の活動をまとめた『ジャーナリストの惨事ストレス』(現代人文社)が発売中で
   す。
    2011.12.20 東日本大震災に関わる各種文書一覧に関連情報へのリンクを追加し
   ました。
    2011.12.04 関連図書を更新しました。
    2011.05.10 松井豊編『惨事ストレスへのケア』(おうふう)の一部を無料で公
   開しております。
             はじめに・目次
             第1章 惨事ストレスとは
             第4章 災害救援者のストレス
    2011.05.02 災害ボランティア向けの文書(ボランティアをはじめる前に)を公
   開しました。
             東日本大震災に関わる各種文書一覧を更新しました。
    2011.04.30 2ヶ月以降のジャーナリスト向けの文書を作成し、追加しました。
    2011.04.12 東日本大震災に関わる各種文書一覧を更新しました。
    2011.04.01 東日本大震災に関わる各種文書一覧を公開しました。
    2011.03.31 災害派遣組織や職員向けの惨事ストレスマニュアルを更新しました。
              県や市の職員向けの惨事ストレスマニュアルを更新しました。
              ジャーナリスト向けの惨事ストレスマニュアルを更新しました。
                消防職員向けの惨事ストレスマニュアルを更新しました。
    2011.03.29 災害ボランティア向けの惨事ストレスマニュアルを公開しました。
    2010.04.30 研究会の連絡先を追加しました。
    2010.03.31 ホームページを作成しました。


 ★ 【東日本大震災への派遣自治体報告書】
  ・『東日本大震災における東京都支援活動報告書 ~本格的な
       復旧・復興に向けて~ 災害後のPTSD予防に向けて』
    東京都 2013.3
   東日本大震災における東京都支援活動報告書』
  ・『東日本大震災に係る被災地に派遣された職員からの提言
       ~本格的な復旧・復興に向けて~ 災害後のPTSD予防に向けて】
    横浜市 複数区局にわたる本市派遣者一同  2011.9
   『東日本大震災の救援者の心的外傷後ストレス障害に関する調査』
  ・『東日本大震災の被災地への神戸市支援活動記録誌の中間報告』
    神戸市  2012.1.11
   『東日本大震災の被災地への神戸市支援活動記録誌の中間報告』

 ★ 【東日本大震災の救援者の心的外傷後ストレス障害に関する調査
     災害後のPTSD予防に向けて】
    国立病院機構災害医療センター 精神科  2012.4.26
   『東日本大震災の救援者の心的外傷後ストレス障害に関する調査』


 ★ 『遺体が救援者に引き起こす気持ちの変化』
    日本トラウマティック・ストレス学会
   『遺体が救援者に引き起こす気持ちの変化』
   「災害救援において遺体を扱う業務は、大きな困難を伴います。この業務では、無念さ、恐
   怖、嫌悪感、気持ち悪さ、怒りなど、様々な気持ちが生じます。時には自分の出来ることが
   不十分だと、自を責めたり、無力感や憤りを感じる場合があります。まるで何も感じられな
   いようになったり、現場を離ても惨事の様子が頭に残ることもあります。犠牲者が子供だっ
   たり、貴方自身やご家族の誰かを連想させる場合、影響の度合いはさらに強くなります。
    このような気持ちの変化は、人間として自然な反応です。強い感情を持つことは当然であ
   り、それを出すことは決して悪いことではありません。


 ★ 『救援者の惨事ストレス』
    畑中美穂
   『救援者の惨事ストレス』
   「救援者に特有のストレスをもたらす要因は以下の4点に整理されている.
    第1は,義務としての出場である.職業的救援者は災害現場への出動が義務であり,忌避
   することができない.
    第2は,職業意識が強く,使命感に燃え,責任を果たしたいという意欲をもっている者が
   多いことである.
    第3は,男らしさを強調する組織風土である.上下関係が厳格で,上司の命令であればど
     んな内容でも従うという雰囲気が生まれやすい.
    第4は,一般市民が救援者に対して「献身的で頼もしいプロ」というイメージをもち,期
   待していることである.
    こうした要因によって,救援者は,災害や事故の際に「逃げることができないストレス」
   を感じやすいと考えられている.」


 ★ 日本トラウマティック・ストレス学会:
    東日本大震災支援情報サイト 災害時こころの情報支援センター
   東日本大震災支援情報サイト 災害時こころの情報支援センター
   「惨事ストレス対策」
    災害現場に第一陣として派遣された救援チームの帰還が続いています。現地の悲惨さは報
   道されている以上に壮絶なもので、ベテランの専門職をもってしても大きな心理的影響を受
   けてしまうことが耳に入ります。何もできなかったという無力感、強い自責感にとらわれて
   しまう方が多いのが今回の特色のようです。こうした惨事ストレスへの対処法を簡単にまと
   めてみました。
   【惨事ストレスの基礎知識】
    1)誰もが影響を受ける可能性がある
    2)惨事ストレスの影響は「異常な状況のもとでの正常な反応」である
    3)多くは周囲のサポートや気分転換の方法を上手に使いながら回復する


 ★ 『惨事ストレスにおける新聞報道の時系列的分析』
    堀 洋元 大妻女子大学大学
   『惨事ストレスにおける新聞報道の時系列的分析』


 ★ 災害支援者はなぜ傷つきやすいのか?
    ――東日本大震災後に考える支援者のメンタルヘルス――
    重村淳 防衛医科大学校精神科学講座  他 『精神経誌』 (2012) 114巻 11号
   「災害支援者はなぜ傷つきやすいのか?」
   「東日本大震災後,支援者たちは身を粉にしてひたすら働き続けている.多くの者は自らが
   被災しながらも人々のために奮闘している.しかし,自己犠牲を伴う奮闘ぶりは果たして当
   然のことなのだろうか.被災の東北3県での地方公務員の殉職は330人に上った (読売新
   聞電子版,2011年6月16日).仕事で命を落とすこと,これは当たり前なのだろうか.
   支援活動で途轍もない過重労働を続けたり心身の健康に影響が出たりすることは,当たり前
   なのだろうか.
    東日本大震災後,筆者らは,遺体安置所に派遣された行政職員および歯科医師,医療・保
   健・福祉関係の専門家,福島第一原子力発電所 (以下,第一原発) 事故の復旧業務を行う
   電力会社職員など,支援者のケアにあたってきた.すべての支援者に共通していたのは,自
   分自身が被災しながらも,震災後に膨大となった業務をこなし続けてきていること,しかし
   この過程における苦悩が筆舌に尽くし難い点である.」


 ★ 『心のケア 阪神・淡路大震災から東北へ』
    加藤寛 + 最相葉月
    講談社現代新書  2011年11月刊
   「はじめに
    ……
   第5章 「支援者へのメッセージ」 では、消防士や医療関係者から一般市民のボランティア
   まで、支援者が抱えがちな “惨事ストレス” について調査研究を進めてきた加藤氏の経験
   を通して、支援者自身が留意しておきたい心のケアについて考えてみます。心のケアとは必
   ずしも専門職によるものでないこと、そのやわらかい言葉の響きどおり、被災された方を見
   守り、支えるにははさまざまな支援のかたちがあることが見えてきます。」


 ★ 座談会 『3ヵ月後の現状とこれから』
    中島聡美 ・村上典子 ・大澤智子 ・小西聖子(司会)
    『トラウマティック・ストレス誌 vol9-2』 (2011年)
   『3ヵ月後の現状とこれから』
   「大澤:保健師さんを対象に研修をするには、『体のケアはこころのケア(につながるも
   の)』だと何度も伝えています。つまり、こころのケアは保健師業務とは異なる活動ではな
   く、被災者のこころの安定や生活の安定・再建につながる活動はすべて『こころのケア』に
   なりうるのだ、と。それから、すべてを病的と捉えてしまわないこと、ただし、万が一『病
   気』が疑われる際には相手を傷つけないやり方で専門家につなぐのかを考える、と伝えてい
   ます。」


 ★ 『心的外傷とこころのケア』
     -阪神淡路大震災後10年の発展-』
     兵庫県こころのケアセンター 加藤 寛
     『日本リハビリテーション医学会』 (2008年)


 ★ 『惨事ストレスとこころの防災教育』
    元吉 忠寛  関西大学 社会安全学部
    『社会安全学研究』 第2号
   『惨事ストレスとこころの防災教育』


 ★ 『災害救援者の二次受傷とメンタルヘルス対策に関する検討』
    大塚映美 松本じゅん子
    『長野県看護大学紀要』 第9号 (2007年)
   『災害救援者の二次受傷とメンタルヘルス対策に関する検討』
   「日本では,PTSDという言葉が一般的に聞かれるようになってきたのは1995年の阪神・
   淡路大震災や同年の地下鉄サリン事件の直後からである.しかし,PTSDの歴史を遡る
   と,1666年のロンドン大火の後,既に火事は終わっているのにその光景を悪夢に見た
   り,今また炎に巻かれているかのような恐怖を体験したりしたという記述が残されていると
   いわれている(金,2002).第一次世界大戦では砲弾恐怖症(shellshock; シェル・ショッ
   ク)の報告があり,第一次・第二次世界大戦の経験から戦争神経症(war neurosis,battle
    fatigu)が提唱されてきた.ナチスの強制収容所からの生還者にも同様の症状
   (concentration camp syndrome; 強制収容所症候群)が報告されている.また,アメリカ
   でも1975年に終結したベトナム戦争後の帰還兵の精神的後遺症であるシェル・ショック
   や戦争神経症が社会問題となり,精神科医らの間でそのような症例が広まってPTSDが提
   唱されたという経緯がある」


 ★ 『災害救援者に対する惨事ストレスマネージメントシステムの
     あり方に関する調査』研究成果報告書
    研究代表者 松井 豊 (筑波大学大学院人間総合科学研究科教授)
    平成18年3月
   『災害救援者の二次受傷とメンタルヘルス対策に関する検討』
   「イギリス 首都警察の惨事ストレス対策
    大事故があったときには、活動要請があってから42時間から72時間で、外傷支援デブ
   リーフィング (traumasupportdebrieling) が行われる。
    デブリーフィングは、ミッチェルモデルを変容させた形式で行われている。デブリーフィ
   ングは2人のデブリーファー(リードデブリーファーとピアデブリーファー)が進行し、3
   人目の人(サポーター)はゲートキーパーとなる。ゲートキーパーは、デブリーファーを支
   援し、人の出入りを制限する。参加者は、最大20人までで実施している。デブリーフィン
   グでは、参加者に対して、正常な生活が続くことを強調し(nomalizmalize)、大丈夫だと
   いう感情(ok feeIing)を持たせる。


 ★ 『日本におけるPTSD対策』
    窪田文子 大妻女子大学家政学部助教授
    『予防時報』 223号  2005
   『日本におけるPTSD対策』
   「阪神・淡路大震災に関しては、被災後16ヶ月に行われた企業職員で被災地居住者を対象
   とした調査では、PTSDに相当する者は3.1%で、すべての診断基準は満たさないが一
   部の症状が見られた者は10.1%であった。住居被害の程度によって分けると、家屋全壊
   群ではPTSD相当事例は9.6%であったのに対して、半壊群では2.6%、一部損壊群で
   は3.4%、被害なし群では1.1%で、PTSDの発症率は被害の大きさと比例していた。
   また、被災後3ヶ月から1年の間に診療所を訪れた者175人と避難所にいる被災者506
   人を対象に行った質問紙調査では、全体の7.2%(男性6.6%・女性8.9%)にPTS
   Dが見られ、総合病院の内科受診者106例について被災後平均73.1日後に行った面接
   によると、PTSDの出現頻度は19.8%で急性ストレス障害は20.8%であった。」


 ★ 『災害とトラウマ』
   「こころのケアセンター」 編  みすず書房 (1999年)
   『災害とトラウマ』
    1997年10月10日に神戸市で開催されたシンポジウム「災害とトラウマ――長期的
   影響とケアの方向性」 の報告集。
    8人の専門家が、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件、犯罪被害者への対応など突然の災
   害がもたらす心理的影響とケアについて語っています。
   「消防や警察あるいは軍隊と言った組織は、プロ意識が高く、男性的な役割意識を持ってい
   ます。勇気と男気が求められる職業と言えるでしょう。したがって、弱音を吐いたり、精神
   的な動揺を見せるのは嫌われます、これは洋の東西を問わずいえることで、たとえば第一次
   世界大戦中のイギリスでは、戦場で強い衝撃に曝され心理的な問題を呈した兵士は、軍法会
   議にかけられ罰せられたといいます。(なお、こうした兵士に対しては、『戦闘神経症』と
   いう病名が後に与えられ、治療を受けられるようになりますが、その目的は早く前線に復帰
   させることでした。)」(加藤寛)


 ★ 『災害ストレスと心のケア 雲仙・普賢岳噴火災害を起点に』
    太田保之 編著
    医歯薬出版株式会社  96.8
    災害に遭遇し心に傷害を負った被害者,その精神的ケアにいかに取り組むか,雲仙・普賢
   岳噴火災害の精神保健活動の体験と豊富な文献から,災害者の危機介入や情報管理などの指
   針を具体的に提起。


 ★ 『心の傷を癒すということ』
    安 克昌 著
    角川ソフィア文庫 (1996年)
    阪神淡路大震災における精神医療について、神戸大学病院の安克昌医師は体験を『産経新
   聞』に連載しました。連載は『心の傷を癒すということ』のタイトルで本になりました。安
   医師たちの活動が、日本で最初の惨事ストレスへの本格的取り組みのようです。
   「被災直後の被災者は、さまざまな心身の不調を体験するが、それは災害という「異常な事
   態への正常な反応」である。多くは一時的なもので、時とともに薄れていくが、衝撃があま
   り大きい時はPTSDとなって長期化することもある。予防のためには被災体験を他人に話
   すこと、それについての感情を表現することが大切である。
    つまり救援者が、被災者の体験や感情を聞くことが〈心のケア〉になる。デビット・ロア
   は被災者から話を聞くという技術を「アクティブ・リスニング」と名づけている。彼は「ア
   クティブ・リスニング」の注意点を以下のようにまとめている。
   「アクティブ・リスニングの基本」
    ・聞き役に徹する
    ・話しの主導権をとらず、相手のペースに委ねる
    ・話を引き出すよう、相槌を打ったり質問を向ける
    ・事実「何が起こったか」→ 考え「どう考えたか」→ 感情「どう感じたか」の順が話し
     やすい
    ・善悪の判断や批評はしない
    ・相手の感情を理解し、共感する
    ・ニーズを読み取る
    ・安心させ、サポーとする
    ≪活動報告 13.3.29≫


 ★ ハンドブック 『災害と心のケア』
    デビッド・ロモ 著
    (株) アスク・ヒューマンケア (1995年)
   「災害にあった後、多くの人は不安感による睡眠障害に陥ります。神経が高ぶって眠れなか
   ったり、眠りが浅く途中で目覚めてしまったりします。……
    不安感は、集中力や判断力の欠如・対人関係の支障も招きます。……
    ちょっとした揺れや物音への過剰反応や、恐怖のあまり幻聴が起こる場合もあります。こ
   れらは、『異常な事態に対する、正常な反応』です。自分を取り巻く状況そのものが異常な
   なのですから、ふつうの生活では経験しない次のような反応が起こってくるのは、当然のこ
   とです。……」


 ★ 『1991年 雲仙岳噴火災害調査の第一報』
    望月利男 東京都立大学都市研究センター 花井徳賓 長崎総合科学大学工学部
    総合都市研究 第44号  1991
   「避難生活で最も堪えるのは、将来の生活に対する不安なのだ。さまざまなストレス症状の
   ほとんどは、このことに起因する。だから家畜の世話や家財の持ち出しなどのために、警戒
   区域の自宅への立ち入りも続発する。警戒もれの道もあるし、警戒に当たる警察官も住民の
   心情に同情し、見てみぬふりをするのだろう。特別立法の話はさまざまな局面や分野で出る
   が、前進していない。政府はあくまで現行法の枠内で対応する方針を固めたようだ。理由は
   前例のない災害時の個人補償は避けたいとの原則論にもよるものだが、この災害はまさに前
   例のない異常な事態で推移しているのだから、住民も自治体もそれでは納得しない。国はそ
   の時点で最善を尽くせばよいのであって、国の財政力を超えるような将来の大災害時(いつ
   起こるかもわからない)に、同様な救済を望んでも無理なことぐらいは国民の誰もが知って
   いる。
   『1991年 雲仙岳噴火災害調査の第一報』


 ★ 『災害時の「心のケア」の手引き』
    東京都福祉保健局 発行  平成20年5月
   『災害時の「心のケア」の手引き』


 ★ 災害時こころの情報支援センター
   災害時こころの情報支援センター


 ★ ひょうご震災記念21世紀研究機構
   ひょうご震災記念21世紀研究機構
   兵庫県こころのケアセンター
   兵庫県こころのケアセンター


 ★ 「震災対策《心のケア》」(宮城県精神保健福祉センター)
   「震災対策《心のケア》」


   ≪ さ ま ざ ま な 惨 事 ス ト レ ス ≫

 ★ 【国家公務員の健康管理】
   『被災あるいは救助に当たった職員等の惨事ストレスへの
     対応について ~こころのケアの道筋を考える~』
    『人事院月報』 2011.10


 ★ 『職業における業務内容に関連するストレスと
     その予防に関する研究』
    大澤 智子 ほか  兵庫県こころのケアセンター
   『大規模輸送災害が被害者のその後の心身に与える影響』
    廣常 秀人 ほか  兵庫県こころのケアセンター  ほか
    『心的トラウマ研究』 第2号 (2006年)


 ★ 『災害後の心理的変化と対処方法
    ― 阪神・淡路大震災6か月後の調査―
    日下菜穂子  中村義行  山田典子  乾原正
    教育心理学研究第45巻 第1号  1997年
   『災害後の心理的変化と対処方法』
   「家族、知人といった身近な人から専門家を含めた人までを対象に、自分の被災体験を心ゆ
   くまで話し合うことによって、過去の体験と現在の生活のつながりを探り(Romo,1995)、ま
   た非日常的な出来事の回顧、検証の過程を経てその出来事の意味を理解し克服するのに役立
   つ(Raphae1,1989)という「トーキングスルー」が、心の癒しに有効であるとするなら、それ
   は災害後の困難な状況下にあっても比較的実現可能な対処行動であると言えるだろう。私た
   ちはここで、災害後の対処方法として話せる環境の必要性を強調したい。

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